日本囲碁ニュース

日本の囲碁ニュース・棋戦情報をお伝えします。
日本で行われている囲碁のイベントや棋戦情報を皆様にお伝えします。

囲碁ニュース [ 2024年5月21日 ]

向井、9年ぶりに挑戦権

 上野愛咲美女流立葵杯への挑戦者を決める「第11期会津中央病院・女流立葵杯」(一般社団法人温知会協賛)の挑戦者決定戦が、5月19日、福島県会津若松市の「今昔亭」で打たれた。前日の準決勝戦は2局ともに白熱の大接戦だった。決定戦には、藤沢里菜女流本因坊に1目半勝ちの牛栄子扇興杯と、上野梨紗女流棋聖を半目差で制した向井千瑛六段の顔合わせとなった。握って向井の黒番。牛は「模様でいくか実利でいくか迷った」という。模様を選択し、黒の実利と対抗する展開となったが、「布石で少しおかしくなった」と牛。向井は右下でポイントをあげ、さらに左辺の白模様に入り、逆に左上の白を攻め主導権を奪った。牛は「ヨセになってからも、中央の黒を消すことも大変で、はっきり悪くなったと思います」、向井は「中央の白を取り、このまま何事もなければ少しいいのかなと思いました」とそれぞれ振り返る。その後、間もなく、牛が投了を告げた。解説の河野臨九段は「向井さんの好局。全体にうまく打たれていた」と評した。9年ぶりに挑戦権を獲得した向井は「形勢は難しかったと思いますが、自分好みの展開にでき、自分らしい碁が打てた」と笑顔で語り、「ここまでこられるとは思っておらず、自分でもビックリしています。正直、上野さんに2勝するイメージは全くないのですが、せっかくのチャンスですし、時間がありますので、体調管理も含めしっかり準備したいです」と抱負を語った。上野との三番勝負は、6月15日から17日に同所で打たれる。

囲碁ニュース [ 2024年5月15日 ]

一力、本因坊戦白星発進

 一力遼本因坊に、余正麒八段が挑戦する第79期本因坊戦挑戦手合五番勝負(毎日新聞社他主催)が開幕した。第1局は、5月14日、東京都台東区・上野の東京国立博物館「九条館」にて打たれ、一力が白番中押し勝ちを収め、初防衛に向け好スタートをきった。「お手本のようなバランスのよい布石」(ユーチューブ解説の鈴木伸二八段)から間もなく、下辺の競り合いが始まり、険しい攻防に発展。一力は「一手一手、打ち方も判断も難しい展開だったかなと思います」と振り返る。戦いは、下辺から中央に発展し、険しさを増していった。昼食休憩後の余の強手を「予想より厳しく、そのあたりはあまり自信がなかった」と一力。ただ、立会の張栩九段は「なかなか黒もはっきりいい図が作りにくかった」とする。余は「(下辺の折衝から)悲観していた。地合いで厳しいかなと思っていたのでやっていったのですが、やはりちょっと無理でした」と苦笑し、「白の大石を取りにいかなければいけない形勢になってしまった。その時点でよくなかったと思う」と振り返った。余の猛攻に対し、一力が、逆に左辺の黒を取ってしのぎ、勝敗が決した。一力は「2局目以降も毎週続いていきますので、また気持ちを引き締めて頑張りたい」、余は「2局目はもうすぐ来週なので、体調を整えて全力で頑張りたい」と、それぞれ意気込みを語った。第2局は、5月23日、長野県高山村の「藤井荘」にて打たれる。

囲碁ニュース [ 2024年5月7日 ]

井山、十段位を6期ぶりに奪還

 第62期大和ハウス杯十段戦(大和ハウス工業株式会社特別協賛。産経新聞社主催)五番勝負の最終局が、4月30日、千代田区の日本棋院東京本院で打たれ、挑戦者の井山裕太王座が、芝野虎丸十段に白番中押し勝ちをおさめ、6期ぶり6回目の十段位を獲得した。序盤、右上で珍しい進行となる。これを、井山は局後「少し考えたことがあって、やってみようかなくらいのことだったのですが、後の黒からのサガリが厳しく、どちらかというと、白の対処が難しい碁になってしまった」と振り返った。中盤以降も険しい戦いが続き、黒番の芝野の優勢な時間が続いたが、井山の「下辺を減らしにいかないと自信がなかった」という「勝負手気味」の手が奏功する。芝野は「下辺に入ってこられて、攻めが続かず、損をしたかっこうになったので、そこではっきりダメにした」と振り返った。その後、大きなコウ争いで、コウダテの尽きた芝野がコウを解消するが、右上を連打して白の大石を生還させつつ黒石を取り、勝敗が決した。井山は王座、碁聖に十段を加えて三冠となり、七大タイトル獲得を歴代1位の「通算60期」の大台に乗せた。局後の井山は、「(その記録は)全く知りませんでしたし、意識も全くありませんでした。一つ一つ積み重ねてこられてよかったなと思います」と静かに語った。

テイケイ杯俊英戦、芝野優勝

 芝野虎丸名人と関航太郎九段による、第3回テイケイグループ杯俊英戦(テイケイ株式会社ほかテイケイグループ各社協賛)決勝三番勝負の第2局が、5月4日に東京都千代田区の「竜星スタジオ」で打たれた。序盤、右上の難解な三々定石から進んだ。黒番の芝野はこの攻防でリードを奪うと、その後も着実にポイントを加えてリードを広げていく。粘る関にチャンスらしいチャンスを与えず、完勝と言える内容で寄り切り、3目半勝ち。シリーズ2連勝でタイトルを獲得した。芝野は、第1局に勝った後、「(本局までの)1か月間、(十段戦や世界戦など)大きな対局で全部負けてしまったので、(俊英戦で)勝ちたい気持ちが強くなっていました」と語り、自身のSNSでは「予選から決勝まで苦しい碁が続き、運が良かったと思います」と謙虚に振り返った。

囲碁ニュース [ 2024年4月30日 ]

上野愛咲美、世界戦で活躍

 4月25日、日本の囲碁ファンも棋士たちも大歓声をあげた。中国・衢州市で行われた「第2回衢州爛柯ワールドオープン」(中国囲棋協会など主催)で上野愛咲美五段が、中国のトップ棋士で世界チャンピオンの経験もある謝爾豪九段に白番中押し勝ちを収め、ベスト16に進出したのだ。黒の中央の大石を仕留めての見事な勝利に、棋士たちからは「肉を切らせて骨を断つハンマー!」(首藤瞬八段)などの賞賛の声がSNSに一斉にあがった。現地にいた高尾紳路九段によれば、中国や韓国の取材陣にも祝福されたという。謝九段は過去、13局日本選手と対戦している。井山裕太九段は、2018年2月に「第22回LG杯朝鮮日報棋王戦」の決勝三番勝負を戦い、第二局を半目制した。日本選手が謝を破ったのはその1勝だけだ。謝九段は中国選手の中でも早打ちで知られ、日本選手が、いわゆる「時間攻め」に苦しめられた光景も何度か目にしたが、上野は「決断の早さ」も武器に戦い抜き歴史的な勝利をあげた。上野は27日に打たれた3回戦では、中国のランキングトップ、辜梓豪九段に敗れたものの、21日に打たれた「第10回応氏杯世界選手権」でも韓国の強豪、朴廷桓九段に最小差の1目負け(応氏杯はコミ8目)と大健闘しており、世界に名をとどろかせる1週間となった。なお、「第2回衢州爛柯ワールドオープン」では井山がベスト8に進出、「第10回応氏杯世界選手権」では一力遼九段が予選2回戦を突破、3月に打たれた「第15回春蘭杯世界囲碁選手権」では芝野虎丸九段がベスト8に進出と、それぞれ勝ち残りを決めている。悲願の世界戦優勝に向け、日本の3棋士の活躍を期待したい。

囲碁ニュース [ 2024年4月23日 ]

藤沢、女流名人に復冠

 上野愛咲美女流名人に、藤沢里菜女流本因坊が挑戦する女流名人戦三番勝負(一般社団法人巨樹の会他協賛)の第2局が、4月17日に千代田区の日本棋院東京本院にて打たれた。3日前の第1局に快勝した藤沢は本局も序盤からリードを奪い、上野の勝負手にも最強に応じて黒番中押し勝ち。1期ぶり6回目の女流名人位に就いた。序盤、藤沢はまず左上でポイントをあげ、落ち着いた打ち回しで優勢を維持する。上野は「中盤に右上でコウを仕掛けたのですが、それがよくなかった。その前もよくなかったのですが。右上に手がないことに絶望して、やられたなという感じでした」と振り返る。終盤は大フリカワリとなるが、その後に上野の狙いをしっかり封じて投了に追い込んだ。藤沢は今年8割を超える戦績で好調だが「研究会では負けてばかり。自分としては調子がよいとは思っていません」と語り、「今日の碁は反省がありましたが、第1局、第2局とも自分の力を出し切れたと思います。リーグ戦も大変でしたが、一局一局大事に打てました」とシリーズを振り返り、「来期は、今よりレベルアップした状態で臨みたいです」と抱負を語った。敗れた上野は「今シリーズは今イチだったんですけど、相手が強かったです」と脱帽し、来期に向けては「リーグで妹(上野梨紗女流棋聖)と当たるのがちょっと困るなという感じなのですが」と報道陣の笑いを誘い、「まず妹といい勝負ができるように、できれば挑戦者になれるようにがんばりたい」と控え目に抱負を述べ、「今年はこのシリーズの反省を生かして、全部がんばりたい。とりあえず近くに世界戦があるので、楽しい碁が打てればと思います」と笑顔で語った。その言葉通り、上野は、4月23日、「第10回応氏杯世界選手権」(応昌期囲棋教育基金会主催)の予選2回戦で惜敗したものの、韓国の朴廷桓九段と黒番で大熱戦を繰り広げる(終盤にAIの評価が「黒96%優勢」)健闘ぶりを見せた。

余、本因坊戦挑戦者に

 一力遼本因坊への挑戦権をかけた一戦――第79期本因坊戦トーナメントの挑戦者決定戦が、4月18日に千代田区の日本棋院東京本院で打たれ、余正麒八段が芝野虎丸名人に白番中押し勝ちを収めた。余は本因坊戦の挑戦者になるのは初めて。また、本因坊戦で関西棋院所属の棋士が挑戦者になるのは62期ぶりとなる。本局は、序盤に右辺で余が鋭い手からポイントをあげ、終始白が優勢のまま進んだ。芝野は「右辺の折衝ではっきり形勢を損ねてしまったかなと。いろいろ問題はありましたが、基本的にはやはり最初の分かれがまずかったかなと思います」と振り返る。余は「ずっと形勢は分からなかったです。(勝勢を意識したのは? の質問に)本当に最後の最後に黒5子を取れた時点で、地合いでいけるかなと」と謙虚に語ったが、ほぼ完勝の内容だった。本局まで両者の対戦成績は、余から見て4勝16敗と大きく負け越しており、余は「元々僕より強く、上なので、毎回挑戦する気持ちで打ってました」。だが、本局を含め直近は3連勝としている。タイトルには縁がないものの、実力はトップと並んでいると言ってよいだろう。タイトル戦については「とりあえず、挑戦者になれてうれしいです。一力さんは強敵ですが、自分なりに精一杯やっていきたいと思います」と抱負を語った。五番勝負は、5月14日に、東京都台東区の「東京国立博物館」にて開幕する。

囲碁ニュース [ 2024年4月16日 ]

女流名人戦開幕。藤沢が先勝

 上野愛咲美女流名人に、藤沢里菜女流本因坊が挑戦する女流名人戦三番勝負(一般社団法人巨樹の会他協賛)の第1局が、4月14日、千代田区の日本棋院東京本院で打たれた。序盤は、黒番の上野が研究の手から工夫を重ね、藤沢は穏やかに応じながら互角の進行となる。白は準備を整えてから左辺の黒模様に浅く入り、上野が反発して戦いに突入した。この折衝で、黒にやや疑問手があったようだ。戦いが一段落した時点では、AIの評価は大きく白に傾いた。その後、上野は猛追するものの、最後は逆に藤沢が黒の大石を仕留め、白番中押し勝ちを収めた。藤沢は「(左下の戦いを終えても)自信はなかった。一手一手難しかった。(勝ちを意識したのは)最後のほうです。コウになってコウ材が多そうなので」、上野は「(左辺の戦いは)警戒してなさすぎて、そのあともよくわからなくて…ずっと悪そうな感じでした。最後のあたりは、もう少しがんばる手はあった気がして、一瞬で切れてしまったので、そこは反省です」とそれぞれ一局を振り返った。次局に向け、上野は「序盤でもうちょっと楽しい感じにできたらなと思います」と笑い、藤沢は「体調を整えて精一杯やりたいと思います」と静かに語った。上野が巻き返すのか、藤沢の復位がなるか、第2局は日をあけず17日に、同じく日本棋院東京本院で打たれる。

井山タイに戻し、十段戦最終局へ

 2勝1敗で迎えた第62期大和ハウス杯十段戦(大和ハウス工業株式会社特別協賛。産経新聞社主催)の五番勝負は、第4局が4月15日に大阪市の日本棋院関西総本部にて打たれた。ここまで芝野虎丸十段の2勝1敗。挑戦者の井山裕太王座にはあとがない。序盤を井山は「右下が…全く研究不足で、経験がなかった。後退させられているようでは、はっきりおかしくしたのかなと思った」と振り返る。左上でも黒番の芝野がポイントをあげ、わずかながらも黒リードの局面が続いた。だが、その後の左辺の攻防で井山が逆転する。井山は「その前からすると少し得をしたと思った。感触としては悪くないのかなと思っていた」、芝野は「左辺は黒が渡ったあたりでは難しいと思っていまして、でも簡単につながられてしまったので、そこで形勢ははっきりおかしくしていたような気がします」と振り返る。本局は、その後にクライマックスが待っていた。一見、手があるようには思えない右辺に、井山が手をつけていく。「はっきり読み切れていたわけではないのですが、少し得できれば地合いでいけそうかなと思い」と井山。芝野は「右辺が大きくまとまれば、それなりに細かいかなと思っていたんですけど、(手をつけられて)あまりいい打ち方が見えなかったので、形勢としては苦しかったのかなと思います」と脱帽する。見事に右下の黒を仕留めて芝野を投了に追い込み、決着は最終局に持ち込まれた。芝野は「いつもと変わらず、集中していきたい」、井山は「とにかく、自分なりに悔いのないようにコンディションを整えて臨みたい」と語る。第5局は、4月30日、千代田区の日本棋院東京本院で打たれる。

囲碁ニュース [ 2024年4月9日 ]

芝野が十段戦2勝目

 芝野虎丸十段が先勝し、挑戦者の井山裕太王座がタイにして迎えた第62期大和ハウス杯十段戦(大和ハウス工業株式会社特別協賛。産経新聞社主催)の五番勝負第3局が、4月4日、長野県大町市の「ANAホリデイ・インリゾート信濃大町くろよん」で打たれた。中盤までのリードを守り切った芝野が白番中押し勝ちを収め、防衛まであと1勝とした。芝野は「序盤から経験のない形で判断できずに打っていた」と振り返る。その後、井山が下辺の白の攻めに向かったのに対し、芝野は手を抜いて先に左辺の黒を攻め、先手を取って下辺の守りに向かう。このあたりから、やや流れが白に傾いたようだ。中盤戦に入り「中央のポン抜きを打てたあたりで、少しよくなったかなと思いました」と芝野。井山も「ポン抜かれる前で、少し丁寧に打たなければいけなかった」と振り返った。後半、井山は追い上げを見せたものの、足りないと判断して投了を告げた。次局に向け、芝野は「結果はあまり気にせず、精一杯頑張りたい」、井山は「よいコンディションを作れるように精一杯やりたいと思います」とそれぞれ抱負を語った。第4局は、4月15日に、大阪市の日本棋院関西総本部にて打たれる。

テイケイ杯俊英戦、芝野が先勝

 第3回テイケイグループ杯俊英戦(テイケイ株式会社ほかテイケイグループ各社協賛)の決勝三番勝負第1局が、4月6日に東京都千代田区の「竜星スタジオ」で打たれた。25歳以下の棋士が参加し、昨年末のリーグ戦を制した芝野虎丸名人と関航太郎九段の対決だ。本棋戦は優勝した棋士(第1回は許家元九段、第2回は一力遼棋聖が優勝)は次期以降出場できない。決戦前の芝野は「2年連続準優勝なので、そろそろ卒業したい」、関は「今回出場している中で一番厳しい相手だと思うので、精一杯ぶつかっていきたい」と語った。序盤、右下の折衝で黒番の関がポイントをあげるが、直後の下辺の攻防で芝野が盛り返す。その後、黒の勢力圏の左辺で白の苦しめの戦いが始まる。この攻防の中、黒が大きなチャンスを逃し、白に連絡されて逆転。その後も芝野の打ち回しが冴え、一度は白の勝勢となる。だが、秒読みの中、芝野の足並みが乱れ始め、右上の攻防で逆転を許す。ただ、ここで関がチャンスを逃し、半目を争うヨセ勝負に突入した。形勢が揺れ動いた熱戦は、最後にヨセを制した芝野の2目半勝ちとなった。第2局は、5月4日、同じく「竜星スタジオ」にて打たれる。

囲碁ニュース [ 2024年4月8日 ]

ジュニア本因坊戦

 中学生以下の日本一を決めるクレスコ杯第27回ジュニア本因坊戦全国大会が3月16日、17日の両日、東京千代田区の毎日新聞東京本社で開催された。ジュニア本因坊戦は、小中学生にわかれず同じ舞台で行われる。今大会は各県の代表ではなく、各地区ごとの代表32名が5回戦のスイス方式を行う。
昨年、小学生で優勝した前回覇者・長尾想太くん(北信越代表)や前々回の優勝者・樋口駿くん(九州代表)が次々に敗れる中、全勝決戦に進出したのは角優輝くん(九州代表)と刈谷研くん(関東代表)の2人。結果は角くんの優勝となった。
角くんはこれまで少年少女中学生2位や子供チャンピオン戦3位など、好成績を残すものの優勝はなかった。今回は嬉しい初優勝となった。
今回よりスポンサーがクレスコに変更になり、クレスコの社員であるアマ名人・本因坊の大関稔さんが子供たちに指導碁を行うという場面も見られた。

ボンド杯こども囲碁大会

 毎年ジュニア本因坊戦と同時期に行われるのが、ボンド杯全日本こども囲碁大会(第27回)である。ジュニア本因坊戦から1週間後の3月23日、24日に京都府京都市聖護院御殿荘で行われた。こちらは小学生の部、中学生の部とわかれている。地区大会を勝ち抜いた各24名、計48名が集まった。
小学生の部を制したのは3年生の小川蓮くん(東日本代表)。小川くんは昨年12月のこども棋聖戦低学年の部も優勝しており、こども大会2冠となった。
中学生の部は昨年夏の少年少女囲碁大会中学生の部で準優勝だった小林高誠くん(東日本代表)。
毎年この時期はこども大会が充実しており、2週続けての全国大会出場者も数多く見られた。

囲碁ニュース [ 2024年3月26日 ]

上野愛咲美・芝野虎丸ペアが優勝

 「プロ棋士ペア碁選手権2024」が3月17日に東京都世田谷区の二子玉川エクセルホテル東急、及び二子玉川ライズ スタジオ&ホールにて行われた。第30回を迎える今年は、男女それぞれ賞金ランキング上位4名が本戦にエントリーされ、本戦決勝戦に勝利したペアが前年優勝の鈴木歩七段・山下敬吾九段ペアと優勝決定戦を行うという形がとられた。抽選により、謝依旻七段・一力遼棋聖ペア、上野愛咲美・芝野虎丸名人ペア、藤沢里菜女流本因坊・井山裕太王座ペア、そして牛栄子扇興杯・余正麒八段ペアという豪華な4ペアが実現。対局をすぐ近くで観戦できる人気の趣向に多くのファンが碁盤を囲み、羽根直樹九段解説、吉原由香里六段聞き手による大盤解説会場も、用意された約300席が朝9時の開場と共にアッという間に埋まり、立ち見のファンでも埋め尽くされる盛況ぶりだった。熱戦に次ぐ熱戦で本戦を制したのは、「虎ルックです」と衣裳を黄色と黒で揃えた上野・芝野ペア。勢いにのり、昨年優勝の鈴木・山下ペアも退け、両者共に初優勝を果たした。上野は「ペア碁の極意を学んできたので」とうれしそうに勝因を語ったが、「極意とは?」と尋ねられ「ペア――虎丸先生ならどう打つかを考えることです」。これに芝野が「極意というより…それは基本だと思うのですが」と応じて、報道陣の笑いを誘っていた。

十段戦は、1勝1敗に

 芝野虎丸十段が先勝して迎えた第62期大和ハウス杯十段戦(大和ハウス工業株式会社特別協賛)の五番勝負は、第2局が千代田区の日本棋院東京本院にて3月25日に打たれ、挑戦者の井山裕太王座が白番中押し勝ちを収めた。両者が「経験のない形」と語った序盤は互角に進行したが、黒番の芝野が左下に向かった手に、井山が手抜いて中央の石を動いたあたりで形勢が白に傾いた。「判断が難しい部分もあった」と芝野は振り返る。直後の芝野の攻めを、井山がコウに持ち込み、逆に黒5子を取って下辺が治まる。この時点で「地合いではがんばっているかなと思った」と井山。一方芝野は、「中央の白の大石がどのくらい強いのかがよくわかってなかったので、(形勢は)難しいかなと思っていた」と言う。だが、その白の大石に襲いかかったものの「結局あっさり逃げられてしまったので、もうそのあたりでダメにしてしまったかなと思います」と芝野。優勢を広げた井山は、その後も最強手を選び、上辺を手にして芝野を投了に追い込んだ。芝野は、3月16日に北京から帰国し、翌17日に「プロ棋士ペア碁選手権2024」で優勝。翌18日に再び北京入りし、「春蘭杯世界囲碁選手権」で世界タイトル経験者2名を破り準々決勝に進出(準々決勝戦は12月の予定)という活躍を見せていた。ハードスケジュールの疲労もあったと思われるが、本局は井山の快勝だった。1勝1敗のタイに戻した井山は「すぐに次がありますので、自分なりにコンディションを整えて臨めればと思います」、芝野は「本局は内容があまりよくなかったですけど、また切り替えて、また次も集中して打てたらと思います」と抱負を語った。第3局は、4月4日、長野県大町市の「ANAホリデイ・インリゾート信濃大町くろよん」にて打たれる。

囲碁ニュース [ 2024年3月22日 ]

女流アマ 内田さん2度目のV

 3月16日、17日の両日、東京市ヶ谷の日本棋院にて第66回女流アマチュア囲碁選手権が行われ、96名の選手が全国大会に参加した。最年少は8歳、最年長は85歳である。
16のブロックにわかれ、決勝トーナメント進出をかけて争った。各ブロック実績のある選手が順当に勝ち上がっていく中、大学生の井上結菜さん(島根)が女子学生本因坊などで優勝経験のある辻萌夏さん(東京・千葉)を破り決勝トーナメントに進出した。井上さんの枠抜けは初めてである。トーナメント1回戦では、2回の優勝経験がある吉田美穂さん(シード)を破り、ベスト8に進出したが、3年前の優勝者内田祐里さん(シード)に敗れ、ベスト8敗退となった。もう一つの波乱は前回優勝の大澤摩耶さん(シード)が山下聖子さん(静岡)に敗れ予選敗退となった。
準決勝は内田さんと村瀬なつさん(東京・千葉)、藤原彰子さん(東京・千葉)と宇根川万里江さん(東京・千葉)となった。内田さん、藤原さんは20代であるが優勝経験者。村瀬さん、宇根川さんは準優勝経験やベスト4経験は多いが優勝はまだない。
内田さんと村瀬さんは岩田一九段門下の姉妹弟子で現在は岩田会においてともに指導者の立場になっている。両者は3年前の決勝で対戦しており、そのときは後輩の内田さんが先輩に勝利し初優勝となった。一方の藤原さんと宇根川さんは早稲田大学の先輩後輩で、こちらも後輩の藤原さんが勝利した。
決勝は優勝経験者同士の対決となり、内田さんが見事勝利し3年ぶり2度目の優勝を果たした。

囲碁ニュース [ 2024年3月12日 ]

一力、棋聖三連覇

 第48期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第7局が、3月7、8の両日、山梨県甲府市の「常盤ホテル」にて打たれ、一力遼棋聖が黒番中押し勝ちを収めて三連覇を達成した。最終局まで持ち込んだものの、井山裕太王座の4期ぶりの復位はならなかった。本局は本シリーズを象徴するかのように、早くから険しい局面に突入した。ネット解説の三村智保九段が「魂を削る戦い」と評した攻防は、「一日目で勝負が決してしまうのではないか」と検討陣が心配するほどに手数も進み、結局、井山が棋聖戦最長手数となる126手目を封じた(本因坊戦では128手、127手の記録があり、史上3番目)。二日目に入ると攻守が逆転し、一力が優位に立つ。中央の白を攻めながら着実にポイントを重ね、粘る井山を振り切っての勝利となった。激戦を制し、本因坊、天元と合わせて三冠を堅持した一力は、対局直後、「最終局は、悔いのないように、自分の信じた打ち方を貫くことを意識しました。結果を出すことができ、ホッとしています」と語り、喜びよりも安堵の表情を見せた。敗れた井山は「負けた碁もチャンスを作るところまではいけていたと思います。そのあたりの精度をあげていかなければいけません」と雪辱を期すコメントを残した。

囲碁ニュース [ 2024年3月5日 ]

井山勝利。棋聖戦は最終局へ

 一力遼棋聖の3勝、挑戦者の井山裕太王座の2勝で迎えた第48期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第6局が、2月29日と3月1日、神奈川県箱根町の「ホテル花月園」にて打たれた。本局も両者らしく互いに最強手を繰り出し険しい戦いの碁となったが、井山が力勝負を制して白番中押し勝ちを収め、決着は最終局へと持ち越された。序盤は互いに実利を取り合った。左辺の攻防でも黒番の一力が実利を優先し、井山が厚みを築く。ここでやや白がリードを奪ったようだ。右下の攻防では、一力が力強く白を切断。対して井山は、「いってみたくなった」と切断された中央の石を動き、戦場が右上に移りながら一気に急戦となる。その渦中に一力が封じて、1日目を終えた。右上は互いに生きる穏やかな道もあったようだが、一力の封じ手は最強の選択だった。その後のコウを井山が解消し、右上の黒を取って地合いでリードを奪う。一力は「取るくらいのことがないと大変」と中央の白の取りかけに向かった。だが、ここから井山が最強のシノギを見せ、逆に中央の黒を仕留めて鮮やかに勝負を決めた。最終局に持ち込んだ井山は「最後ですので、シンプルに、自分の力を出し切れるように精一杯やりたいと思います」、一力は「本局は初日にいろいろまずかったので、もう少し内容よく打てるようにがんばります」とそれぞれ抱負を語った。一力の防衛か井山の奪還か。第7局は、3月7、8の両日、山梨県甲府市の「常盤ホテル」にて打たれる。

囲碁ニュース [ 2024年2月28日 ]

十段戦開幕。芝野が先勝

 芝野虎丸十段に井山裕太王座が挑戦する第62期大和ハウス杯十段戦(大和ハウス工業株式会社特別協賛)の五番勝負が開幕した。芝野は連覇(通算3期目)、井山は復冠(通算6期目)を期してのシリーズとなる。両者はそれぞれ「一日制の番碁で顔を合わせるのは久しぶりなので、どんな碁になるか楽しみ」と語り、芝野は「結果を出し、相性のいい棋戦にしたい」、5年ぶりに十段戦登場の井山は「AIによっていろいろなことが変わってきています。どこで自分らしさを出すかがポイントになる」とシリーズの抱負を語った。第1局は、2月27日に大阪府の「大阪商業大学」で打たれた。序盤、左下の折衝を終え、芝野は「苦しいと思っていた」と振り返る。だが、その後、井山の最強手に芝野が的確に応じて流れが変わる。井山も「分断していったのが、無理気味だった」と振り返った。井山の攻めは続かず、「中央の白をしのげば、形勢は悪くないかなと思っていた」と芝野。逆に中央の黒が攻めの対象となる。井山は実利を取りシノギ勝負に出たが、上辺の黒と絡まれ、芝野が上辺を仕留めて井山を投了に追い込んだ。井山は29日からの棋聖戦第5局(読売新聞社主催)が控える過密日程ゆえ、体調管理も大事になりそうだ。十段戦第2局は、千代田区の日本棋院東京本院にて3月25日に打たれる。

囲碁ニュース [ 2024年2月26日 ]

世界学生囲碁王座戦 中国が優勝

 第22回世界学生囲碁王座戦が2月21、22日に東京市ヶ谷の日本棋院本院で開催された。学生の世界一を決める大会で12ヶ国・地域から16名の選手が出場した。3年ぶりに開催された昨年は中国選手がオンラインでの参加であったが、今年は選手全員が会場に集まった。
 日本・中国・韓国・中華台北は、それぞれ男女1名ずつ2名の選手が参加。日本からは川口飛翔さん(東京大学)、女子枠で大宮七虹さん(東北大学)が出場した。
 1日目は川口さん、劉嘉琪さん(中国)、金大輝さん(韓国)、デニス・ドブラニシュさん(ルーマニア)の4名が連勝。3回戦では金さんがデニスさんを、劉さんが川口さんを破り優勝決定戦に進出。優勝決定戦では黒の金さんが白の劉さんの大石を攻め、白が生きるかどうかの難しい局面で、金さんが着手後に時計を押すのが間に合わず時間切れという突然の幕切れとなった。優勝した劉さんは「難しい局面だったが、このまま打ち続けても最後は勝てると思って打っていた」と自信があったようだ。
 日本の川口さんは3回戦で敗れたものの4回戦では中華台北の選手に勝利し、スイス方式により2位となった。川口さんは2年連続の2位である。「3回戦は最後まで形勢が良く、突然のポカで一気に逆転されてしまった」と悔いの残る負け方であった。「井山先生(井山裕太王座)との記念対局でも同じような負け方だったので、途中集中を切らさない訓練が必要」と語った。
 女子枠の大宮さんは15位となった。

囲碁ニュース [ 2024年2月20日 ]

一力棋聖、防衛にあと1勝

 2勝2敗で迎えた第48期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第5局が、2月15、16の両日に、千葉県勝浦市の「三日月シーパークホテル勝浦」にて打たれた。序盤から左辺で険しい競り合いに突入し、戦いに終始した本局は、黒番の一力が本気で白の大石を取りにいく勇断を決行し、井山の勝負手を振り切り鮮やかに仕留めての快勝となった。1日目を、一力は「序盤から一手一手、打ち方も判断も難しく、忙しい展開だった」、井山は「(左辺の一力の強手から)やや無理気味な戦いになってしまったなぁと思っていました。自分が一方的に弱い展開で、大変な気はしていました」と振り返る。2日目に入り、井山は左上を捨てて中央の白を取るフリカワリを目指したが、一力はそうはさせじと中央を動き出す。井山は以降を「自分にはなかなか思わしい手段が見えなかった」と完敗を認めるコメントが聞かれた。3勝目をあげ、三連覇にあと一勝と迫った一力は、「少し間隔がありますので、いい状態で臨めるように調整したい」と落ち着いて語り、井山は「3日後にも対局(名人戦リーグで一力と対戦)がありますし、まずは目の前のことを精一杯やっていきたいなと思います」と静かに語った。決着がつくのか、井山が三度タイのスコアに戻すのか。注目の第6局は、2月29日、3月1日に、神奈川県箱根町の「ホテル花月園」にて行われる。

囲碁ニュース [ 2024年2月13日 ]

上野梨紗女流棋聖誕生

仲邑菫女流棋聖の1勝、挑戦者の上野梨紗二段の1勝で迎えた第27期ドコモ杯女流棋聖戦挑戦手合三番勝負(株式会社NTTドコモ協賛)の最終局が、2月5日、千代田区の日本棋院東京本院にて打たれた。多くの報道陣が見守る中、上野が黒番中押し勝ちを収め、初タイトルを獲得した。序盤は互いの個性を出しながら互角に進んだが、中盤に入り、右辺の折衝で黒がややポイントをあげリードを奪う。勝負強い仲邑が難しい局面に持っていくものの、上野も緩まず最強手を繰り出し続け、「左辺のワリコミを打て(優勢が)はっきりしたかなと思いました」と振り返る。その後の左辺のコウ争いで戦果をあげてリードが広がり、仲邑が無念の投了を告げた。終局後はしばらく言葉が出ず悔しさを噛みしめていた仲邑だが、記者会見では「強くなるチャンスだと思います」と前を向いた。上野は「第1局の内容をみたら、ちょっと厳しいかなと思っていました。勝ったことのない(第1局を終えて、対仲邑戦は7戦全敗)菫ちゃんが相手で、ずっと自信がなかったのですが、タイトルを獲ることができて、ビックリしているのと、嬉しい気持ちです」と満面の笑みで喜びを語った。また、「姉(上野愛咲美新人王・女流名人・女流立葵杯)から、形勢がいいときはもっと厳しく打てとアドバイスを受けていた」、「昨年から一番勉強できていると思うので、それが結果についてきてうれしい」と成長の理由を明かし、「世界戦で活躍できるように、努力していきたい」と抱負を語った。

棋聖戦は2勝2敗に

頂上決戦、第48期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第4局は、2月8、9の両日に、一力遼棋聖の地元、宮城県仙台市の「宮城県知事公館」で打たれた。結果は、挑戦者の井山裕太王座が白番中押し勝ち。対戦成績を2勝2敗のタイに戻した。序盤は、井山が工夫の手を繰り出しながら実利を先行していった。少しずつポイントを重ねて優勢を築き、左辺から中央の黒模様がどのくらいまとまるかが勝負所になった。1日目の午後に入り、右辺で一力が渾身の手を放つが、続く井山の手も最善の受け。見応えのある攻防が続いた。一力は「右辺ではもう少しいい図があったような気がします」と振り返っている。2日目、右辺の攻防は井山がややポイントをあげ、さらに左辺に手をつけていく。ここで一力に後悔の手があり、「その後の井山さんの中央の打ち方は完璧でした」と新聞解説の孫喆七段。だが、その後も右辺と中央で難解な戦いが続き、一力にもチャンスがあったという。これを逃し、右辺の中央の弱い白石が安定しては、形勢がはっきりした。孫七段は「結果的に、白が悪い局面は一度もなかった。白の名局だったと思います」と評した。井山は次局に向け「精一杯準備して臨みたいと思います」と抱負を語り、一力は「地元開催のプレッシャーは、(対局が)始まってしまえばそんなに感じませんでした。精一杯やった結果なので仕方ない。次局もしっかりいい状態で臨めるように調整したい」と語った。第5局は、2月15、16の両日に、千葉県勝浦市の「三日月シーパークホテル勝浦」にて行われる。

囲碁ニュース [ 2024年1月30日 ]

棋聖戦は一力が2勝目

 一力遼棋聖に井山裕太王座が挑戦している第48期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)は、頂上決戦にふさわしい攻防が繰り広げられている。一力先勝で迎えた第2局は、1月20、21の両日に奈良市の「興福寺本坊」にて打たれ、井山の白番中押し勝ち。27、28の両日に栃木県日光市の「日光千姫物語」で打たれた第3局は、一力が白番中押し勝ちを収め、対戦成績を2勝1敗とした。第2局は、まず一力が、左上の黒の大石を捨てる大胆な構想でリードを奪うが、その後、井山が右上と左下の弱い白石を放置したまま大場に連打し、左下をしのいで一日目を終えた。二日目、一力が封じ手から右下の白模様に手をつけるが、その後の数手にやや反省があったようだ。右下の白地が大きくまとまり逆転。さらに、右上を捨てて右下を広げる形勢判断が光り、リードを広げるとそのまま押し切る井山の好局となった。第3局は、黒番の井山が積極的な打ち回しを見せ、リードを奪った。1日目を井山は「それなりに難しい形勢かなと思っていた」、一力は「序盤から判断が難しい展開でしたが、封じ手のあたりは、目に見える地は大変そうだった」と振り返る。2日目に入り、盤上は複雑かつ判断も着手も難しい局面が続く。「厳しくいけないと大変」と意識した一力が、中央の攻防で力を出し、井山の石に次々と迫って形勢不明となる。大ヨセに入り、検討陣からは「半目勝負」の声も聞かれた。ヨセに入ってからも見事な応酬が続くが、最後に右上を手にした一力に軍配が上がった。局後の一力は「秒読みに入ってから、あまりただしくは打てていなかったのと思うので、そのあたりは課題かなと思っています。少し間隔があくので、またいい状態にして臨みたい」と抱負を語った。井山は「常に形勢判断が非常に難しくて、はっきりしたことが分かってなかった」と振り返り、「一つ一つ、目の前の対局を精一杯やっていきたいと思います」と自分に言い聞かせるように語った。第4局は、2月8、9の両日、宮城県仙台市の「宮城県知事公館」にて打たれる。

女流棋聖戦、最終局へ

 14歳の仲邑菫女流棋聖に17歳の上野梨紗が挑戦――初の10代同士、史上最年少タイトル戦として注目を集める第27期ドコモ杯女流棋聖戦挑戦手合三番勝負(株式会社NTTドコモ協賛)が開幕した。仲邑は、韓国棋院への移籍が決まっており、日本での最後のタイトル戦としても注目が集まっている。1月18日に神奈川県平塚市の「ホテルサンライズガーデン」で打たれた第1局は、互いに譲らぬ展開から仲邑の読みが上回りリードを奪うと、その後も隙を見せぬ最強手を選び続けて圧倒し、白番中押し勝ちとした。25日に千代田区の日本棋院東京本院にて打たれた第2局は上野が見せた。布石は黒番の仲邑がややリードを奪うが、その後、右下と上辺の折衝で上野がポイントを重ね、左辺の黒模様の消しに向かう。劣勢を意識した仲邑がこの白を取りに向かうが、上野は周囲の黒の薄みを突き、逆に黒を取ってリードを広げ、白番中押し勝ち。1勝1敗として、勝負は最終局に持ち越された。上野は「菫ちゃんには初めて勝てた。いいところなく終わるのが嫌だったので、一つ返せてホッとしている」と笑顔を見せた。敗れた仲邑は「悪そうな手を連発してしまった。次は反省点を生かしたい。(敗戦は)仕方ないと思っている。むしろもう一局打てるので、すごく楽しみにしている」と語った。第3局は、2月5日、千代田区の日本棋院東京本院にて打たれる。

囲碁ニュース [ 2024年1月29日 ]

ジャンボ囲碁十五人団体戦

 1月28日、日本棋院東京本院で「第51回ジャンボ囲碁十五人団体戦」が開催された。1チーム15名という大型の団体戦で、愛好会、研究会、碁会所ごとと様々なチームが参加している。今回は27チームがAクラス15チーム、Bクラス12チームの2つのクラスに分かれて4回戦の熱戦を繰り広げた。
 Aクラスは昨年優勝の大熊義塾と2位のバトリアヌス帝国による全勝決戦となった。大熊義塾はアマ名人本因坊の大関稔さんが主将を務め、副将にも世界アマ日本代表経験のある森川舜弐さんという布陣。対するバトリアヌス帝国は学生囲碁界の覇者川口飛翔さんに棋聖戦Cリーグ経験のある栗田佳樹さんという顔ぶれ。現在のアマチュア囲碁界を代表するメンバーを擁したチーム同士の決勝は8-7で大熊義塾が制し2連覇となった。バトリアヌス帝国は2大会ぶりの優勝はならなかった。
 Bクラスは団碁汁おかわりと囲碁将棋喫茶樹林による全勝決戦となった。団碁汁は何年も参加している強豪チームで、Aクラスにもチームを出しておりそちらは平岡聡さんが主将を務めている。囲碁将棋喫茶樹林は新橋にある囲碁将棋ができ食事もできる場所として人気がある。主将は囲碁インストラクターで東京都代表経験多数の井場悠史さんが勤める。結果は9-6で団碁汁おかわりの優勝となった。
 ジャンボ大会は年に一度の大型団体戦として毎年多くのチームが参加し、32チームの定員がすぐに埋まるという人気大会であったが、昨年コロナ後3年ぶりに再開されてが、この2年は定員に達していない。コロナによる中断で大人数の団体の集まりが制限されていたことにより活動再開が難しい団体が多いということであろうか。

囲碁ニュース [ 2024年1月16日 ]

棋聖戦開幕。一力初戦勝利

 一力遼棋聖に井山裕太王座が挑戦する第48期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)が開幕した。第1局は、1月11、12の両日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で打たれ、264手まで一力が白番中押し勝ちを収めた。互いの研究の深さが感じられる互角の序盤から、局面は次第に険しさを増していった。白番の一力が右辺を捨て、右上の黒への攻めに向かう。一時はAIの数値が「白90%」を示すほどに形勢は白に傾き、一力が封じて1日目を終えた。井山は「封じ手前の打ち方がよくなかったのか、封じ手の局面では、少なくとも最善からは遠いと思っていた」と振り返る。だが、2日目、井山は右上の黒の大石をコウに持ち込み、白のコウ材がやや小さく、コウを解消して黒が生きたあたりから井山が形勢を盛り返していった。息詰まる熱戦は、白がやや厚い「半目勝負」となり、ヨセに突入。一力に緩着があり、その瞬間、井山が逆転したようだ。ただ、井山の次の手が、敗着となったようだ。再び白が逆転。形勢は微細ながら、再逆転の機はないと判断した井山が投了を告げた。一力は「最後の最後に形が決まるまで自信が持てなかった。秒読みに入ってから精度を欠いてしまった手があったので、修正して次回に臨みたい」、井山は「最後はいくつか瞬間的に見えていたのにやれなかった部分があったのが残念でした。仕切り直して頑張りたい」と語った。次局以降も、互いに「好調」と語る両者の好局が期待される。第2局は、1月20、21の両日、奈良市の「興福寺」にて打たれる。

囲碁ニュース [ 2024年1月9日 ]

最多勝は上野梨紗二段。藤沢は七段昇段

 昨年12月27日に、日本棋院が2023年の最多勝、最高勝率棋士などを発表した。最多勝は、49勝(19敗)をあげた上野梨紗二段。前年と前々年に二年連続1位だった姉の上野愛咲美女流立葵杯に続いて、初の1位となった上野は「女性棋士は女流棋戦もあって対局数が多いので……」と控え目にはにかみながら、「これからも一般棋戦も頑張りたいです」と笑顔で語った。2位は一力遼棋聖の48勝。3位は芝野虎丸名人、上野(愛)、藤沢里菜女流本因坊の43勝。最高勝率棋士は、7割6分4厘だった広瀬優一七段となった。
また、千代田区の日本棋院東京本院では1月5日、打ち初め式が行われ、賞金ランキングでの昇段者が発表された。六段1位の藤沢が七段への昇段が決まった他、小山空也六段(五段1位)、大西研也六段(五段2位)、福岡航太朗五段(四段1位)、酒井佑規五段(四段2位)らが昇段。女性では棋聖戦Cリーグ入りを果たした辻華二段も三段に昇段した。以前から「七段」を意識していた藤沢は、「昇段していると思ってなかったので、嬉しいです。八段までは大変ですが、これからも少しずつ頑張っていきたいと思います」と喜びを語った。

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