日本囲碁ニュース (天元戦)
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囲碁ニュース [ 2024年12月3日 ]
一力、天元連覇
第50期天元戦(新聞三社連合主催)挑戦手合五番勝負の第4局が、11月28日、兵庫県洲本市の「ホテルニューアワジ」にて打たれた。ここまで2勝の一力遼天元が芝野虎丸九段に黒番中押し勝ちを収めて3勝目をあげ、二連覇(通算3期)を達成した。穏やかな立ち上がりから、上辺で芝野のツケに一力がツケ返して始まった折衝は、「いい勝負」と局後の両者。だが、その後、「中央で黒に厚みをつくられたときは、はっきり問題かなと思っていた」と芝野は振り返る。一力は厚みを背景に右辺を大きく広げ、芝野が踏み込み、険しい戦いとなる。この攻防の中、一力の鋭い攻めが白の大石を捉えて、勝敗が決した。1勝3敗に終わった芝野は「後半がかなりまずかったので、結果は仕方ない」と語り、シリーズを「どの碁も難しかったですが、本局がまずい碁になってしまったので残念に思います」と振り返った。二連覇を果たし、「四冠」を堅持した一力は「本局は、難しいなりに、自分の持っている力は出せたかなと思います。ひとまず(防衛という)結果を残すことができ、ホッとしています」と静かに語った。
囲碁ニュース [ 2024年11月12日 ]
一力が天元防衛にあと1勝
一力遼天元の1勝、挑戦者の芝野虎丸九段の1勝で迎えた第50期天元戦(新聞三社連合主催)挑戦手合五番勝負の第3局が、11月9日に福岡県久留米市の「久留米シティプラザ」にて打たれた。黒番の芝野が大模様を張り、入ってきた一力の石を攻めるという、両者ならではの進行を、一力は「死ぬことはないと思っていたが、どの程度の生き方かが勝負かと思っていて、形勢は自信がなかった」、芝野は「経験のない形だったので善悪はわからなかったが、そんなに悪くないのではないかと思って打っていた」と振り返る。AIの勝率は黒有利を示し続けていたが、目数にするとわずかで、ほぼ互角といってよい形勢でヨセに入った。芝野は「やや厚いかなと感じていた」という。劣勢を意識した一力が左辺に勝負手を放ち、難解な折衝が続く中、芝野に逸機があったようだ。一力が読み勝ち、逆転での白中押し勝ち。防衛まであと1勝とした。一力は「一局を通して、判断が難しい碁で、いろいろミスもあった。少し間隔があくので、調整していい状態で臨みたい」、芝野は「内容的に、勝負所でミスが出てしまった気がするので、残念ですが仕方ない。また次がんばります」とそれぞれ抱負を語った。第4局は、11月28日に、兵庫県洲本市の「ホテルニューアワジ」にて打たれる。
囲碁ニュース [ 2024年10月8日 ]
大激闘を制し、一力天元が先勝
名人戦と立場が入れ替わり、一力遼天元に芝野虎丸名人が挑戦する第50期天元戦(新聞三社連合主催)が開幕した。第1局は、10月7日に愛知県名古屋市の「文化のみち橦木館」で打たれ、大激闘の末、一力が白番半目勝ちとした。序盤、苦戦を意識した芝野が大模様を広げ、これに応えるように一力が右下に深く打ち込み、芝野の本気の取りかけがスタートした。「中盤は一手一手わからなかったですし、難しいことだらけでした」と一力は振り返り、芝野は「黒がいけそうな場面もあった気がするのですが、あまり正しく打ててはいなかった感じです」と振り返る。攻防は盤全体に波及し、周囲の石も関連して難解を極め、一手ごとにAIの勝率も揺れた。攻め合いにもつれ、コウダテに誤算のあった芝野がフリカワリに切り替えた時点で、一力が優勢を築いた。その後、ヨセで芝野に鋭い一着があり一気に細かくなるが、一力が半目逃げ切った。一力は「(ヨセで)明らかに損をして、一瞬、もしかしたらあやしかったかもしれない。負けになっていてもおかしくないと思っていたのですが、最後は運がよかった」、芝野は「正しく打てば何かあったかもしれないですが、(一局を通して)あまりチャンスはなかったと考えています」と語った。芝野はここから、名人戦七番勝負の他にも、王座戦挑戦、棋聖戦挑戦者決定トーナメントと、タイトな日程で大一番が続く。天元戦の第2局は、10月18日に北海道札幌市の「京王プラザホテル札幌」にて打たれる。