日本囲碁ニュース (棋聖戦)

日本の囲碁ニュース・棋戦情報をお伝えします。
日本で行われている囲碁のイベントや棋戦情報を皆様にお伝えします。

囲碁ニュース [ 2022年3月22日 ]

一力遼新棋聖誕生

 第46期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第7局が、3月17、18の両日、京都市の仁和寺で打たれ、挑戦者の一力遼九段が、井山裕太棋聖に黒番中押し勝ちをおさめ、悲願の棋聖戴冠を果たした。前週の10、11の両日に神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で行われた第6局は井山が勝利。昨年からのカド番対局を10連勝とし、異名となっている「カド番魔王」ぶりを発揮した。3勝3敗で迎えた最終局は、井山の10連覇か、10年ぶりの新棋聖誕生かで大いに注目された。
対局前夜、東北では大きな地震があり、一力は「連絡を取る術がなかったのですが、自分のできることは、まずは目の前の一局に集中することだと思って頑張りました」と振り返る。対局は、左辺で6線をオシて、相手に地を与えるリスクをとりつつ中央の白を攻める大胆な戦略が注目を集めた。この決断が奏功し、白の大石を攻める中で一力がリードを奪うと、そのまま逆転のスキを与えず逃げ切った。悲願の三大タイトル獲得を果たした一力は、4連敗を喫した4年前の棋聖戦挑戦時を振り返り「以前よりは少し成長できた部分はあるのかなと思いますが、まだまだ内容的には足りない部分もあったので、引き続きがんばっていきたい」と語り、今シリーズを総括して「井山さんにはまだ及ばない部分がある。これからも精進したい」と謙虚に喜びを語った。10連覇を絶たれた井山は「今期は残念な負け方が多かったです。また力を蓄えて、戻ってこられるように頑張っていきたい」とリベンジを誓った。

囲碁ニュース [ 2022年3月8日 ]

「角番魔王」井山、1勝を返す

 井山裕太棋聖が、挑戦者の一力遼九段に1勝3敗と追い詰められて迎えた第46期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第5局が、3月3、4の両日、神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で行われた。歴史が変わる瞬間を見届けようと多くの報道陣が詰めかける中、井山が劣勢を「魔術」で覆し、213手まで黒番中押し勝ちを収め、角番を一つしのいで2勝3敗とした。序盤、左上の「経験のない形」(井山)からの競り合いは互角に分かれるが、その後、右下で井山が一力の一瞬の隙を突く鋭いキリを放ち、攻勢に立って一日目を終えた。二日目に入り間もなく、一力の強手から白が挽回し、さらに井山に見損じがあって形勢は大きく白に傾いた。「負けを覚悟した」と井山は振り返る。持ち時間も一時は井山が残り1時間強、一力が4時間弱と3時間もの差が開き、控室は「新棋聖誕生か」という空気に包まれた。ただし、立会をつとめた羽根直樹九段は「流れは白ですが、右下にはコウが残っており、左辺はまだ決着がついていません。こういう不透明要素がある碁では、流れを掴みかけている方が精神的には嫌なものです。勝負はまだ全くわかりません」と話した。その言葉どおり、井山が勝負手を次々と繰り出し、一力のミスを誘い、準備を完璧に整えてから左下隅の狙いを決行。井山が一気に逆転を果たした。新聞解説の六浦雄太七段が、井山の読みの深さ、技術、相手が間違えやすいように持っていく力、全てを総じて「魔術」と称し、「強すぎる」と感嘆する一局となった。井山は「精一杯準備して、悔いのないように臨みたい」、一力は「この碁は中盤以降ミスが多かったので、修正してがんばります」とそれぞれ次局への抱負を語った。昨年からの角番の対局を9連勝とした井山が、さらに10連勝として棋聖位10連覇につなげるのか。一力が悲願の戴冠を決めるのか。第6局は10、11の両日、同じく神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で行われる。

囲碁ニュース [ 2022年3月2日 ]

一力、3勝目。井山、カド番に

 井山裕太棋聖が1勝、挑戦者の一力遼九段が2勝で迎えた第46期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第4局が、2月18、19の両日、山梨県甲府市の「常盤ホテル」にて行われた。結果は第3局に続いての逆転で、236手まで、一力が黒番半目勝ち。3勝目をあげ、タイトル奪取まであと1勝とした。本局も、立会をつとめた張栩九段が「お互いに才能を見せつけ合っている」と評したように、序盤から見応えのある攻防が続いた。右下の攻防でわずかに井山がリードを奪ったようだが、一力も終始粘り強く勝機を探り続けた。二度の振り替わりを経て、井山優勢となったが、終盤に井山にミスが出て逆転を許した。新聞解説の鈴木伸二七段は「内容の濃い名局。秒読みに入るまでは両者完璧な打ち回し。秒読みに入ってから両者にミスがありましたが、最後にミス(白194)をした井山棋聖が少し届かなかったという印象」と評した。井山は「下辺の死活に錯覚がありました。それも実力なので仕方がない」と振り返り「気持ちを新たに少しでも納得できる碁を打てるよう準備していきたい」と語った。一力は「(シリーズを通して)勝った碁も紙一重。自分が有利だとは思っていません」と気を引き締め、「引き続き、目の前の対局に集中していきたい」と語った。井山は、昨年の本因坊戦、名人戦に続き、三大タイトルで角番に追い詰められた。その2シリーズは見事に逆転して防衛を果たしたが、棋聖戦でも底力を発揮できるか。注目の第5局は、3月3、4の両日、神奈川県箱根町の「ホテル花月園」で行われる。

囲碁ニュース [ 2022年2月8日 ]

一力、乱戦を逆転で制し2勝目

 井山裕太棋聖に、一力遼九段が挑戦する第46期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第3局が、2月4、5の両日、長崎件西海市の「オリーブベイホテル」にて行われた。一日目、右上で白番一力の強手に、井山が強手で反発して一気に険しい様相に。黒のシノギ具合が注目されるなか、井山が封じた。一力が「大変な進行かなと思っていた」と話したように、AIは黒優勢を示していた。二日目も互いに反発し合いながら最強にがんばる熱戦となり、中央で乱戦に突入した。「一手先も分からない展開がずっと続いた」と井山が振り返るなか、両者残り1分の秒読みになる。一時は黒勝勢となりながら、「攻め合いの具合も、うっかりしていたこともあって」と井山。予定変更した手から「事件」が起こり、井山がコウを解消した時点で、YouTubeで解説をしていた孫喆七段は「白勝ちになりました」。その後も難しい折衝が続いたが、252手まで、白番の一力が中押し勝ちし、シリーズ対戦成績を2勝1敗と勝ち越した。新聞解説の村川大介九段は「白188に対してコウにせずにつないでおけば黒がよかったと思いますが、井山棋聖らしく一番厳しくいった結果だったと思います」と話した。「ただ、勝つチャンスの局面があっただけに、井山棋聖にはショックの大きい負け方だったかもしれません」ともコメント。第4局で井山がどう立て直すかが注目される。一力は、「185手目あたりでははっきり負けだと思っていました。途中分からないことだらけだったので、しっかり修正して第4局に向かっていきたいと思います」、井山は「また気持ちを新たに、精一杯やりたい」とそれぞれ抱負を述べた。井山がタイに戻すか、一力が一気に王手をかけるのか。第4局は、2月18、19の両日、山梨県甲府市の「常盤ホテル」にて行われる。

囲碁ニュース [ 2022年1月25日 ]

井山、快勝で1勝を返しタイに

 井山裕太棋聖に、挑戦者の一力遼九段が先勝して迎えた第46期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)の第2局が、1月21、22の両日、千葉県勝浦市の「三日月シーパーク勝浦ホテル」にて行われた。井山が「自分なりにコンディションを整えてきた。結果を恐れずにベストを尽くしたい」、一力は「第1局と同様、目の前の一局に集中していきたい」と臨んだ本局は、序盤から黒番の一力が積極的に仕掛け、井山が最強に応戦する流れから、何度も勝負所を迎える険しい難戦となった。中盤、地合いで先行した白番の井山が、上辺一帯の黒模様でしのぐ展開になる中、左辺の折衝でポイントをあげ、最後は逆に左辺の黒を攻め込んだ。158手まで、白番中押し勝ち。井山が1勝を返し、スコアをタイに戻した。井山は「1日目は、厳しいと思っていた。2日目に入ってからも、はっきり判断ができていなかったのですが、あまりよくないと思って打っていた。優勢を意識したのは、最後の最後です。判断も読みも含めて分からないことだらけでした」と難戦を振り返り、一力は「85手目でもう少し頑張る手があったかもしれない。実戦は白地も多く、後の打ち方が難しかった」と敗因を分析した。3局目に向けて、井山は「ひとまず一つ勝てたことはよかったですけど、先は長いので、気持ちを新たにがんばりたい」、一力は「後半にミスが多かったので、そのあたりを修正して、次も精一杯がんばりたいと思います」と語った。第3局は、2月4、5の両日、長崎件西海市の「オリーブベイホテル」にて行われる。

囲碁ニュース [ 2022年1月18日 ]

一力先勝で、棋聖戦開幕

 10連覇がかかる井山裕太棋聖に、一力遼九段が挑戦する第46期棋聖戦七番勝負(読売新聞社主催)が開幕した。第1局は、1月13、14の両日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」で行われ、214手まで、白番の一力が中押し勝ちを収めた。昨年、無冠となったダメージが心配された一力だが、「ゼロからやり直すしかない」と力強く語り、落ち着きを取り戻したようだ。序盤、下辺の折衝で一力がポイントをあげるものの、井山がしぶとく食い下がり形勢は不明に。終始戦いが続き、互いに手筋を繰り出す見応えのある熱戦となった。コウ争いからの華やかなフリカワリを経て、上辺の白模様がどれだけまとまるかが最後の勝負所となり、両者残り1分の秒読みの中、一力が読み勝つ形で、井山の石を召し取り勝負を決した。一力は4連敗を喫した42期以来4年ぶりの挑戦。雪辱を果たすべく幸先のよいスタートに、「読めていたわけではなかったですが、取りにいくしかないので、最後、耐えていたのは運が良かった」と振り返り、第2局に向けては「コンディションを整えて頑張りたい」。敗れた井山は「少しでも良い状態で臨めるように、精一杯やりたいと思う」と語った。今期はどんなドラマが展開されるのか。第2局は、1月21、22の両日、千葉県勝浦市の「三日月シーパーク勝浦ホテル」にて行われる。

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