日本囲碁ニュース (十段戦)

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囲碁ニュース [ 2025年4月8日 ]

芝野、3連勝で十段復位

 井山裕太十段に挑戦者の芝野虎丸九段が二連勝して迎えた第63期十段戦五番勝負(大和ハウス工業株式会社特別協賛)の第3局が、4月3日、長野県大町市の「ANAホリデイ・インリゾート」で打たれた。序盤早々、左辺で黒番の芝野が仕掛けて戦いに突入するが、黒が攻められる展開となり、白がポイントをあげる。芝野は「左辺のワカレは大変にしてしまったと思っていた」と振り返ったが、井山は「実戦よりいい図があったのではないかと後悔があった」という。左辺の黒が生き、逆に白が攻められる展開に。中央で黒が白を分断して流れが変わり、二つの弱い石を攻めながら黒が優勢を築いた。ここから井山が巻き返していく。芝野は「勘違いもあり、後半はいろいろ分からない状態で打っていた」と混戦を振り返る。井山は「いけそうかなと思った局面もあったが、結果的には当初思い描いた図とはかけ離れたものになってしまった。もう少し何かいい図を選びたかったが、分からなかった」とし、逆転の機はないと見て投了を告げた。3連勝で十段に復位した芝野は「内容としては難しい碁が多かったですが、一応最後まで集中して戦うことができた」、井山は「チャンスの多い碁もあったと思うのですが、全体的にこちらのパフォーマンスがまずすぎた」とそれぞれシリーズを振り返った。芝野は昨年、挑戦手合に5回出場しながら全て敗退。井山には王座、碁聖の挑戦を退けられ、十段を奪還された。無冠を返上し「昨年の終わり頃はもうタイトルを取れないかもと思ったくらいなので、今までのどのタイトルよりも嬉しい」と喜びを語った。

囲碁ニュース [ 2025年3月4日 ]

芝野、十段戦白星発進

 井山裕太十段に、芝野虎丸九段が挑戦する第63期大和ハウス杯十段戦(産経新聞社主催)挑戦手合五番勝負が開幕した。前期、井山に十段位を奪われた芝野にとってはリベンジを期すシリーズとなる。第1局は3月3日、大阪府東大阪市の「大阪商業大学」にて打たれ、芝野が黒番中押し勝ちを収めた。序盤は、黒番の芝野が右辺の模様を大きく広げ、入ってきた白を迎え撃った。作戦通り厳しく白を攻め立てるが、井山のシノギが上回り、白が優勢を築く。井山は「どちらかというとやれる戦いかなと最初は思っていたのですが」、芝野は「やや苦しいと思っていた」と振り返る。中盤、攻防の中、井山の積極的な強気のツケが、やや打ち過ぎだったようだ。これを的確に咎めた芝野が中央の白の種石を取り、逆転する。「中央を取られた割に、それに見合った戦果があがらなかった」と井山。その後も芝野が少しずつポイントを重ね、2目半から3目半の差は縮まらず、井山を投了に追い込んだ。第2局に向け、芝野は「対局が続きますので、しっかり準備して戦いたい」と抱負を述べ、棋聖戦七番勝負と並行して番碁が続く井山は「とにかく自分が少しでもいい状態に臨めるように。そこだけです」と語った。第2局は、3月17日に和歌山市の「ダイワロイネットホテル和歌山」にて打たれる。

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