日本囲碁ニュース (本因坊戦)

日本の囲碁ニュース・棋戦情報をお伝えします。
日本で行われている囲碁のイベントや棋戦情報を皆様にお伝えします。

囲碁ニュース [ 2020年7月8日 ]

芝野、1勝を返す

 本因坊文裕(井山裕太本因坊)の怒涛の三連勝で迎えた第75期本因坊戦七番勝負(毎日新聞社主催)の第4局が、6月30日、7月1日に静岡県河津町の「今井荘」にて行われ、166手まで、挑戦者の芝野虎丸名人が、白番中押し勝ちを収めて1勝を返した。十段を獲得し、井山と並ぶ「三冠」となった芝野は、対局前「井山先生を倒すということよりは、自分がもっと強くなって井山先生にとって良い相手になれるといいかなと思っています」と謙虚に語って本局に臨んだ。前3局はいずれも一日目から井山がリードを奪った。本局も「黒優勢」の局面となったが差はわずか。芝野の鋭い踏み込みから難解な戦いに突入した。終盤に入り、盤測の検討陣からは「いい勝負だが、黒が薄いので、黒のほうが打ち方が難しい」との声が聞かれた。互いに秒読みに突入する大熱戦の末、芝野がねじり合いを制した。「ヨセに入ったところでも足りないかと思っていました。一つ勝って安心しました」と芝野。井山は「途中まで流れは悪くないと思っていましたが、終盤でダメなコースに入ってしまった」と振り返った。注目の第5局は、7月8、9の両日、三重県鳥羽市の「戸田家」にて行われる。

囲碁ニュース [ 2020年6月25日 ]

本因坊文裕、三連勝

 本因坊文裕(井山裕太棋聖・本因坊・天元)に芝野虎丸名人・王座が挑戦する第75期本因坊戦挑戦手合(毎日新聞社主催)の第3局が、6月22、23日に、兵庫県宝塚市の「宝塚ホテル」にて行われ、172手まで、白番井山が中押し勝ちを収めた。開幕からの3連勝で、史上2位タイとなる9連覇にあと1勝と迫った。井山は序盤から積極的な構想を見せ、1日目を終えた時点で解説の結城聡九段が「井山さんが一本取って、芝野さんがつらい戦いを強いられています」と評するように、優勢に立った。2日目に入り、芝野が盛り返して一時は互角となるが、右辺から仕掛けて右下の黒を大きく荒らすと、逆に左下に入ってきた白を正確に仕留めて勝負を決めた。井山は「2日目に中央を突き抜かれて悪くなっていてもおかしくなかった。左下を取りかけにいった時もはっきり読み切れていなかった。まずいミスもあったので修正して次局に臨みたい」、芝野は「1日目でかなり白地が多い展開になったので、ちょっと苦しいかなと。2日目に中央を突き抜いて難しくなったと思っていたが、右下隅を生かしてちょっと大変にしてしまい、攻めの打ち方をしないとダメだった。結果はそんなに気にせず、次局もいい碁が打てるようにがんばりたい」とそれぞれコメントを残した。第1、2局に続き、本局も井山の快勝譜。改めて、シリーズ前の「(対局休止・延期中に)いい充電ができた」という井山の言葉が思い返される。一気に防衛を決めるのか、芝野が反撃の狼煙をあげるのか、注目の第4局は、6月30日、7月1日に、静岡県河津町の「今井荘」にて行われる。

囲碁ニュース [ 2020年6月18日 ]

本因坊文裕、二連勝

 本因坊文裕(井山裕太棋聖・本因坊・天元)に芝野虎丸名人・王座が挑戦する第75期本因坊戦挑戦手合(毎日新聞社主催)の第2局が、6月12、13日に東京都千代田区の日本棋院で行われた。結果は143手まで、井山が黒番中押し勝ちを収め、開幕二連勝とした。一日目から、井山が積極的な打ち回しを見せ、検討陣からは「黒持ち」の声が多く聞かれた。芝野は「右上の打ち方が重かったかなと。予想以上に形勢がよくなかった」と振り返った。二日目に入り、芝野は「ただ、黒もまとめ方が難しいので、粘り強く打てればいいと思っていた」というが、井山の充実の打ち回しで勝機が見えない。井山の「右下を生きて、中央がそんなにひどい目に合わなければ、少し地合いではリードしているかなとは思いました」の言葉通り、リードを維持したまま、午後4時14分という早い終局を迎えることとなった。芝野は「この2局目と1局目は少し一方的な内容になってしまっていると思うんですけど、切り替えてまたがんばりたいですね」と語り、井山は「まだまだこれからですので、これまで通り、自分の力を出し切れるように精一杯がんばりたいと思います」と気を引き締めた。第3局は、22、23日に、兵庫県宝塚市の「宝塚ホテル」にて行われる。

囲碁ニュース [ 2020年6月10日 ]

本因坊戦開幕。文裕が先勝

 第75期本因坊戦挑戦手合(毎日新聞社主催)がいよいよ開幕した。第1局は、6月2、3日に山梨県甲府市「常盤ホテル」で行われ、182手まで、本因坊文裕(井山裕太棋聖・本因坊・天元)が、挑戦者の芝野虎丸名人・王座に白番中押し勝ちを収めた。3冠対2冠という日本囲碁界の2強が激突するシリーズをファンは待ちわびていたことだろう。対局休止の期間を振り返り、井山は「いい充電はできた。相手がどうこうより、自分のベストを尽くすことを最優先に考える」、芝野は「久しぶりの手合いなので楽しみですが、碁盤対局も久しぶりで、持ち時間も長いのでなんとなく不安なところもあります。井山本因坊との対局はどれも難しい碁ばかりだったので、集中力を切らさず、最後まで打ち切りたい」と語って、それぞれ勝負に臨んだ。対局地は、昨年の王座戦五番勝負の第2局、第3局で両者が戦った場所でもある。今回は、対局室に入る関係者も含め、マスク着用と検温が義務づけられるなど、新型コロナウイルス感染予防が徹底されての対局となった。
 序盤、右上での険しい競り合いで、井山がややリードを奪ったようだ。二日目に入り、井山が「(下辺での黒の)ハネ出しが厳しい狙いだった」と振り返った芝野の一手から勝負所を迎える。芝野の厳しい攻めに対して、右下の白の大石を捨てて左辺に模様を築いた井山の大局観が素晴らしく、一気に白優勢の局面となる。その後、芝野が左辺に入り、手順を尽くして見事にシノぐ見せ場を作ったものの逆転には至らず、投了を告げるところとなった。井山は「七番勝負は始まったばかり。次も悔いのないように打つ」、芝野は「後悔する手はなかったので、次を頑張れれば」と落ち着いたコメントを残した。第2局は、12、13日に東京都千代田区の日本棋院にて行われる。開催地は北九州市「小倉城庭園」が予定されていたが、新型コロナウイルス感染拡大が続いているために変更された。7月13、14日の第6局を北九州市で行うことが検討されているという。

囲碁ニュース [ 2020年4月7日 ]

芝野、初の本因坊挑戦

 第75期本因坊リーグ戦(毎日新聞社主催)は、4月3日に最終一斉対局が行われ、芝野虎丸名人と許家元八段の2名が6勝1敗というトップの戦績でシリーズを終えた。そして、両名によるプレーオフが、4月6日、東京都千代田区の日本棋院で打たれ、芝野が黒番中押し勝ち。昨年(プレーオフにて河野臨九段に半目負け)の雪辱を遂げ、本因坊文裕(井山裕太本因坊)への挑戦権を獲得した。
 勝負は、「難しいながらも白ややよし」の声も聞かれたが、持ち時間を余していた芝野が最後には勝利を手繰り寄せた。惜敗の許は「ずっと入りたかった本因坊リーグで、自分なりに力を出せました」とシリーズを振り返り、「コウ争いの時は、正しく打てれば……と思っていましたが、難しかったです。挑戦はできませんでしたが、自分なりに精一杯打てました」とコメント。芝野は「途中で負けの図があったので、挑戦者になれたのは運がよかったです。井山先生とは大変な対局になりますが、楽しんでやりたい」と喜びを語った。
 井山は今季防衛すれば9連覇となり、趙治勲名誉名人の持つ10連覇の大記録にあと一歩と迫る。また、芝野が奪還すれば、現在進行中の十段と合わせて「四冠」となる可能性もある。囲碁界の歴史がどう動いていくのか、大いに注目される頂上決戦は、5月に開幕。七番勝負第1局が、5月12、13の両日に、群馬県高崎市の旧井上房一郎邸で打たれる予定だという。

囲碁ニュース [ 2020年3月18日 ]

本因坊リーグ戦、許が一歩リード

 本因坊文裕(井山裕太本因坊)への挑戦権をかけた第75期本因坊リーグ戦(毎日新聞社主催)が、佳境に入っている。8名の総当たり戦で争われる本リーグは、5回戦を終えた時点で、「令和三羽烏」と呼ばれる芝野虎丸名人、一力遼八段、許家元八段が1敗でトップを並走。3月12日に、一力と許の直接対決が組まれた。両者の対戦成績は、ここまで一力の8勝1敗と偏っている。この偏りについて、一力は「成績ほど差があるとは全然思っていない。逆の成績でも全然おかしくはない」、許は「そんなに気にはしていないが、やはり壁を感じています。どう克服するのかが当面の課題」と語っていた。本局は、中盤、一力に珍しく失着があり、白番の許が優勢となった。その後一力が必死の追い上げを見せ、終盤の死活がからむ勝負所を迎えた。ここで一力が決め手を逃し許の中押し勝ち。許が1敗を守り、挑戦者争いのトップに躍り出た。最終局の相手は許が志田達哉八段、一力は河野臨九段。そして芝野の残り二局の相手は、山下敬吾九段と横塚力七段。最終的には誰が挑戦権を掴むのか、今後の進展が注目される。

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