日本囲碁ニュース

日本の囲碁ニュース・棋戦情報をお伝えします。
日本で行われている囲碁のイベントや棋戦情報を皆様にお伝えします。

囲碁ニュース [ 2020年4月7日 ]

芝野、初の本因坊挑戦

 第75期本因坊リーグ戦(毎日新聞社主催)は、4月3日に最終一斉対局が行われ、芝野虎丸名人と許家元八段の2名が6勝1敗というトップの戦績でシリーズを終えた。そして、両名によるプレーオフが、4月6日、東京都千代田区の日本棋院で打たれ、芝野が黒番中押し勝ち。昨年(プレーオフにて河野臨九段に半目負け)の雪辱を遂げ、本因坊文裕(井山裕太本因坊)への挑戦権を獲得した。
 勝負は、「難しいながらも白ややよし」の声も聞かれたが、持ち時間を余していた芝野が最後には勝利を手繰り寄せた。惜敗の許は「ずっと入りたかった本因坊リーグで、自分なりに力を出せました」とシリーズを振り返り、「コウ争いの時は、正しく打てれば……と思っていましたが、難しかったです。挑戦はできませんでしたが、自分なりに精一杯打てました」とコメント。芝野は「途中で負けの図があったので、挑戦者になれたのは運がよかったです。井山先生とは大変な対局になりますが、楽しんでやりたい」と喜びを語った。
 井山は今季防衛すれば9連覇となり、趙治勲名誉名人の持つ10連覇の大記録にあと一歩と迫る。また、芝野が奪還すれば、現在進行中の十段と合わせて「四冠」となる可能性もある。囲碁界の歴史がどう動いていくのか、大いに注目される頂上決戦は、5月に開幕。七番勝負第1局が、5月12、13の両日に、群馬県高崎市の旧井上房一郎邸で打たれる予定だという。

囲碁ニュース [ 2020年3月30日 ]

イベント・大会、延期・中止相つぐ

 2月より新型コロナウイルスの影響により囲碁界でもイベントや大会の延期・中止が相ついでいる。日本棋院や関連の施設でも3月より営業を休止、院生研修も休みとなっている。プロの手合いでも通常の対局室のみでなく、席を離し、階をわけるなど普段と違った様子となっている。ワールド碁チャンピオンシップ等の国際戦は日程未定の延期、プロペア碁戦やタイトル戦等、対局自体は行われたものの大盤解説会は中止となった。
 アマチュア大会に関しても2月末のジャンボ囲碁団体戦でマスク着用、アルコール消毒液設置という中で行われたが3月に入っては1日に行われたこどもチャンピオン戦の予選のみで全て延期・中止となっている。日本棋院を会場としたもののみならず宝酒造杯の各地区やジュニア本因坊戦の全国大会等も中止となっている。3月は大会やイベントが多く学生の大会やペア戦も中止となっている。全国大会では女流アマ選手権も予定されていたが、これら各大会に参加を予定していた方も中からは「残念でならない」という声も聞かれた。そんな中、こどもチャンピオン戦の全国大会のみが京都で行われたが、参加のこどもたちがマスクをつけてと異様な光景であった。
 大会等のイベントのみならず碁会所等の囲碁を打つ会場の営業が大変苦しくなっている。営業を自粛したりしなければならなくなり大きなダメージだという。これにより廃業に追い込まれるところは増えてくるのではと思われている。
 そんな中、ネットを使用した囲碁講座やイベントも行われるなど、新たな試みがはじまっている。
 コロナウイルスはいつまで続くのだろうか。この影響により囲碁界も苦しくなっているが、なんとか乗り越えて欲しい。早い終息を心から願うばかりである。

囲碁ニュース [ 2020年3月27日 ]

井山、三度目のNHK杯優勝

 3月22日、第67回NHK杯テレビ囲碁トーナメント戦(日本放送協会主催)の決勝戦が放映された。決勝戦に勝ち上がったのは、一力遼NHK杯選手権者と昨年準優勝の井山裕太三冠。二年連続の決勝戦同一カードは、NHK杯史上初で、両者の安定した強さを物語っている。注目の一戦は、序盤の左上の攻防で井山がポイントをあげると、その後も緩まず、一力に立て直す隙を与えない展開に。一力が無念の投了を告げるところとなった。井山は「一力さんは早碁の成績も抜群なので、今回はチャンレンジャーの気持ちで臨みました。決勝戦は自分らしく戦え、満足しています。4年連続でこの(決勝戦の)舞台で戦えていること自体が自分にとっては出来過ぎ。来期も一局一局精一杯打ち、少しでも大会を盛り上げられるようにベストを尽くしたいと思います」と優勝の喜びと抱負を語った。一力は「序盤で誤算があって、かなり内容的にまずい碁になってしまったので、悔いが残り、視聴者の方に申し訳ないという気持ちはあります」と振り返り、「来期は、一からのスタートになりますので、内容のいい碁を視聴者の皆さんにお見せできるように、またがんばりたいと思います」と抱負を語った。

村川十段、一勝を返しタイに

 村川大介十段に芝野虎丸名人・王座が挑戦する第58期十段戦五番勝負(産経新聞社主催)の第2局が、3月26日、大阪府大阪市の「関西棋院」で行われた。310手の熱戦は、村川十段が白番2目半勝ちを収め、対戦成績を1勝1敗のタイに戻した。対局は、黒の実利と白の模様という立ち上がりから、上辺で両者の気合いがぶつかる険しい競り合いに突入した。互いの死活が絡む複雑な戦いが続き、形勢互角のまま終盤戦へと進んだ。その後、村川が、芝野の一瞬の隙を突いてリードを奪ったようだ。村川は「中盤にもっと厳しく打つべきところもありました。半目勝負と思っていましたが、とりあえず一つ勝ててホッとしました」と安堵の笑顔を見せた。芝野は「経験したことのない布石で中盤以降は苦しかった」と振り返り、「まだ負け越しているわけではないので、次も今まで通り打ちたいです」と淡々と語った。第3局は、4月16日に長野県大町市「ANAホリデイ・インリゾート信濃大町くろよん」にて行われる。

囲碁ニュース [ 2020年3月18日 ]

本因坊リーグ戦、許が一歩リード

 本因坊文裕(井山裕太本因坊)への挑戦権をかけた第75期本因坊リーグ戦(毎日新聞社主催)が、佳境に入っている。8名の総当たり戦で争われる本リーグは、5回戦を終えた時点で、「令和三羽烏」と呼ばれる芝野虎丸名人、一力遼八段、許家元八段が1敗でトップを並走。3月12日に、一力と許の直接対決が組まれた。両者の対戦成績は、ここまで一力の8勝1敗と偏っている。この偏りについて、一力は「成績ほど差があるとは全然思っていない。逆の成績でも全然おかしくはない」、許は「そんなに気にはしていないが、やはり壁を感じています。どう克服するのかが当面の課題」と語っていた。本局は、中盤、一力に珍しく失着があり、白番の許が優勢となった。その後一力が必死の追い上げを見せ、終盤の死活がからむ勝負所を迎えた。ここで一力が決め手を逃し許の中押し勝ち。許が1敗を守り、挑戦者争いのトップに躍り出た。最終局の相手は許が志田達哉八段、一力は河野臨九段。そして芝野の残り二局の相手は、山下敬吾九段と横塚力七段。最終的には誰が挑戦権を掴むのか、今後の進展が注目される。

囲碁ニュース [ 2020年3月11日 ]

井山棋聖、8連覇達成

 井山裕太棋聖の三連勝に続いて河野臨九段が二連勝して迎えた第44期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第6局が、3月5、6日の両日に山梨県甲府市の「常盤ホテル」にて行われた。序盤から戦いの碁となった本局は、形勢互角のまま一日目を終えた。二日目、最大の勝負所となった中央で、井山が最強手を放つと、その後、河野に読み落としがあり、一気に形勢が傾いた。井山が、敗れた二局も含め、一貫して最強手を選択する姿勢を貫いたシリーズとなった。262手まで、白番の井山が3目半勝ちを収め、棋聖防衛を果たした。棋聖8連覇は、小林光一名誉棋聖の持つ連覇記録に並んだ。河野は、「勝負所で読み落としがあるようでは、勝てません」と言葉少な。連勝してシリーズの流れを呼び込みたかったが、無念の敗退となった。対局前、「記録は意識していない」と話した井山だが、「光一先生の記録に並べたことは光栄です。シリーズの途中は、連覇のことを考える余裕はなかったのですが、8年間を振り返ると、よくできたものだなと思います」としみじみ語った。また、「最近は若手が台頭して碁界が盛り上がっている。若い人たちと先輩たちとも、共に高め合っていけるよう、これからも精一杯がんばります」と、第一人者としての抱負を語った。

囲碁ニュース [ 2020年3月4日 ]

河野、二勝目

 井山裕太棋聖三連勝の後、挑戦者の河野臨九段が一勝を返して迎えた第44期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第5局が、2月26、27日に、神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で行われた。新型コロナウイルスの感染拡大を受け、現地の大盤解説会は中止されたが、盤上は熱戦が繰り広げられた。一日目に井山がわずかにリードを奪い、二日目の開始早々の河野の緩着でその差が大きく開く展開に。しかし、河野は勝負手を繰り出し、辛抱強くチャンスをうかがい、最後は読みの正確さで井山を上回って逆転を果たして白番中押し勝ちをおさめた。井山は「負けた二局はいずれも、打ちやすくなってからの打ち方に問題が多かった。次局はいいパフォーマンスができるよう努力したい」と反省のコメント。河野は「七番勝負の後半戦と呼べるところまでつなげることができてホッとしています」と笑顔を見せ、「今までどおり、一生懸命やるしかありません」と語った。井山が8連覇を決めるのか、シリーズの流れを引き寄せ河野が3勝目をあげるのか――注目の第6局は、3月5、6日の両日に山梨県甲府市の「常盤ホテル」にて行われる。

奥田あや四段・村川大介十段ペアが優勝

 「プロ棋士ペア碁選手権2020」(公益財団法人日本ペア碁協会主催)の準決勝戦、決勝戦が、3月1日に東京都千代田区の日本棋院で行われた。新型コロナウイルス感染拡大を鑑み、大盤解説会と公開対局は残念ながら中止されたが、大盤解説などがネット上でライブ中継され(現在も配信中)、数々のドラマが生まれる熱い一日となった。決勝に勝ち上がったのは、鈴木歩女流棋聖・余正麒八段ペアと奥田あや四段・村川大介十段ペア。鈴木は優勝経験もあり、決勝進出は7回目。棋士の間でも「ペア碁も強い」と定評がある。ところが余は「ペア碁に勝ったことがない」という大のペア碁苦手棋士。そこで今回は、余が、親しい林漢傑八段(鈴木の夫)宅に泊まり込んで、ペア碁の練習をしたという。決勝戦の模様を奥田に振り返ってもらうと「相手ペアがとにかく強くて、序盤から苦しい展開になり、全然ダメ、勝つのは大変と思いました。ただ、悪いなりに粘り強く冷静に打ち、チャンスがやってきて、運よく形にできました」とのこと。大会を通じては「全局とも、いつ負けてもおかしくない碁。特に2局目の向井千瑛五段・小林覚九段ペア碁との一戦は、相手ペアが投了した時点で、相手が勝つ手があったんです。村川先生だけが気付かれていて、局後に示されて三人で悲鳴をあげました」。勝因は、「ペアがいつも落ち着いていたので、いつもより冷静に打てたこと」。そして、「夏の世界戦が実現すれば、日本代表としてがんばりたい。世界の強いペアと対戦できるのはとても楽しみです」と語った。

十段戦開幕。芝野が先勝

 村川大介十段に、芝野虎丸名人・王座が挑戦する第58期十段戦五番勝負(産経新聞社主催)が開幕した。第1局は、3月3日、大阪府東大阪市の大阪商業大学で打たれ、芝野が白番3目半勝ち。初の十段獲得に向け、好スタートを切った。序盤は村川が優位に立ったという。その後、芝野が下辺で戦いを仕掛け、村川の妥協の一手から形勢不明に。さらに芝野が上辺に踏み込んだ一手で流れを引き寄せると、粘る村川を振り切った。村川は「読みをしっかり鍛え直し、次局からをがんばりたい」、芝野は「後半乱れた部分もあったので、少しでもいい碁をうてるようにがんばりたい」とそれぞれ次局への抱負を語った。

囲碁ニュース [ 2020年2月25日 ]

ジャンボ大会 バトリアヌス帝国連覇

会場の様子

 2月23日、東京市ヶ谷の日本棋院において1チーム15名の第49回ジャンボ囲碁団体戦月組がおこなわれた。新型ウイルスの影響で辞退チームもあり開催自体がどうなるのかという中で34ものチームが集まった。参加者にマスクが配られ、アルコール消毒液が会場に設置されるなどこれまでの囲碁大会にない異様な風景となった。さらに持ち時間を通常の40分から30分に減らし時間を短縮するなどの措置も見られた。
 そんな中、1回戦から優勝候補同士が早くも激突。アマ名人本因坊の大関稔さんをはじめ20代後半から30代の元院生を中心とする大熊義塾と元アマ本因坊の瀧澤雄太さんをようする多岐技会、現役学生のトップクラスを集めたバトリアヌス帝国と数々のアマタイトルを獲得した平岡聡さんなど40代から50代の強豪を中心とした団碁汁特盛が対戦し、それぞれ若手チームが勝利を収めた。
 今回は大熊義塾、バトリアヌス帝国、バトリアンチ帝国、アマ竜星戦優勝の森川舜弐さん、学生トップの星合真吾さん、川口飛翔さんをようする天野おじさんファンクラブといった比較的若手のチームの活躍が目立った。対して団碁汁、多岐技会、新宿囲碁センターといったベテラン名門チームは勝ち星をなかなか伸ばせなかった。
 決勝は大熊義塾とバトリアヌス帝国で行われ9-6でバトリアヌス帝国が大熊義塾を降し二連覇を果たした。
 Aクラス16チームの他にBクラスも18チームで行われ、アマ強豪の永代和盛さん率いる永代塾囲碁サロンが優勝した。

囲碁ニュース [ 2020年2月18日 ]

河野、一勝を返す

 井山裕太棋聖の三連勝で迎えた第44期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第4局が、2月14、15日に、福岡県太宰府市の九州国立博物館で行われた。形勢が何度も入れ替わる大熱戦の末、231手まで、黒番河野臨九段が中押し勝ちを収め、待望の一勝を返した。1日目は、右上の攻防で白の打ちやすい形勢となり、井山も「封じ手のあたりでは、(上辺と左辺の弱い)二つの石を逃げだせば、いけるかなと思っていたのですが」と振り返る。「でも、二日目に入り、打っているといろいろ難しく…もう少しいい手があったかもしれませんが…」と井山。その難戦のなか、次第に河野が流れを掴み、ヨセで勝ちを引き寄せた。局後の河野は、「一つ勝つことができてよかったです」と小さな声で語り、ホッとした表情を見せていた。「依然として厳しい状況ですので、悔いのないようにがんばりたい」と河野。井山も「悔いのないように準備したい」と語った。第5局は、26、27日に、神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で行われる。

新棋戦、カマチ杯が開幕

 女流の新棋戦「博多・カマチ杯 女流オープン戦」(医療法人社団埼玉巨樹の会協賛)が開幕し、本戦1回戦、2回戦が2月15、16日に東京都千代田区の日本棋院で行われた。本戦は、シードの女流タイトルホルダー、ランキング上位棋士、ワイルドカード棋士がシードされ、ここに予選から勝ち上がった棋士が加わった総勢16名によるトーナメント戦。ワイルドカードで招かれた中華台北の黒嘉嘉七段の参加も大きな注目を集めた。対局前日、「お姉さんのように慕っている謝さん、最近仲良くしている上野さんもいて安心感があります。ベスト4に入るのが目標です」と語っていた黒七段は、惜しくも2回戦で牛栄子二段に半目敗れ、「負けたのは残念ですが、この大会に参加できてうれしい」と話した。ベスト4には、上野愛咲美女流本因坊、藤沢里菜女流立葵杯、向井千瑛五段、牛栄子二段が勝ち上がった。準決勝は4月13日、決勝戦と3位決定戦は14日に福岡県福岡市の「ヒルトン福岡シーホーク」で行われる。

囲碁ニュース [ 2020年2月12日 ]

鈴木、女流棋聖位を奪取

 上野愛咲美女流棋聖が1勝を返し、1勝1敗で迎えた第23期ドコモ杯女流棋聖戦挑戦手合三番勝負(株式会社NTTドコモ協賛)の第3局が、2月10日、東京都千代田区の「竜星スタジオ」で行われた。結果は285手まで、鈴木歩七段が黒番3目半勝ちを収め、初の女流棋聖位を獲得した。序盤、黒番の鈴木が左上で戦いを仕掛け、やや打ち過ぎの上野の手を的確にとがめてペースを握った。中盤までは黒好調だったが、上野が鋭い勝負手から黒を分断すると難解な局面に。中央の黒を攻めながら巻き返し、ヨセに入るころには「半目勝負」の声も聞かれる接戦となった。その後、上野に逸機があったか、難解なヨセを鈴木が制してゴールインした。
 鈴木自身は13年ぶりのタイトル獲得となる。若い上野と藤沢里菜女流三冠の「二強時代」に割って入り、実力者としての存在感を見せた。「まさか上野さんに勝てるとは思っていませんでした。無欲で戦ったのがよかったのかもしれません」と喜び、また、夫の林漢傑八段への感謝の言葉も忘れず、「(育児など)生活環境が変わったことで無心に打てるようになったのかもしれません」と謙虚なコメントを続けた。最後に「タイトルを取ったこともあり、これからも恥ずかしくない碁を打てるように精進していきたいです」と笑顔で抱負を語った。

日本棋院初、親子四代棋士誕生

 張栩九段、泉美六段夫妻の長女、心澄(こすみ)さんが、2月8日、女流特別採用試験をトップの成績で終了して入段が内定し、故木谷實九段からの親子4代棋士(故木谷九段→故禮子七段→泉美六段→心澄さん)が日本棋院史上初めて誕生することになった。祖母、母はそれぞれタイトル10を獲得して女流囲碁界のトップに立った。さらに祖父、小林光一名誉三冠、父、張栩九段も第一人者として囲碁界に君臨した。心澄さんの活躍に期待が集まらないはずはないが、温かく見守っていきたい。対局時とは全く違い頬が緩みっぱなしの父と祖父に挟まれて記者会見に臨んだ心済さんは、「(プロになれることは)本当に嬉しいです。でも、まだまだ弱いので、これから一生懸命がんばりたいです」と泉美六段似の笑顔も見せながら、はきはきインタビューに応えていた。

囲碁ニュース [ 2020年2月4日 ]

芝野、井山を破り十段戦挑戦者に

 村川大介十段への挑戦権をかけた第58期十段戦本戦決勝(産経新聞主催)が、1月30日、大阪府梅田の日本棋院関西総本部で打たれた。井山裕太棋聖と芝野虎丸名人という日本囲碁界2強が対する注目の一戦は、両者の工夫が見られる立ち上がりから、右上で井山が仕掛けて険しい競り合いが始まった。互角の戦いが続くなか、芝野がコウを仕掛けたところで、井山に錯覚があったようだ。一手の疑問手で形勢は一気に白番の芝野に傾いた。その後も芝野にスキはなく、210手まで、芝野の中押し勝ちとなり、同棋戦史上最年少の挑戦者となった。井山は「後悔する手がいくつかあり、内容的には少し残念」とコメント。十段奪還は持ち越されることとなった。芝野は「村川十段は戦いが強い印象。大変な戦いになると思いますが頑張りたい」と三冠奪取に向け、静かに抱負を語った。

井山、棋聖8連覇に王手

 第44期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第3局が、2月1、2日に長崎県西海市の「オリーブベイホテル」で行われ、井山裕太棋聖が黒番中押し勝ちを収め、シリーズ3連勝とした。二日目に入り、河野臨九段が右辺の大石を捨てる選択をした時点で、形勢は大きく黒に傾いた。「見ていない黒の作戦があった。右辺を取られた状況は、明らかに白が悪化している」と河野は振り返る。井山も「封じ手のあたりでは難しいと思っていたが、右辺の白を取る展開になって、元から思えば仕方ないと思った」と手応えをつかんだようだ。その後、左辺から上辺にかけた戦いで、河野が必死に勝機を探るが、逆に井山にリードを広げられていった。「中盤は打つ手打つ手が筋に入ってきた」と井山自身も振り返る完勝譜となり、午後5時5分、153手までという早い終局を迎えた。河野は「悔いのないよう、一生懸命準備します」、井山は「まだまだ大変だと思っている。しっかり準備したい」とそれぞれ次局への抱負を語った。河野の巻き返しなるか、井山の8連覇が決まるのか――注目の第4局は、14、15日に、福岡県太宰府市の九州国立博物館で行われる。

囲碁ニュース [ 2020年1月31日 ]

東日本OB 慶應が3連覇

 1月19日、東京市ヶ谷の日本棋院において第30回東日本OBOG囲碁大会が行われ全40チームが出身校のために競った。Aブロック(16チーム)とBブロック(18チーム)は13人、Cブロック(6チーム)は5人の団体戦である。
 Aブロックでは1回戦で早稲田大学と慶應義塾大学が対戦した。早稲田大学は現役の関東学生リーグではここしばらく最強といってよく、慶應義塾大学もそれと争っている。現役でも関東トップをめぐって争った両チーム、早稲田は世界アマ日本代表経験のある坂本修作さんや現役時多くの学生タイトルを獲得した加畑陽一さんと各世代の代表が、慶應は主将に学生王座経験のある丹羽準也さんなど二十代、三十代を中心にベテランが後方を固める布陣。この早慶戦を慶應が7-6で制した。
 慶應はその後この勢いに乗り二桁の勝ち星を上げAブロック優勝となり3連覇を果たした。3連覇の達成は早稲田大学、中央大学に次ぐ3チーム目で自身としては初である。2位が中央大学、3位が横浜国立大学、4位が東京大学となった。
 Bブロックは成績上位が翌年Aブロックに参加できる。今回優勝を果たしたのが法政大学である。法政大学の主将は学生本因坊経験のある若手の神谷祐樹さんであるが、幾度もアマチュア日本一に輝いたことがある中園清三さんが副将となった。「そろそろ若い人に主将をやってもらわないと」と中園さんは語られた。
 5人制のCブロックは早稲田大学理工学部が優勝となった。

囲碁ニュース [ 2020年1月28日 ]

芝野、二年連続惜敗

 第8回CCTV賀歳杯中日韓新春囲碁争覇戦(CCTV、中国囲棋協会主催)が1月20日から22日にかけて中国の成都市で行われた。この棋戦は、中国のCCTVから日本、中国、韓国の代表が招待され、3名による変則トーナメント戦が行われる。非公式戦だった第5回までに、井山裕太九段や村川大介九段が二位になったことがあるが、日本勢の優勝はまだない。中国代表は柯潔九段、韓国代表は朴廷桓九段が、いずれも公式戦となった第6回から連続出場。日本からは第6回には一力遼八段が出場し、第7回の今年は芝野虎丸九段が出場した。
 抽選の結果、1回戦は柯と朴が戦い、敗れた柯と芝野が2回戦で戦った。黒番の芝野は、序盤は巧みに打ち回し、下辺、上辺、右辺とポイントを重ねていった。だが、柯の挑発気味の一手が芝野の疑問手を誘い、形勢は不明に。その後も芝野にチャンスは訪れるもこれを逃して柯に押し切られたようだ。1回戦の勝者、朴と、2回戦の勝者、柯による決勝戦は、22日に打たれ、序盤で優勢を築いた朴が柯の追撃を冷静にかわして3年連続の優勝を決めた。芝野は「相手が強いのでこの結果も仕方ない。一局しか打てなかったのは残念ですが、いい経験になりました」と話した。

上野、パンチを繰り出し1勝を返す

 上野愛咲美女流棋聖に、鈴木歩七段が先勝して迎えた、第23期ドコモ杯女流棋聖戦挑戦手合三番勝負(株式会社NTTドコモ協賛)の第2局が、1月27日に東京都千代田区の「竜星スタジオ」で行われた。序盤、まず、左下で黒番の鈴木の高い両ガカリから両者の研究がぶつかり合った。上野は難解定石を黒有利と見て避け、簡明な進行を選択し互角に分かれる。続いて右上の折衝では読みがぶつかり合った。一時は鈴木の読みが勝り、上野の石を仕留めて優勢を築いたかに思われたが、一手の打ち過ぎをすかさず上野がとらえて、重いパンチが入り、黒ツブレといってよい結末に。その後、勝機を求めて打ち進めたが、序盤の損があまりにも大きく144手まで、上野の白番中押し勝ち。鈴木には悔やまれる一手と一局となった。決戦となる第3局は、2月10日、第2局と同じ「竜星スタジオ」にて行われる。

井山、世界一まであと一局

 非公式戦ながら、井山裕太三冠が「世界一」まで、あと一勝に迫っている。中国の対局サイト「野狐囲碁」が、野狐囲碁ランキング32位までの棋士が参加するネット棋戦、優勝賞金は50万元(約800万円)という「第1回野狐人気争覇戦」を開催。ランキング30位の井山が参戦し、中国の強豪を6名下してベスト4入りし、準決勝三番勝負では井山が幼少時からライバルと意識している陳耀燁九段に二連勝して決勝に進んだ。1月16日、決勝第1局が打たれ、童夢成八段に接戦の末白番半目勝ちを収め、優勝に王手をかけた。第2局は2月12日に行われる予定だという。

囲碁ニュース [ 2020年1月21日 ]

女流棋聖戦・開幕戦は鈴木が勝利

 三連覇を期す上野愛咲美女流棋聖に、鈴木歩七段が挑戦する第23期ドコモ杯女流棋聖戦挑戦手合三番勝負(株式会社NTTドコモ協賛)が開幕。第1局が1月16日、神奈川県平塚市の「ホテルサンライフガーデン」にて行われ、鈴木が白番3目半勝ちを収めた。昨年、女流本因坊位も奪取して二冠となった上野は、一般棋戦の竜星戦で準優勝という快挙も見せ、女流年間最多勝も新記録を達成し、まさに日の出の勢い。対する鈴木は、「まだまだ若手に負けていられない。またタイトル戦に出たい」と語っていた。対上野戦は2戦2敗で、いずれもタイトル戦の挑戦者決定戦という大一番で負かされているが、苦手意識があるかと思いきや、挑戦者に名乗りをあげて「何しろ愛咲美ちゃんと打てるのが楽しみ」とのコメントだった。上野の力の強さはもちろん、鈴木の読みの速さと正確さも定評がある。期待どおりの目の離せない戦いの碁となった。左下から左辺にかけての攻防では、上野が打った「時間つなぎ」に対して「手を抜ける」と素早く判断した鈴木が要所に連打し一本取る。その後上野も本領の力を発揮して挽回したが、右下の攻防で鈴木の判断力が上回り、再びポイントを上げるとそのまま逃げ切った。上野は「自分らしい碁を打ちたい」、鈴木は「ヨセ負けないようにしたい」と、それぞれ次局への抱負を語った。第2局は1月27日に東京都千代田区の「竜星スタジオ」で打たれる。

井山棋聖、二連勝

 井山裕太棋聖が挑戦者の河野臨九段に先勝してスタートした第44期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第2局が、1月20、21日に埼玉県川越市の「蓮馨寺」で行われた。序盤、井山の左辺への積極的な一着から始まった折衝でポイントをあげると、河野の下辺での仕掛けに手を抜く機敏な打ち回しもあり、リードを広げていった。二日目に入り、「白よし」の評価が多い進行のなか、手堅く進める井山に対して、河野は右辺から中央にかけて戦いを仕掛け、難しい局面へと導いた。河野らしい柔軟な発想の意表をつく手も見られたが、井山が時間をかけて冷静に読み切り追撃を振り切り、198手目まで白番中押し勝ちを収めた。井山は「流れは悪くないと思っていましたが、中盤の大事なところで見損じがあるなど反省点も多い一局でした」と振り返り、「これからも大事な戦いが続くので、いい内容の碁を打っていきたい」と気を引き締めた。苦しい連敗スタートとなった河野は「1日目から悔いが多すぎる碁でした。次局は少しでもいい状態でベストを尽くしたい」と語った。河野の巻き返しが期待される第3局は、2月1、2日に長崎県西海市の「オリーブベイホテル」で行われる。

囲碁ニュース [ 2020年1月14日 ]

棋聖戦開幕。井山が先勝

対局に勝利した井山棋聖

 井山裕太棋聖に河野臨九段が挑戦する第44期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)が開幕した。第1局は、1月9、10日に東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」にて打たれ、黒番の井山が5目半勝ちを収めた。
 一日目は、井山の厚みと河野の実利という碁形となり、黒模様に深く入った河野が打ち回して「白優勢」の声が多かった。だが、二日目に入り、中央の難解な折衝のなか河野が「判断が甘かった」と振り返る手をとらえ、井山が逆転。さらに河野の疑問手が続き、黒が優勢を築いた。その後、河野は勝負手を繰り出し粘るが、井山が冷静に対処して寄せ付けなかった。井山は「二日目も苦しいかなと思っていました」と、白星にも反省が多い表情。河野は「次局は悔いのない碁を打てるよう頑張りたい」と語った。
 棋聖位7連覇中の井山は、今期防衛を果たすと、小林光一名誉棋聖の持つ8連覇の記録と並ぶ。小林名誉棋聖の弟子である河野がこれを阻止し、初の棋聖奪取を実現できるか。井山が第一人者の座を守るのか、群雄割拠の時代に突入していくのかという意味でも注目が集まるシリーズ。第2局は、1月20、21日に埼玉県川越市の「蓮馨寺」で行われる。

囲碁ニュース [ 2020年1月7日 ]

全日本大学選手権 立命館V

 12月23日から26日の四日間、東京市ヶ谷の日本棋院において全日本大学囲碁選手権が行われた。全国各ブロックより8つの大学が集まった。
 優勝の最有力は関東の早稲田大学と見られ対抗馬として関西の立命館大学が挙げられていた。下馬評では早稲田の層が厚いとされ6回戦終了まで早稲田が全てを5-0で勝利した。立命館も接戦ながら6回戦全てを勝利して早稲田との最終戦に臨むことになった。
 早稲田のメンバーは主将の昨年度の学生十傑優勝の津田裕生さんをはじめ、今年度の学生最強位である星合真吾さん、学生王座を優勝したばかりの石田太郎さんなど磐石の布陣。立命館は学生タイトルで関東勢と激戦を演じていた世代とは代替わりをし、一線級で戦っていたメンバーがいなくなり戦力ダウンと言われていた。
 メンバー的に早稲田が全て5-0の完全優勝をするのではと思われる中おこなわれた最終戦、副将戦、四将戦と早稲田の星合さん、石田さんが制し早稲田が優勝に王手をかけた。このまま早稲田が優勝すると思われたが、主将戦を立命館の西村遼太郎さんが半目勝ちすると流れが変わった。三将戦を2目半勝ちし2-2となり、五将戦を立命館の平松さんが1目半勝ちとなり、大接戦を立命館が制し2年ぶり8回目の優勝となった。
 どの日も接戦となった立命館大学はチームワークの良さを発揮した。一方の早稲田大学は個人戦では2人の優勝者を出したものの悔しい結果となった。

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