日本囲碁ニュース (碁聖戦)

日本の囲碁ニュース・棋戦情報をお伝えします。
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囲碁ニュース [ 2023年8月1日 ]

井山碁聖3連覇

 井山裕太碁聖が挑戦者の一力遼棋聖に2連勝して迎えた第48期碁聖戦五番勝負(新囲碁連盟主催)の第3局が、7月28日、千代田区の日本棋院東京本院で行われた。井山は20日に一力に本因坊位を奪われたが、24日の名人戦リーグで許家元九段を破り、自身のツイッターで「また新たなスタートが切れて良かったです」と気持ちを切り替えている。その精神力は井山の強さを支えるものだろう。本局も、本因坊戦同様、互いに反発し合う立ち上がりから難戦となり、険しい攻防が下辺から中央へと波及していった。共に最強手を追及する棋風だが、判断を誤ると「打ち過ぎ」となる。黒番の一力がやや優勢の状況でヨセに入ったが、上辺で放った強気のハネに井山が切りから反発して流れが変わった。一見、中央の黒と左辺の白を取り合うフリカワリで決着したかに思われたが、左辺の白はしぶとい形だった。井山が左辺を動き、コウの形に持ち込んだところで、一力が投了を告げた。井山は3連勝のストレートで防衛を果たし、3連覇とした。また通算9期の碁聖位は、小林光一名誉碁聖の記録に並ぶ快挙でもある。井山は「一つ結果を残せてホッとしています。きわどい勝負ばかりでしたが、自分なりに精一杯やれたかなと思います」と振り返った。昨年に続いて3連敗の結果に終わった一力は「今年も見せ場がないまま終わってしまいましたが、実力かなと感じます。またこの舞台に立てるように、一つ一つ頑張っていきたい」と語った。

囲碁ニュース [ 2023年7月18日 ]

井山碁聖、防衛にあと1勝

 本因坊戦の激戦から2日あけた7月15日、両雄は舞台を変え、第48期碁聖戦五番勝負(新聞囲碁連盟主催)の第2局で相まみえた。対局場は石川県金沢市の「北國新聞会館」だ。序盤は両者のここ数局同様に早いペースで打ち進められ、互いに模様を広げた。中盤に入り、白番の一力が黒模様に深く打ち込むと、互いの石が絡み合う険しい攻防に突入していった。中央で井山の攻めが上回り、白石数子を取り込む形で治まりリードを奪うと、一力の猛追を的確に退けて、黒番中押し勝ちとした。立会いの武宮正樹九段は「最初から最後まで難解で、勝ち切った井山碁聖はすごいが、一力棋聖も最後まで土俵を割らず素晴らしい熱戦だった」とコメントした。2連勝で3連覇(通算9期目)にあと1勝と迫った井山は「中央の戦いで打ちやすくなった。第3局もコンディションを整えて精一杯やりたい」と淡々と語り、一力は「中央の戦いでもっといい打ち方はあったと思う。そのあたりを修正して、次局に臨みたい」と巻き返しを誓った。第3局は、28日に、東京都千代田区の日本棋院東京本院にて打たれる。

囲碁ニュース [ 2023年7月11日 ]

碁聖戦開幕。井山先勝

 井山裕太三冠と一力遼棋聖の重厚対決が続いている。6月27日は、井山裕太碁聖に一力遼棋聖が挑戦する第48期碁聖戦五番勝負(新聞囲碁連盟主催)の第1局が、大阪市北区の日本棋院関西総本部で打たれた。一力は、前週の本因坊戦で3勝目をあげて井山を追い詰めている。その勢いのまま勝利を収めるのではないかと予想されたが、結果は井山の快勝となった。序盤、左上の攻防は、見慣れぬ形ながら「さすがに両者の見事な応酬」と解説の瀬戸大樹九段が称賛。両者は、黒番の一力がやや打ちやすそうという感想で一致していたが、直後、左辺に向かった手を「中央の攻めに向かうべきだった」と一力が悔やむ。井山が中央を厚くして形勢は互角だが、この後悔が、一力の焦りを呼んだようだ。左下の攻防で、一力は最強手を選ぶが、これが裏目に出て井山がじわじわとリードを広げ、さらに中央の攻防でも一本取って勝負を決めた。一力は「この碁はいいところがなかった」と完敗宣言。井山は「険しいながらも、それなりに戦えているのかなと思っていた」と振り返った。第2局は、7月15日に、石川県金沢市の「北國新聞会館」で行われる。
 両者は、本局の2日後、29日に名人戦リーグでも顔を合わせた。一力が熱戦を制して井山に土をつけ、両者6勝1敗。こちらの挑戦者争いからも目が離せない。井山は、自身のSNSに「途中楽しみの多い局面と感じていましたが、良い選択ができませんでした。厳しい日程が続きますが、引き続きベストを尽くしたいと思います」と投稿している。

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