日本囲碁ニュース (名人戦)

日本の囲碁ニュース・棋戦情報をお伝えします。
日本で行われている囲碁のイベントや棋戦情報を皆様にお伝えします。

囲碁ニュース [ 2021年10月19日 ]

一力が「名人」にあと一勝

 井山裕太名人に一力遼天元が挑戦する第46期名人戦挑戦手合七番勝負(朝日新聞社主催)の第5局が、10月12、13日に山梨県甲府市の常盤ホテルで行われた。2勝2敗となった本シリーズは、ここから三番勝負となる。序盤は、白番の井山が実利を取り、一力が模様を張る展開となった。一力は右辺の白を攻めながら、左辺一帯の模様を広げ、1日目の封じ手直前から、黒模様に入った白のサバキが焦点となった。2日目は左辺のコウ争いに突入。これを井山が解消し、右辺の白のシノギ勝負に出たが、一力が的確に白の大石を捕獲して勝敗を決した。今年の本因坊戦、碁聖戦に続き、カド番に追い詰められてから井山が巻き返してタイトル奪取へつなげるのか、一力が初の名人奪取を決めるのか、注目の第6局は、10月19、20の両日、数々の名勝負が繰り広げられた静岡県熱海市の「あたみ石亭」で行われる。

囲碁ニュース [ 2021年10月5日 ]

井山名人、快勝でタイに戻す

 井山裕太名人が先勝し、挑戦者の一力遼天元が二連勝して迎えた第46期名人戦挑戦手合七番勝負(朝日新聞社主催)の第4局は、9月28、29の両日、神奈川県箱根町の「強羅環翠楼」にて行われた。一日目は見応えのある右辺の攻防が展開された。まず、黒番の井山が右上で白を取り込みややリードを奪うが、その後一力が、取られた石を生還させつつ黒数子を取り込み白地に塗り替える。一力は「まずまずの進行かなと思っていた」、井山は「右辺の出来上がりは損をしたかな…自信がなかった」とそれぞれ「白よし」の感想だったが、AIの評価値は黒に軍配をあげていた。局後、これを知った一力はショックを受けていたという。この形勢判断が、直後の封じ手に影響を及ぼしたか。検討陣が誰も予想しなかった封じ手を、一力は「予定の行動ではなかった。何が正しかったのかわからない。苦しい戦いにしてしまったかなと思います」と振り返る。続く井山の応手を、新聞解説の林漢傑八段は「魔王の一手」と評した。「白1子に逃げ出すスキを与え、あえて白に弱い石を二つ作らせる作戦だったのではないでしょうか」。その後の左辺の攻防は、「一本道で、形勢が悪くなることはわかっていたが、他によい手がわからなかった」と一力。最後は白の大石に生きる手はあるものの、生きると地合いが足りない状況だったという。167手目まで黒番井山が中押し勝ちとし、対戦成績を2勝2敗のタイに戻した。第5局は、10月12、13日に甲府市の常盤ホテルで行われる。井山は「スコアのことは意識せず、自分なりに準備して臨みたい」、一力は「内容的にもう少しいい碁が打てるように、2週間あるので修正して臨みたい」とそれぞれ抱負を語った。

囲碁ニュース [ 2021年9月24日 ]

一力、名人戦2勝目をあげる

 井山裕太名人に一力遼天元が挑戦する頂上決戦――第46期名人戦挑戦手合七番勝負(朝日新聞社主催)の第3局が9月15、16の両日、愛知県田原市の「角上楼」で行われ、225手まで一力が黒番中押し勝ちを収めて対戦成績を2勝1敗とした。序盤は一力がリードを奪うが、上辺で始まった戦いが中央へと進展する中、井山の厳しい手から白が攻勢を奪う。井山は「よくなったと思った」、一力も「負けを覚悟した」と振り返る。だが、その後に井山が失速。「形の決め方がおかしかった。ぬるい手が何手かあったかもしれない」と井山。日本棋院のYouTube解説で六浦雄太七段は、「両者、大事な所を忘れていた」と指摘し、白は左下の黒模様の消しに回るのが急がれたようだ。結局、一力が左下の黒模様の守りに回ると、AIの勝率も一気に黒に傾いた。以降は逆転の機は訪れず、難戦に次ぐ難戦の一局を一力が制した。局後の井山は「七番勝負はまだ長いので、自分なりに準備をして精一杯臨むだけ」と言葉少なに語り、一力は「手拍子もあり、錯覚もあり、内容的にはまずかった。もっといい碁が打てるように」と次局に向けて気を引き締めた。第4局は、9月28、29の両日、神奈川県箱根町の「強羅環翠楼」にて行われる。

囲碁ニュース [ 2021年9月16日 ]

一力、タイに戻す

 井山裕太名人の先勝で迎えた第46期名人戦挑戦手合七番勝負(朝日新聞社主催)の第2局が、9月8、9の両日、福島県郡山市の「四季彩一力」で行われた。結果は306手まで、白番半目勝ち。コウの絡む難戦を、挑戦者の一力遼天元が制して、スコアを1勝1敗のタイに戻した。前夜祭では、挑戦者の一力が、旅館の名前に「親近感が持てる」と笑顔で語り、井山は、「どこかで聞き覚えがある名前」と笑わせ、「アウェイ感がある」とも語った。序盤から井山が積極的に仕掛け、左下の折衝では「愚形」をものともせず激しく攻め立てる展開に。これに一力が的確に応戦し、下辺のコウを解消して黒の大石を取った時点では、「少し打ちやすくなった」と一力、「少し大変だと思っていた」と井山がそれぞれ振り返る。だが「右上の黒地が大きくまとまったので、細かくなったかな、と」と井山。ただ「勝ちの図ははっきりとは見えなかった」という。一力は、勝ちを確認したのは「本当に最後の最後、半コウの形がなくなったことを確認したとき」と安堵の表情で振り返った。対局直後、井山は「(左下は)少し無理気味かとも思ったのですが」と苦笑しつつも、信念としている「打ちたい手を打つ」ことができたためか満足した表情。逆に一力の表情はかたく、「二日制の碁で初めて勝つことができホッとしている」と語った。好調の両者だけに、今後は精神力が問われる七番勝負となりそうだ。第3局は、9月15、16の両日、愛知県田原市の「角上楼」で行われる。

囲碁ニュース [ 2021年8月31日 ]

井山、名人戦初戦を制す

 井山裕太名人に一力遼天元が挑戦する第46期名人戦挑戦手合七番勝負(朝日新聞社主催)の開幕局が、8月26、27の両日、東京都文京区の「ホテル椿山荘東京」にて行われた。対局前日、解説の芝野虎丸王座は「読みは一力さんが勝り、井山さんは布石の構想力が勝る。井山さんは先行逃げ切りの碁が多いので、2日目より1日目が大事だと思います」とコメント。その1日目、黒番の一力が左下から下辺にかけて手厚く壁を築くが、左辺の黒模様の白1子を動き出した井山が巧みにサバいていく。その攻防で一力に後悔の手があったようだ。黒の厚みが期待したほど働かない碁形となり、井山が優勢を築いた。一夜明け、立会人の張栩九段は「今朝の一力さんの表情を見て安心した。過ぎたこと(失敗)は仕方ない、という覚悟が感じられる」と話し、「優勢な白はスキを与えず、劣勢の黒は一番勝負になる手を選び、両者見事」という2日目の戦いが始まる。一力は左辺の白を攻め、仕留めたかに見えた瞬間もあったが、井山はシノギの妙手を見ており、逆に黒を取って生還。ところが一力も代わりに右下の白を取る。深い読みの応酬によるフリカワリは互角に分かれた。ただし、1日目のリードがものを言い、212手まで、白番井山の中押し勝ちとなった。第2局は、9月8、9の両日に福島県郡山市の「四季彩一力」で行われる。

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