日本囲碁ニュース (その他)

日本の囲碁ニュース・棋戦情報をお伝えします。
日本で行われている囲碁のイベントや棋戦情報を皆様にお伝えします。

囲碁ニュース [ 2022年6月7日 ]

仲邑菫二段、史上最速最年少で100勝達成

 13歳3カ月の仲邑菫二段が、6月6日、第41期女流本因坊戦本戦2回戦で加藤啓子六段に勝利し、公式戦100勝を達成した。日本棋院所属棋士の中では、趙治勲名誉名人により1972年に達成された15歳11カ月の記録を、50年ぶりに塗り替えた。対局後に報道陣に囲まれた仲邑は「勝ち星はあまり意識しないので、そうなんだ…という感じです」と答え、プロ入りから3年2カ月での達成については「あまり分からないですが、早そう」と笑顔で答えた。女流棋士は、一般棋戦の他に女流棋戦も戦うため、条件が同一ではないものの、将来への期待度は高まる。日本棋院所属棋士の100勝達成年少記録は、3位が井山裕太四冠(16歳3カ月)、4位が藤沢里菜女流四冠(16歳8カ月)、5位が一力遼棋聖(16歳9カ月)という強い顔ぶれ。ちなみに、プロ入りから100勝達成までは、井山が3年4カ月、一力が3年6カ月、藤沢は5年2カ月を要している。

囲碁ニュース [ 2022年5月31日 ]

「終盤の女王」藤沢が日本チームに1勝

 日本、中国、韓国の三国から5名ずつが参戦する女子団体戦――第1回湖盤杯(ソウル新聞、韓国棋院主催)の第1ラウンドが5月22日から28日にネット対局で行われ、第1戦から7戦まで進んだ。韓国棋院主催の「農心辛ラーメン杯」と同様、勝者が負けるまで勝ち上がっていく方式。日本からは、藤沢里菜五段、上野愛咲美四段、鈴木歩七段、謝依旻七段、仲邑菫二段が選抜され、出場順は選手間で決めたという。第1戦は、仲邑と中国の新鋭・呉依銘三段の注目ライバル対決となった。呉はこの碁に勝利して勢いに乗ると、5連勝の大活躍。日本勢は二番手の鈴木、三番手の謝も呉に敗れた。第6戦では韓国の実力者、金彩瑛七段が、貫禄を見せて呉にほぼ完勝。第7戦は、その金と、藤沢との対戦となった。序盤の右辺の競り合いから終始難しい戦いが続き、形勢は細かいながらも白番の金がやや優勢となっていた。だが、中盤から大ヨセに差し掛かるあたりの藤沢は「神がかり的に強い」と定評がある。期待どおり、金のわずかな隙を捉えて逆転を果たすと、その後はほぼ完璧に打ち回して黒番中押し勝ちを収めた。「海外の選手と打つのは久しぶりだったので、楽しみにしていました」と藤沢。「強い主将が控えているので、気楽に打てます」と笑い、「チームに貢献できるよう、1つでも多く勝てるようにこのあともがんばります」と頼もしいコメントを残した。第1ラウンドを終了して、残っている選手は、日本が2名、韓国が2名、中国が4名。藤沢と中国選手の第8戦から始まる第2ラウンドは、10月開催が予定されている。

囲碁ニュース [ 2022年5月25日 ]

関東リーグ 東大V

東京大学(右)- 早稲田大学

 5月1日、4日、5日の3日間にわたり東京市ヶ谷の日本棋院において春季関東学生囲碁リーグが行われた。コロナ以降、昨年秋季関東リーグは行われたが春季リーグは初である。コロナの影響もあり、大学囲碁部の活動が困難だったためか出場校の数はコロナ前に比べて減少している。
そんな中、1部リーグは早稲田大学、東京大学、東京理科大学、慶應義塾大学が4強とされていたが、慶應が5位になるなど勢力図が変化していくようだった。9連覇中の早稲田大学が6回戦まで全て5-0で6連勝し10連覇まであと1勝となった。最終戦の相手は同じくチームとしては全勝の東京大学。昨年の秋季リーグでは東大が4-1で早稲田を降すも東京理科大や慶應と星の潰し合いとなりメンバーの勝ち数で早稲田が制している。今回は共に全勝のため勝者が優勝の決勝戦となった。
早稲田大学は昨年とほとんどメンバーは変わらず、女子学生本因坊の加藤優希さんを主将に関東学生界の中でも実力者が揃っている。対する東京大学は主将に世界アマ日本代表経験のある川口飛翔さん、高校選手権で全国優勝経験のある林朋哉さんを副将にこちらも実力者が顔を並べる。
最終戦は2-2で最後に残った主将戦に託された。多くのギャラリーが注目する中、東大川口さん半目勝ちとなり、3-2で東大が念願の優勝となった。
主将の川口さんは「チームのみんなの頑張りです」と語った。早稲田は秋季リーグでのリベンジに意欲を燃やしていた。

囲碁ニュース [ 2022年5月6日 ]

春の叙勲・褒章 ―― 石田と井山が受章

 令和4年春の叙勲・褒章受章者が4月29日付で発表され、囲碁界では石田芳夫九段(二十四世本因坊秀芳)が旭日小綬章を、井山裕太九段(名人・本因坊・王座・碁聖)が紫綬褒章をそれぞれ受賞することが決まった。存命の棋士の中では、勲章を受章するのは、杉内寿子八段、大竹英雄名誉碁聖、林海峰名誉天元に次いで石田が4人目。褒章受章は、大竹、林、石田、小林光一名誉棋聖、趙治勲名誉名人に次いで井山が6人目となる。8月に74歳、来年現役60目を迎える石田は「光栄としかいえません。この受章に恥じないよう碁界に貢献していきたい」とあいさつし、AIにはない独創性を碁に求めつつ、「2千局、1200勝に到達したら(引退を)考えます。もうひと踏ん張り」と現役棋士としての抱負を語った。最年少での受章が決まった井山は「こんなに早く…思いもよらなかったこと」と驚いた様子を見せ、「名誉なことで大変光栄に思います。今後は棋士としても、人間としても、少しでも成長していけるよう精進していきたい」とあいさつした後、「新たなことに挑戦していく姿勢で」囲碁に向き合い、「盤上への興味は尽きません。囲碁の真理に近づけるように成長していきたい」と語った。

囲碁ニュース [ 2022年4月28日 ]

アマ名人戦予選各地で始まる

 4月になると都道府県で第16回朝日アマチュア囲碁名人戦の都道府県大会が始まり、7月の全国大会、大関稔アマ名人への挑戦を目指す。4月には東京をはじめ、埼玉、愛知、大阪などの都市部を中心にすでにいくつかの県で続々と予選が行われ各代表が決まっている。全国優勝経験者や全国上位常連などが順当に勝ち上がっているようである。県大会は4、5月を中心に行われる。東京では近年、コロナの影響からか参加者数が以前より減っているようであるが、地方では昨年の参加を控えていたという参加者が復帰してきているようである。とはいえ、まだまだコロナ以前の人数に回復するまではいかないようであり、会場の確保に苦労している県もあるようである。それでも大会への参加を楽しみにしている参加者は多く、昨年は緊急事態宣言の中行われていたところもある県大会だが、今年は宣言が出ていなくて嬉しいというコメントもあった。
 迎え撃つ側の大関アマ名人は3月には井山裕太名人とのプロアマ名人戦が行われ、井山名人に敗れている。左上の攻防で大関アマ名人に誤算があったのか、逆コミのハンデがあるものの、井山名人が押し切ったという印象である。
 昨年は10代の北芝礼さんが全国大会を制し、大関アマ名人に挑戦したが、今年も若手が登場するのか、ベテランが巻き返すのか。そして大関アマ名人が3連覇をするのか注目である。
 アマ名人戦が盛り上がる中、アマ竜星戦(世界アマ日本代表決定戦)の中止も発表されている。

囲碁ニュース [ 2022年4月19日 ]

藤沢、菫二段を退け、女流名人五連覇

 五連覇か史上最年少記録の大幅更新か――「第33期博多・カマチ杯女流名人戦」三番勝負(一般社団法人巨樹の会他協賛)の第1局と第2局が、それぞれ4月14日と16日に東京都千代田区の日本棋院で行われた。注目を集めた本シリーズは、藤沢里菜女流名人が挑戦者の仲邑菫二段の挑戦を退け2連勝とし、謝依旻六段(9連覇)以来二人目の5連覇を達成した。仲邑二段の初タイトル奪取は見送りとなった。
 勝てば13歳1か月という若さでのタイトル獲得となる仲邑二段の挑戦だった。1局目は接戦となり、囲碁AⅠが黒番の仲邑二段優勢を伝える時間も長かった。だが、難解な中盤戦から終盤に入るあたりで藤沢女流名人がいつもどおりの強さを発揮し逆転。白番中押し勝ちとなった。2局目は序盤から藤沢がほぼ完璧な打ち回しを見せる。途中「不安があった」(藤沢)、「悪いなりに少し難しくなったかと思った」(仲邑)と両者が振り返る攻防はあったものの、他では反撃を寄せつけず、藤沢の黒番中押し勝ち。貫禄の強さで防衛を果たした。仲邑は「(女流名人戦の直前に打たれた)SENKO CUPが一番うまく打てた」と振り返り、本シリーズは「内容があまり良くなかったので残念です」としながらも、「藤沢先生は、時間の使い方など、やはり勝負強いなと感じた。こういう大きな舞台で藤沢先生と2局打てて勉強になりました」と報道陣に応えた。藤沢は「13歳という若さで挑戦できるのもすごいし、この大舞台で普段と変わらない空気を感じたのでメンタルの強さもすごいと思った」、「改めて仲邑二段の厳しさを感じた」と挑戦者を讃えたが、自身も「こんなに大勢の報道陣に囲まれた対局は初めてでしたが、対局が始まれば普段どおりに打てました」とメンタルの強さを披露。「これからもどんどん強くなっていく仲邑二段に置いていかれないようにがんばります」と笑顔を見せながら、「仲邑二段に限らず、誰にも負けたくないので」と静かに闘志を語った。

囲碁ニュース [ 2022年4月12日 ]

上野、日本女流界初の世界一

 第4回SENKO CUPワールド碁女流最強戦(センコーグループホールディングス株式会社特別協賛)が4月8、9、10の3日間に渡って開催され、上野愛咲美女流棋聖が悲願の日本勢による世界戦初優勝を果たした。今大会は、「扇興杯女流囲碁最強戦」上位4名と主催者推薦1名、中国、韓国、中華台北のランキング1位という8名によるトーナメント戦がネット対局で行われ、日本からは「扇興杯」優勝者の藤沢里菜女流四冠、準優勝の上野女流棋聖、ベスト4の鈴木歩七段、謝依旻六段と、ベスト8に残った仲邑菫二段が推薦枠で出場し、中国からは於之瑩七段、韓国からは崔精九段、中華台北からは蘆鈺樺四段がそれぞれ出場した。過去三回の大会はいずれも於七段が優勝しており、日本勢は決勝戦に進出したことがなかった。だが、今年は8日の1回戦から日本勢が奮起。謝六段が、女流世界最強として知られる崔九段に勝利し、上野女流棋聖は於七段を降した。鈴木七段は蘆四段に惜敗したが、日本勢同士の一戦を制した藤沢女流四冠との3名がベスト4に勝ち上がった。また、まもなく開幕する「女流名人戦五番勝負」の前哨戦となった藤沢女流四冠と仲邑二段の対局は、一時はAIが90%を越える数字で仲邑二段優勢を伝えたが、「神がかり的な強さがある」と張栩九段らトップ棋士に定評のある終盤力で藤沢女流四冠が逆転した。藤沢女流四冠との初の公式戦を終えた仲邑二段は「意外と力の差はないな」と手応えを感じたそうだ。
 9日の準決勝は藤沢女流四冠との超難解な戦いの碁を上野女流棋聖が制して決勝に進出。謝六段は蘆四段に惜敗し、「世界最強の崔さんにまさか勝てるの思わなかったので、本当にうれしいです。準決勝もできれば勝って決勝戦を打ちたかった」と無念の表情で語った。そして、10日は東京都千代田区の日本棋院で「SENKO CUP 女流囲碁フェスティバル」も開催され、大盤解説も行われるなか、大勢のファンと女流棋士たちの応援を受けながら、上野女流棋聖と蘆四段の決勝戦がスタートした。「ハンマー」の異名をとる戦う棋風の上野女流棋聖が、読み切って最強の着手を選びながら相手の大石を召し取るという「らしさ」全開の内容で勝利を収め、日本中の囲碁ファンと棋士たちが歓喜した。優勝した上野女流棋聖は「勝った3局とも、AIを使う研究会で学んだ布石が出てきて、うちやすくなりました。研究会のみんなに感謝したいです」と語り、「後悔する手は打たなかったので満足な内容です。優勝の実感はありませんが、勝っていたみたいでうれしい」と取材陣に笑顔で応えていた。三位決定戦は、藤沢女流四冠が謝六段に勝利を収めた。

囲碁ニュース [ 2022年4月5日 ]

許、初代「テイケイ俊英」

 25歳以下の棋士が出場する新棋戦、第1回テイケイ杯俊英戦(テイケイ株式会社協賛)の決勝三番勝負・第2局が、4月2日、東京都千代田区の「竜星スタジオ」で打たれ、許家元十段が芝野虎丸九段に勝利。第1局に続く2連勝で、初代「テイケイ杯俊英」となった。両者の対戦成績は芝野がリードしていたが、昨年、許が芝野から十段位を奪取して以来追い上げ、この第2局を終えて11勝11敗と並んだ。第1局は、同じく「竜星スタジオ」で3月4日に打たれた。許が芝野の中央の攻めをかわしてリードを奪い、盛り返した芝野が上辺の折衝での返し技も決めて細かいヨセ勝負となったが、許が半目逃げ切っての勝利だった。今年の芝野は本局まで4連勝と調子を上げてきたものの、トータルでは7勝7敗。かたや許は、13連勝中。第2局は、13連勝の勢いが勝り、238手まで、許が白番中押し勝ちとなった。連勝を14に伸ばした許は「自分でもびっくりです」と笑い、戴冠については「できすぎた部分はありますが、すごくうれしいです。だいぶ自信にもなりました」と喜びを語った。

菫二段、史上最年少挑戦者

 藤沢里菜女流名人への挑戦者を決める「第33期博多・カマチ杯女流名人戦リーグ」(一般社団法人巨樹の会他協賛)が3月31日の日程を終えた時点で、仲邑菫二段が単独1位となり、挑戦権を獲得した。仲邑は鈴木歩七段に敗れたものの、残る強豪に連勝し、3月24日に自身の最終戦で向井千瑛六段を破って5勝1敗でゴール。31日の上野愛咲美女流棋聖と謝依旻七段の一戦の結果を待っていた。謝が勝てば1敗で並びプレーオフとなるが、結果は上野の黒番中押し勝ち。1敗は仲邑唯一人となった。女流名人戦三番勝負が開幕する4月14日に、仲邑は13歳1か月。藤沢の持つ挑戦者最年少記録の16歳0か月を大きく更新した。仲邑は「こんなに早くタイトル戦に出られるとは思ってなくて本当にうれしいです。(リーグ戦では)謝先生、上野先生に勝てて自信になりました」と喜び、「里菜先生とは研究会で20局くらい打ってもらい2局くらいしか勝ったことがない。ふだんからすごく優しくてめちゃくちゃ仲良くさせていただいているんですけど、碁もすごく強くて、人としてもすごく尊敬している憧れの先生。実力的には相当厳しいと思うので、少しでも何かを得られればなと思います」と抱負を語った。迎え撃つ藤沢は「勝算はないです。菫さんは、今年に入ってますます力をあげている印象ですし、普段打っている練習碁と本番ではまた違うので、公式戦は今回が初めてなんですけど、どんな戦いになるのか、戦ってみないとわからないなというのが今の気持ちです」と語った。

囲碁ニュース [ 2022年3月29日 ]

ジュニア本因坊戦

 花まる学習会杯第25回ジュニア本因坊戦全国大会が3月26日、27日の両日、東京の毎日ホール(毎日新聞東京本社)にて行われ、32名の子供たちが頂点を競った。認定大会ではなく、こういった子供の全国大会では小学生・中学生は夏の少年少女囲碁大会のようにそれぞれ別に小学生の部、中学生の部とわかれるのが普通であるが、本大会の特徴は小中学生が同じ舞台で全国の頂点を目指す。予選も県大会ではなく、関東や関西といったブロックごとになっている。
2日で5回戦行われるが、1日目で小学生名人の吉田透真くんが敗れるなど、小学生の有力選手や、中学生でもこれまで全国上位常連が次々に敗れるなど混戦になった。
全勝対決は原一太くん(愛知・中3)と樋口駿くん(福岡・中1)となり、樋口くんが初の全国優勝となった。決勝は序盤から苦しく最後は逆転勝利だった。両者は1週間前に京都で行われたボンド杯こどもチャンピオン全国大会でも顔を合わせており、そのときは原くんの勝ちだったため、樋口くんはリベンジを果たしたことになる。樋口くんは3回戦で1目半、4回戦で半目と接戦が多かった。
樋口くんは福岡ブロックの代表だが佐賀在住で、引退後に故郷に帰り囲碁指導をしている吉岡薫九段に教わっている。吉岡九段は弟子が多く中部総本部でプロになっている弟子が多い。
近年では子供たちのレベルが上がっており、どの子も強いので実績がある子が勝てるとは限らないくらい実力差が無くなっている。

囲碁ニュース [ 2022年3月17日 ]

女流アマ 久代さん 2度目の優勝

 3月12日、13日の両日、第64回全日本女流アマチュア囲碁選手権全国大会が東京市ヶ谷の日本棋院で行われ、久代迎春さんが2018年の第60回以来2度目の全国優勝を果たした。全国から88名が参加し、8つのブロックに分かれ3回戦が行われ16名が決勝進出となる。 予選リーグは順当に実績者が3連勝で勝ち上がる中、田中ひかるさん(栃木)が優勝経験のある大沢摩耶さん(埼玉)を降し、唯一の2勝1敗での勝ち抜けとなった。それに勢いがついたのか、決勝トーナメントでは関西棋院の元院生だった西方彩華さん(関西)、女子学生強豪の辻萌夏さん(東京)、高校選手権2連覇の経験がある京大生の岩井温子さん(関西)を降し決勝に進出した。 もう一方のブロックで注目を集めたのが谷結衣子さん(神奈川)である。高校選手権で全国優勝はあるが、大学でもあまり大会に出ず、卒業してからもほとんど碁をやっていなかったというが、女子学生本因坊の加藤優希さん(東京)、昨年の女流アマ全国優勝の内田祐里さん(シード)を降しベスト4となった。準決勝では久代さんに敗れた。 決勝の久代‐田中戦はねじり合いとなり、久代さんが読み合いの熱戦を制した。田中さんが勝利していれば、全勝者が1人もいないという珍しい展開となるところであった。 今大会では昨年の上位者が次々に姿を消す展開となったが、女流アマのレベルの高さと実力の拮抗を物語る結果となった。

囲碁ニュース [ 2022年2月25日 ]

アマ大会開催様々

 昨年後半には新型コロナウイルスの感染者数も減ってきており、アマ大会やイベントの開催も多く見られるようになってきたが、年が明けるとオミクロン株の影響により再び感染者数が増加してきた。それによりアマ大会やイベントの開催に大きな影響が出ている。
 いち早く発表があったのがジャンボ大会の中止である。ジャンボ大会は1チーム10人以上の団体戦で、東京大会では15人と11人、中部では11人で行われ、団体戦の中ではそれぞれのチームが一番力を入れるところである。大人数の団体戦ということもあってか、普段なら2月に開催されるこの大会は中止となった。他にも大学のOB・OG団体戦といったこれも10人以上の団体戦が中止になるなど、やはり団体戦という多くの人数が集まるものが中止となった。
 個人戦では宝酒造杯が年内の全会場での開催の中止を発表した。宝酒造杯は各段級位に分かれて行うため、東京大会になると1000人以上の参加者になる。加えて会場で試飲ができるなども中止の原因であろう。2月や3月にあると子供大会と女流アマ選手権の各都道府県予選から全国大会が行われる。こちらは例年通り開催はされるが、子供大会は地区によっては代表戦のみで、段級位認定大会を行わないところもある。全国大会は現在予定通り開催されるようである。
 学生大会も学生最強位戦が中止となり、関東カーニバルが6月に延期となった。学生大会としては例年5月に関東学生リーグという大学の団体戦が行われるが、学生の間では無事に開催されるか不安の声もあがっている。

囲碁ニュース [ 2022年2月15日 ]

知念・一力ペアが優勝

 第27回を迎える「プロ棋士ペア碁選手権2021」の決勝戦が、2月13日、東京都千代田区の日本棋院で行われ、知念かおり六段・一力遼九段ペアと牛栄子四段・井山裕太五冠ペアの大熱戦が繰り広げられた。二十四世本因坊秀芳と星合志保三段による大盤解説会はネット上でも流れ、鶴山淳志八段のYouTube解説もファンを楽しませた。
現在、棋聖戦七番勝負――日本囲碁界の頂上決戦を戦っている井山と一力がペア碁でもその強さを存分に発揮して決勝に勝ち上がってきた。黒番は知念・一力ペア。序盤、左下で始まった戦いでは「左下の黒が全部取られる形もあったのですが、白に助けてもらって」と知念は振り返る。その後も白が中央の黒に襲いかかり、攻勢が続く。中央が生きた後は、上辺の黒のサバキ具合が勝負となった。終始戦いが続き、碁盤全体が戦場となり、形勢も二転三転するなか、上辺にツケていった白の手が敗着となったようだ。右上隅の黒に触らずにサバければ黒有望と思われたが、中央の白数子を取り込む望外の利を得、ここでほぼ勝敗が決した。最後は左辺も手になり、地合いで届かない白を投了に追い込んだ。一力は、前々回大会以来2度目の優勝。1997年大会以来の2度目の優勝杯を手にした知念は、「一力さんは碁盤を離れると気さくで話しやすく、質問すると何でもやさしく教えてくださいました。でも、ひとたび碁盤に向かうと別人のようなオーラ。学ぶことが多かったです」とペアを讃え、「本当に嬉しいです。読むのに必死でしたが、集中して打てました。4局も打たせていただいて、私にとっては貴重な時間でした」と決勝戦と大会を振り返った。

囲碁ニュース [ 2022年2月1日 ]

上野、連勝で防衛

 上野愛咲美女流棋聖が先勝して迎えた第25期ドコモ杯女流棋聖戦三番勝負(株式会社NTTドコモ協賛)の第2局が、1月27日、東京都千代田区の「竜星スタジオ」で行われた。「ハンマー」の異名を持つ上野と、詰碁の力はトップ棋士に伍すると定評のある挑戦者の鈴木歩七段の対局とあらば、戦いの碁になることは必至と予想されたが、第1局に続いて本局もヨセ勝負に突入した。互角の形勢から下辺の折衝で鈴木に後悔の手があり、そこで優勢に立った上野が押し切っての決着。277手まで、白番の上野が5目半勝ちを収め、防衛(通算4期目)を果たした。上野は最近、苦手としていたヨセの勉強に力を入れてきたという。敗れた鈴木は「2局とも、ヨセでしっかりやられてしまった感じです」と脱帽。上野は「今回はヨセではっきりしたミスがなかった」と勉強の成果を喜び、「今年は新人王のリベンジ、若鯉杯連覇、世界戦でも結果を残し、もっと勉強して女流棋戦も一般棋戦も全部がんばりたい」と二十歳となった一年の頼もしい抱負を語った。

張心治さん、最年少棋士に

 「令和4年度女流特別採用棋士採用試験リーグ」は、最終第7局が1月29日に打たれ、5勝1敗同士の張心治さん(12)と柳原咲輝さん(11)が激突。史上初の小学生同士の直接対局首位決戦に張さんが黒番6目半勝ちを収め1位となり、2月1日の常務理事会の承認を経て入段が決まった。心治さんは、張栩九段と小林泉美七段の次女で、2020年4月に入段した張心澄初段は姉。家族4人が全員棋士となった。また、現在最年少の仲邑菫二段より1歳若いため、現役の最年少棋士となる。目標の棋士を尋ねられて「父です」と心治さん。「実力不足なので、強くなりたいです」と抱負を語った。

囲碁ニュース [ 2022年1月25日 ]

ドコモ杯女流棋聖戦、上野先勝

 上野愛咲美女流棋聖に、鈴木歩七段が挑戦する第25期ドコモ杯女流棋聖戦三番勝負(株式会社NTTドコモ協賛)が開幕した。第1局は、1月20日に神奈川県平塚市の「ホテルサンライフガーデン」で行われ、黒番上野が1目半勝ちを収めた。上野と鈴木は3期連続の顔合わせで、2期前は、鈴木が上野から奪取し、前期は上野が雪辱を果たした。互いに、戦いになったときの相手の強さを肌で感じている。そのためか、本局は互いに相手の強手を警戒し、戦いを避ける手が打たれ、予想に反して比較的穏やかなヨセ勝負の展開となった。序盤、上野がやや優勢を築くが鈴木が盛り返し、ヨセに入ると鈴木がリードを奪うシーンもあったようだ。だが、鈴木のわずかな緩着をとらえ、上野がヨセ勝負を制した。上野は「できればもっと楽しく戦えればいいのですけど」、鈴木は「気分を切り替えて、次は戦うつもりでいます」とそれぞれ2局目に向けて「戦う」宣言を残した。上野が一気に防衛を決めるのか、鈴木が1勝を返して最終局までもつれるのか――第2局は、1月27日に、東京都千代田区の「竜星スタジオ」で行われる。

囲碁ニュース [ 2022年1月7日 ]

令和三羽ガラス、早碁棋戦を分け合う

 あけましておめでとうございます。今年も日本囲碁界のプロの棋戦のニュースをお届けしてまいります。よろしくお願いいたします。
 昨年末、12月27日に、第30期竜星戦(株式会社囲碁将棋チャンネル主催)の決勝戦が放映され、芝野虎丸九段が、許家元十段を降して4期ぶり2度目の優勝を果たした。昨年「十段」と「王座」を失い、七大タイトルは無冠となった芝野だが、年末に存在感を示した。一手30秒(1分の考慮時間10回)で打たれる本棋戦と、「NHK杯」、本戦は2時間、決勝は1時間30分で打たれる「阿含・桐山杯」は、「早碁三大棋戦」と呼ばれ親しまれているが、昨年はNHK杯で一力遼九段、阿含・桐山杯で許家元十段が優勝を決めており、今回の芝野の優勝で、「令和三羽ガラス」が仲良く三棋戦を分け合うこととなった。

第1回テイケイ杯俊英戦 許と芝野が決勝へ

 昨年スタートした新棋戦「第1回 テイケイ杯俊英戦」は、25歳以下の棋士が出場し、予選を勝ち抜いた12名が、6名ずつ二つのリーグに分かれて総当たり戦を行い、それぞれの優勝者が決勝三番勝負に進む。このリーグ戦が、12月20、21、22、24、25の5日間に渡って一気に行われた。Aリーグは、芝野虎丸九段と一力遼九段が4勝1敗で並び、規定により直接対決を制した芝野が優勝。Bリーグは5戦全勝した許家元十段が優勝を決め、ここでも「令和三羽ガラス」が圧倒的な強さを見せつける結果となった。竜星戦に続いて芝野が制するのか、許が雪辱するか、注目の決勝三番勝負は、今年3月に行われる予定となっている。また、女性棋士で唯一リーグ戦に勝ち上がった上野愛咲美女流棋聖は、Aリーグで2勝3敗の戦績で4位だった。

囲碁ニュース [ 2022年1月6日 ]

京大23年ぶり優勝

 第65回全日本学生囲碁選手権が12月23日から26日の4日間、東京市ヶ谷の日本棋院で行われ、全国各地区の代表校8校が日本一を目指して競った。近年では関東と関西の代表校が優勝争いを演じている。
 前評判が高かったのが京都大学で、レギュラーのレベルも学生トップクラスから代表クラスである。対抗としては関東の早稲田大学であり、両校は最終戦の直接対決まで全勝で進んだ。しかし勝ち方は対称的で、京都大学が5-0を連発して圧倒的な成績をおさめる一方、早稲田大学は3-2や4-1とチームの全員で補い合って勝ち続けた。
 最終戦では主将戦こそ早稲田大学が制したものの、4-1で京都大学が勝利し、23年ぶりの日本一となった。
 京都大学は全国大会も久しぶりの参加で、最近はしばらく関西代表は立命館大学であり、前回(一昨年)の全日本も立命館大学が早稲田大学を破り優勝している。立命館大学の当時のレギュラーはほとんどが卒業し、京都大学は新たな戦力が参加しての代表、優勝となった。関西リーグではレギュラーの2人がプロ試験を受けている中で立命館大学を破る安定ぶりだった。
 全日本では補欠も含め最強戦力で見事優勝を果たした。
 近年では関東と関西の代表校が圧倒的な力を示しており、他6校は続く3番手はどこだ、という争いをしてきたが、今回では早稲田大学を追い詰めるなど、けっして3番手争いではなく優勝を目指せる大学が増えた。次回では久々の関東、関西以外での優勝争いが見られるだろうか。

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