日本囲碁ニュース (名人戦)
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囲碁ニュース [ 2024年8月28日 ]
名人戦開幕。一力が先勝。
芝野虎丸名人に一力遼棋聖が挑戦する第49期名人戦の挑戦手合七番勝負(朝日新聞社主催)が開幕した。対局前日、3連覇を期す芝野は、「今、名人しか持っていないので、その意味でもこの七番勝負にかける気合いはかなりあります。一力さんは世界戦の応氏杯決勝でも2連勝して勢いに乗っており、いつにも増して厳しい戦いだと思いますが、相手のことを考えても仕方ないので、自分なりに準備して精一杯戦いたい」と抱負を述べ、初の名人位を狙う一力は、「これから大事な勝負が続き、日程的にも厳しくなりますが、一局一局に全力を尽くしたい」と語り、「ワクワクした気持ちでもある」と自信をのぞかせた。第1局は、8月27、28の両日に芝野の故郷である神奈川県相模原市の「杜のホールはしもと」で打たれた。白番の芝野の模様対、黒番の一力の実利という碁形から、一力が下辺の白模様に打ち込み、この攻防が一日目の争点となった。芝野の迫力の攻めに対し、一力が一歩も引かないサバキでしのぎ切り優勢を築く。一力は「深く入ったので、生きられれば形勢は悪くないかなと思っていた。手堅い生きもありましたが、もう少し頑張りました」と振り返る。芝野が封じて1日目を終え、2日目も険しい戦いが続いた。ネット解説の鶴山淳志八段は「黒が優勢を築きましたが、そこからの、芝野名人の難しく難しくして持っていった『妖術』も見事」と評した。一力も「一回でも間違えると一瞬で逆転する碁形なので、気を抜けない展開だった」と語る。戦いは、両者の深い読みにより難解さを増していったが、一力が正確な対応で中央もシノギ切り芝野の追撃を振り切ると、最後は左上と右辺の白への攻めを見合いにして黒番中押し勝ちとした。両者は、30日にも王座戦の挑戦者決定戦で顔を合わせる。一力は「体調を整えて、以降もしっかり臨みたい」とコメント。芝野は「今日は少し勉強したらすぐに寝てしまい、次に備えようと思います」とSNSに投稿した。第2局は、9月4、5の両日、宮崎県高原町の「極楽温泉匠の宿」にて打たれる。
囲碁ニュース [ 2024年7月31日 ]
一力、名人戦挑戦者に
芝野虎丸名人への挑戦権をかけた、第49期名人戦挑戦者決定リーグ戦(朝日新聞社主催)の最終一斉対局が、7月22日に打たれた。7月11日に余正麒八段との全勝決戦に勝利した一力遼棋聖が、最終局も富士田明彦七段に黒番中押し勝ちを収めて全勝を守り、3期ぶり2度目の挑戦者に名乗りをあげた。11日の一力・余戦は、両者の気迫がぶつかり合う険しい戦いの碁となった。一力は前日の夕方5時に「応氏杯世界選手権」が行われた中国から帰国したばかりで体力面が心配されたが、「今日までがんばるつもりでした」と疲れを全く感じさせない集中ぶりだった。余が優勢な時間も長かったものの、難戦を読み勝ち、決着をつけた。22日の富士田戦は、互いに荒らし合いながら、中盤までは白番の富士田がリードを奪っていた。だが、ヨセに入ったかと思われた局面から一力が左辺で大きなポイントをあげ、さらに下辺を手にして富士田を投了に追い込んだ。全日程を終え、余(7勝1敗)、井山裕太王座(6勝2敗)、許家元九段(5勝3敗)、山下敬吾九段(4勝4敗)の残留組が今期も残留を果たし、関航太郎九段、張栩九段、志田達哉八段、富士田は陥落となった。3連覇を期す芝野名人との七番勝負は8月27日、神奈川県相模原市の「杜のホールはしもと」にて開幕する。