中国囲碁ニュース

中国の著名な棋戦情報をお伝えします。
中国からの囲碁ニュースを皆様にお伝えします。

棋声人語 [ 2026年4月6日 ]

王星昊九段、阿含・桐山杯日中対抗戦を制す

 日中両国で交互に開催されてきた阿含・桐山杯日中チャンピオン対抗戦は、本来であれば2025年の第26回大会を日本・京都の阿含宗総本山で行う予定だったが、2025年半ばに阿含宗が囲碁大会への協賛終了を発表。日中双方の阿含・桐山杯の継続が困難な状況となった。12月16日に行われた今回のチャンピオン対抗戦は「最後の一戦」となる可能性がある中、オンライン形式に変更し実施された。

 第26回阿含・桐山杯日中チャンピオン対抗戦に出場したのは、中国の優勝者・王星昊九段(21歳)と、日本の優勝者・一力遼九段(28歳)。一力九段はこれまでに3度この対抗戦に出場し、辜梓豪九段(27歳)、楊鼎新九段(27歳)、陳梓健八段(25歳)にそれぞれ敗れており、今回が雪辱戦。一方の王九段は、今回が初出場であった。

 対局はコロナ禍以降では久々となるオンライン形式で行われ、両対局者はそれぞれ北京の中国棋院と東京の日本棋院からリモートで着手した。一力九段は序盤から中盤にかけて優勢に立ったが、持ち時間各1時間を使い切った後の秒読み勝負で形勢が一変した。30秒の秒読みの中、若さあふれる王九段が勝機をつかみ、逆転勝ちを収めた。王九段はこれにより、最後となる可能性のある阿含・桐山杯日中チャンピオン対抗戦を制し、優勝賞金500万円(約22万元)を獲得した。

図1:対局中の王九段。
図1:対局中の王九段。
図2:中国側から見たオンライン対局の様子。
図2:中国側から見たオンライン対局の様子。

( 記事/写真:易非 )

棋声人語 [ 2026年3月30日 ]

金恩持九段、呉清源杯初優勝 韓国女子囲碁界の新時代を告げる

 現在、唯一開催されている女子囲碁国際戦である第8回呉清源杯世界女子囲碁オープン戦が、2025年12月2日から9日にかけて中国福建省福州市で行われた。8月の国際予選を経て、本戦には24名が出場。中国から前回準優勝の唐嘉雯七段(21歳)ら13名、日本からは前回優勝の上野愛咲美六段(24歳)ら4名、韓国からは歴代優勝者の崔精九段(29歳)ら4名、さらに中華台北、欧州、北米から各1名が出場した。

 中国勢は人数の上では圧倒していたものの、ハイレベルな直接対決では敗戦が相次いだ。李赫六段(33歳)、唐嘉雯七段はいずれも韓国の歴代優勝者・呉侑珍九段(27歳)に敗れ、陸敏全七段(26歳)、呉依銘七段(19歳)は日本の上野姉妹に屈した。さらに、中国女子囲碁界を支える於之瑩八段(28歳)、周泓余七段(23歳)の二人も、ともに韓国の金恩持九段(18歳)に敗れ、中国勢は一人も決勝に進出できなかった。

 日本の謝依旻七段(36歳)は予選から4連勝で本戦入りし、本戦1回戦でも同世代の中国の名手・王晨星五段(34歳)を破って健在ぶりを示したが、於之瑩八段に阻まれた。その後、藤沢里菜七段(27歳)、上野愛咲美六段も相次いで崔精九段に敗れたことで、第8回呉清源杯は、長年韓国女子囲碁界を牽引してきた崔精九段と、その後継者として期待される金恩持九段による決勝対決へと進んだ。

 三番勝負の決勝では、11歳年下の挑戦者である金恩持九段が第1局、第3局を制し、悲願の世界タイトルを初めて獲得した。韓国女子囲碁界の新時代の到来を告げる結果となった。

 呉清源杯の優勝賞金は50万元(約1200万円)、準優勝賞金は20万元(約500万円)である。

図1:決勝対局場の様子(左が金恩持九段、右が崔精九段)。
図1:決勝対局場の様子(左が金恩持九段、右が崔精九段)。
図2:中日韓三カ国の女子トップ棋士が集ったベスト4の記念写真(左から中国・周泓余七段、韓国・金恩持九段、韓国・崔精九段、日本・上野愛咲美六段)。
図2:中日韓三カ国の女子トップ棋士が集ったベスト4の記念写真(左から中国・周泓余七段、韓国・金恩持九段、韓国・崔精九段、日本・上野愛咲美六段)。

( 記事:易非 / 写真提供:sinaサイト )

棋声人語 [ 2026年3月19日 ]

中国女子囲碁甲級リーグ、成都チームが2連覇達成

図1:

 5月に開幕した第12回「中信杯」中国女子囲碁甲級リーグは、福建省武夷山、北京市門頭溝区、広東省茂名市での3度の集中開催と、10ラウンドのホーム・アンド・アウェー方式を経て、11月27日に茂名市で閉幕した。全18回戦終了後、陸敏全七段(26歳)、羅楚玥六段(24歳)、唐嘉雯六段(21歳)で構成される成都銀行チームは、周泓余七段(23歳)が率いる杭州雲林チーム、呉依銘七段(18歳)が主将を務める杭州マインドスポーツチームと勝ち点26で並んだ。しかし、成都チームは総勝局数が40局を挙げ、他チームを3勝以上上回る圧倒的な成績で優勝。リーグ2連覇を達成した。

 於之瑩八段(28歳)、李思璇六段(19歳)、王晨星五段(34歳)を擁する“8冠王”の江蘇チームは4位にとどまり、芮迺偉九段(62歳)が率いる古豪・上海チームは5位となり、いずれも往年の勢いを取り戻すことはできなかった。

 また、陳一鳴五段(33歳)は妊娠によりリーグ後半戦を欠場した広東チームは戦力を大きく落とし10位で最下位となり降格。9位の北京チームも同様に降格の憂き目を見た。北京チームの主将・李赫六段(33歳)は、2024年シーズンに山西チームの一員として降格を経験しており、今季も状況を覆すことはできなかった。

 2025年中国女子囲碁甲級リーグの賞金は、優勝70万元、準優勝35万元、3位20万元(それぞれ約1,500万円、800万円、500万円)である。

( 記事:易非 / 写真提供:sinaサイト )

棋声人語 [ 2026年3月10日 ]

廖元赫九段、三星杯初制覇

 中国囲碁界には、「辰年生まれの棋士は大成する」という言い伝えがある。聶衛平九段(73歳)、馬暁春九段(61歳)、常昊九段(49歳)、朴文垚九段(37歳)と各世代を代表する世界王者はいずれも辰年生まれで、12年ごとに系譜をつないできた。その流れを継ぐ2000年生まれの棋士たちは才能豊かで、「00年七小龍」と称され、謝科九段、李維清九段、丁浩九段、廖元赫九段、陳梓健八段、伊凌涛八段、蒋其潤八段ら逸材がそろう。中でも丁浩九段は2023~2024年に世界タイトルを3度獲得し、頭一つ抜けた存在となっている。

 2000年生まれの7人のうち最年少の廖元赫九段は、早くから名を知られていたものの、丁九段や国際戦で三度の準優勝を果たした謝科九段、さらに中国ランキングで常に上位に位置する李維清九段の後塵を拝してきた。2025年8月に開幕し、11月に本戦を一挙に消化する日程で行われた三星杯は、廖九段にとって自己の殻を破る舞台となった。

 8月、ソウルの韓国棋院で行われた予選では、中国の成家業五段(23歳)、韓国の李元道九段(36歳)と尹畯相九段(37歳)、中国の屠暁宇九段(22歳)を破り、4連勝で本戦進出を果たした。

 11月、済州島で始まった本戦では、中国女流の俊英・唐嘉雯六段(21歳)、韓国ランキング1位の申真諝九段(25歳)、中国の新鋭・傅健恒七段(19歳)、韓国ランキング2位の朴廷桓九段(32歳)に連勝し、決勝では、前2回の三星杯覇者である丁浩九段を2―0で完封。予選からの10連勝で一気に頂点に立ち、自身初の世界タイトルを獲得した。

図1:廖元赫九段、優勝トロフィーを掲げる。
図1:廖元赫九段、優勝トロフィーを掲げる。
図2:決勝戦会場。
図2:決勝戦会場。

( 記事:易非 / 写真提供:sinaサイト )

棋声人語 [ 2026年2月25日 ]

丁浩九段、倡棋杯と陽明杯を連続制覇

 中国の囲碁ファンから「冬の戦神」と称される丁浩九段(25歳)は、毎年気候が寒くなる時期に成績が一段と冴えわたる棋士として知られている。2025年もその強さを見せつけた。10月25日と11月3日、中国西南部の二大都市――四川省成都市と貴州省貴陽市で開催された第19回倡棋杯中国プロ選手権と陽明杯三国精英招待大会を相次いで優勝し、わずか1週間で2冠を獲得した。賞金はそれぞれ45万元、40万元(約1,000万円と900万円)。

 第19回倡棋杯は2月に北京で開幕され、4月にベスト4が出そろった。シードにより本戦から出場した丁浩九段は、彭立尭九段(33歳)、范廷鈺九段(29歳)、勢いに乗る新しい世界チャンピオンで前回優勝者の王星昊九段(21歳)を次々と破り、準決勝へ進出した。7月末、倡棋杯の準決勝はシンガポールで世界大学生囲碁選手権と併催され、丁浩九段は連笑九段(31歳)を2―0で退けた。もう一方の山でも、前回準優勝の芈昱廷九段(29歳)が李軒豪九段(30歳)を同じくストレートで下し、両者が決勝へ駒を進めた。決勝三番勝負は10月23日と25日に四川省成都市で行われ、丁九段の“冬の強さ”を前に芈昱廷九段は抗しきれず、2年連続で準優勝に終わった。

 続く陽明杯では、かつて貴陽に滞在した明代の思想家・王陽明(1472―1529)を記念して貴州省貴陽市が創設した新しい大会で、中国・日本・韓国の三国から16名の棋士が参加した。丁九段は勢いそのままに、韓国の李志賢九段(33歳)、地元・貴州省出身の唐韋星九段(32歳)、さらに中国の二大新星である王星昊九段と屠暁宇九段(22歳)も連破。わずか10日間で2冠を達成した。

図1:倡棋杯決勝戦会場。
図1:倡棋杯決勝戦会場。
図2:陽明杯決勝戦会場。
図2:陽明杯決勝戦会場。

( 記事:易非 / 写真提供:sinaサイト )

棋声人語 [ 2026年2月17日 ]

上海、三国女子リーグ制す 初代王者に

図1:

 中国では2013年に女子囲碁甲級リーグが創設され、韓国でも2015年に女子囲碁リーグがスタートしたが、日本は2024年になってようやく女子リーグの幕を開けた。そして三国のリーグ王者・上位チームによる初の交流戦「三国女子囲碁リーグ頂上決戦」が、10月25日と27日に四川省成都市青白江区で開催された。中国からは2024年シーズンの優勝・準優勝チームである成都チームと上海チーム、韓国優勝の保寧(ボリョン)チーム、日本優勝の囲碁・将棋チャンネルチームを招きが出場し、新たな国際交流の舞台が実現した。

 大会は2024年シーズンの登録メンバーをそのまま採用して行われ、韓国トップ女流棋士の呉侑珍九段(27歳)は引き続き成都チームで出場。一方、2025年に成都チームへ移籍した中国の唐嘉雯六段(21歳)は、「古巣」である上海チームの一員として参戦した。

 第1回戦では、成都チームが呉侑珍九段と陸敏全七段(26歳)の勝利により、2対1で韓国の保寧チームを下した。日本の囲碁・将棋チャンネルチームは、星合志保四段(28歳)が唐奕五段(36歳)に逆転勝ちを収めたものの、藤沢里菜七段(27歳)と徐文燕二段(20歳)がそれぞれ唐嘉雯六段、芮迺偉九段(62歳)に敗れ、決勝進出を逃した。

 決勝戦は中国勢同士の対決となり、唐嘉雯六段が古巣を代表して呉侑珍九段を破る活躍を見せ、さらにベテランの芮迺偉九段も趙奕斐五段(25歳)を下し、上海チームが2対1で勝利した。上海チームは囲碁史上初となる開催された三国女子囲碁リーグの初代王者の座に就いた。

 3位決定戦では、保寧チームが2対1で囲碁・将棋チャンネルチームを破り、3位となった。賞金は上位から順に30万元、20万元、12万元、10万元(約700万円、400万円、300万円、200万円)である。

( 記事:易非 / 写真提供:sinaサイト )

棋声人語 [ 2026年2月12日 ]

中国、聶衛平杯を落とす 韓国が初優勝

 第7回聶衛平杯日中韓囲碁マスターズ戦は10月25日、26日の両日、四川省成都市「杜甫草堂」で開催された。大会はこれまで通り、40歳以上の「中年組」と20歳以下の「青年組」に分かれて実施され、各組優勝者が総合決勝で対戦。優勝賞金は20万元、準優勝賞金は15万元(約450万円、300万円)である。

 出場枠は各組とも中国4人、日本・韓国から各2人。10月25日午前の初戦では、極めて異例の出来事が起こった。近年は公式戦に出場していない中国の「元老」棋士、周鶴洋九段(49歳)、羅洗河九段(48歳)、古力九段(32歳)、胡耀宇八段(33歳)の4人全員が勝利を収めた。古力九段と羅洗河九段に至っては、韓国の第一線で活躍し続けている長年のライバル、朴永訓九段(40歳)と睦鎮碩九段(45歳)を敗けた。若き頃に築いた実績と存在感の大きさを、改めて示す結果となった。

 一方、優位が予想された青年組では中国の鄭載想七段(20歳)、傅健恒七段(19歳)、胡子豪六段(19歳)、呉依銘七段(19歳)の4人全員が敗れた。対局数が少ない中年組が全勝し、対局数が多い青年組が総崩れとなる対照的な結果に、会場からは驚きの声が上がった。

 最終的に青年組は韓国勢同士の決戦となり、韓国の金升珍七段(19歳)が朴只玹七段(20歳)を破り代表に決定。総合決勝では前回優勝者の胡耀宇八段を3/4子の差で下し、韓国勢としては聶衛平杯が個人戦に改編されて以降、初の優勝を果たした。

図1:決勝対局の様子。
図1:決勝対局の様子。
図2:福岡航太朗七段(19歳)が、2019年に東京で開かれたペア碁俊英ドリームマッチで対戦した胡子豪七段を破った。
図2:福岡航太朗七段(19歳)が、2019年に東京で開かれたペア碁俊英ドリームマッチで対戦した胡子豪七段を破った。
図3:桑原樹二段(17歳)が、唯一の女性出場棋士である呉依銘六段(19歳)に逆転勝ちを収めた。
図3:桑原樹二段(17歳)が、唯一の女性出場棋士である呉依銘六段(19歳)に逆転勝ちを収めた。
図4:日中囲碁スーパー戦で中国の囲碁ファンによく知られている小松英樹九段(58歳)は、周鶴洋九段に一時優勢を築いた。
図4:日中囲碁スーパー戦で中国の囲碁ファンによく知られている小松英樹九段(58歳)は、周鶴洋九段に一時優勢を築いた。
図5:四川囲碁界の元老、陳安斉六段(77歳)が、古力九段と羅洗河九段の対局を現地で観戦。
図5:四川囲碁界の元老、陳安斉六段(77歳)が、古力九段と羅洗河九段の対局を現地で観戦。
図6:依田紀基九段(59歳)が成都の武侯祠を訪れ、関羽像の前でしばし足を止めた。
図6:依田紀基九段(59歳)が成都の武侯祠を訪れ、関羽像の前でしばし足を止めた。

( 記事/写真:易非 )

棋声人語 [ 2026年2月6日 ]

4年に一度の中国運動会、広東省深圳で開催

 4年に一度開催される中国運動会の囲碁種目は、男子団体、女子団体、男子プロ、女子プロ、男子アマチュア、女子アマチュア、アマチュアペア碁の7部門で実施された。9月に上海市奉賢区と浙江省衢州市で予選が行われ、10月18日から21日まで広東省深圳市で決勝が行われた。1日に3局の超早碁という過酷なスケジュールのため、“早打ち”で知られる李欽誠九段(26歳)が男子プロの金メダルを獲得した。女子プロの金メダルは李思璇六段(19歳)が獲得。

 囲碁は中国運動会の正式競技種目ではなく、群衆種目として位置づけられているため、7部門のうち多くでアマチュアの出場比率が高いのも特徴だ。男子アマはベテラン強豪の王琛7段(33)が制した。女子アマは、王アマと同じく上海代表の「天才少女」徐亦辰6段(12歳)が頂点に立ち、将来が非常に期待されている。アマチュアペア碁では山東代表の王本東7段・彭楽怡6段ペアが優勝した。

 大番狂わせは団体戦で起こった。開催地・広東チームの傅彧8段(24歳)が、優勝候補である上海チーム主将、中国ナンバーワンの王星昊九段(21歳)を破り、その勢いのまま広東チームを頂点へ導いた。また、アマチュアがプロのトップ棋士を打ち負かす例も数多く見られ、AI時代を迎え、囲碁の実力においてプロとアマの間にかつてのような絶対的な隔たりはもはや存在しないことを、強く印象づける結果となった。

図1:決勝は新設された深圳棋院で行われた。
図1:決勝は新設された深圳棋院で行われた。
図2:男子プロ金メダルの李欽誠九段と男子アマチュア金メダルの王琛7段は、予選と決勝で2局対戦し、1勝1敗の五分に終わった。
図2:男子プロ金メダルの李欽誠九段と男子アマチュア金メダルの王琛7段は、予選と決勝で2局対戦し、1勝1敗の五分に終わった。
図3:李思璇六段が最大のライバルである唐嘉雯六段(21歳)を破った。
図3:李思璇六段が最大のライバルである唐嘉雯六段(21歳)を破った。
図4:対局に臨む徐亦辰6段。
図4:対局に臨む徐亦辰6段。

( 記事/写真:易非 )

棋声人語 [ 2026年1月26日 ]

柯潔九段、復帰で棋聖三連覇達成

 中国囲碁棋聖戦は1998年から2001年まで上海市で3回開催され、2012年に河南省洛陽市で再開された。当初は龍門石窟景区が冠スポンサーとなり2014年までに2回開催。その後は白雲山風景区が冠名を引き継ぎ2017年から2021年まで3回開催された。2025年には、洛陽のもう一つの景勝地である老君山がその役目を継承し、中国における「棋聖」という最高位の称号の灯を守り続けている。

 初めの3回の棋聖戦の優勝者は常昊九段(49歳)、周鶴洋九段(49歳)、兪斌九段(58歳)で、いずれもすでに第一線を退いている。洛陽での開催以降は周睿羊九段(34歳)が2連覇し、連笑九段(31歳)が1回優勝した。2019年には柯潔九段(28歳)が挑戦に成功し、2連覇を達成。2025年、棋聖戦は再び幕を開け、中国のプロ棋士たちが柯棋聖への挑戦権を競い合った。ちなみに、優勝賞金は60万元、準優勝賞金は20万元(約1300万円、450万円)。

 7月21日から25日に北京で選・本戦が行われ、8月13日、14日に新疆ウシュで挑戦者決定戦が実施された。屠暁宇九段(21歳)は予選からスタートし、王裕子三段(35歳)、陳正勲八段(28歳)、趙晨宇九段(26歳)、廖元赫九段(24歳)、許嘉陽九段(25歳)、羋昱廷九段(29歳)、謝科九段(25歳)を次々と破り、7連勝を達成した。

 柯九段は2025年初めのLG杯決勝を巡る騒動以降、囲甲リーグ戦の一部を除き、他のすべての公式戦を辞退していた。今回、本棋戦には前回王者としてエントリーしたが、若き挑戦者を相手に下馬評は決して高くなかった。しかし、9月26日から28日、霧に包まれた老君山山頂で行われた三番勝負で、柯九段は圧巻の内容で三番勝負の第1局と第3局を制し、棋聖三連覇を成し遂げた。

図1:北京で行われた予選会場。
図1:北京で行われた予選会場。
図2:準決勝戦、挑戦者決定戦は新疆ウシュのナショナルチーム合宿期間中に行われた。
図2:準決勝戦、挑戦者決定戦は新疆ウシュのナショナルチーム合宿期間中に行われた。
図3:決勝戦は河南洛陽・老君山で打たれた。
図3:決勝戦は河南洛陽・老君山で打たれた。
図4:柯九段、屠九段は老君山がある欒川県の「文化観光体験アンバサダー」に任命された。
図4:柯九段、屠九段は老君山がある欒川県の「文化観光体験アンバサダー」に任命された。

( 記事/写真:易非 )

棋声人語 [ 2026年1月17日 ]

党毅飛九段、衢州爛柯杯初制覇 8年ぶりの世界タイトル

 第3回衢州爛柯杯世界囲碁オープン戦が6月末に開幕された。新型コロナウイルス禍以降、中国で初めて公開予選を再開した国際棋戦として注目を集め、377人もの参加者が「世界囲碁の聖地」を目指す浙江省衢州市に集結した。国際予選では31名が本戦進出を決め、地元中国勢が23枠を獲得。これにシード選手を加えると、本戦48強の過半数を中国勢が占めた。

 本戦の最初の2回戦は7月1日、2日に行われ、10月8日からはベスト16戦が開催された。衢州爛柯杯の第1回準優勝、第2回優勝の申真谞九段は中国の陳浩六段(31歳)、廖元赫九段(24歳)、柁嘉熹九段(34歳)、范胤八段(27歳)を破り、順当に決勝へ進出した。「申AI」と称される申真諝九段の圧倒的な力に対する畏敬から、決勝進出が決まった時点で中国側には重苦しい空気が漂った。

 しかし、30歳を超えたベテランの党毅飛九段(30歳)は、逆境を覆す闘志を見せ、若手中心の戦場で気迫あふれる戦いを展開し、申旻埈九段(26歳)、李軒豪九段(30歳)、許嘉陽九段(25歳)、李欽誠九段(27歳)を次々と撃破。10月12日から15日に行われた決勝三番勝負では、党九段は全力を尽くし、第一局と第三局を黒番で勝利を収め、最強の後輩を退け、8年ぶりに世界チャンピオンの座を獲得した。

 衢州爛柯杯の優勝賞金は180万元、準優勝賞金は60万元(約4000万円、1300万円)。

図1:決勝戦は衢州の「爛柯」特別対局室で行われた。
図1:決勝戦は衢州の「爛柯」特別対局室で行われた。
図2:党毅飛九段がトロフィーを掲げる。
図2:党毅飛九段がトロフィーを掲げる。
図3:中国で国際公開予選が開催されるのは6年ぶり。
図3:中国で国際公開予選が開催されるのは6年ぶり。
図4:予選のシニア組では、芮乃偉九段(61歳)と劉昌赫九段(59歳)による往年を思わせる顔合わせが実現した。
図4:予選のシニア組では、芮乃偉九段(61歳)と劉昌赫九段(59歳)による往年を思わせる顔合わせが実現した。

( 記事/写真:易非 )

棋声人語 [ 2026年1月12日 ]

李軒豪九段、大棋士のタイトルを防衛

 広東省深圳市宝安区が後援する中国囲碁大棋士戦は、2025年の第5回大会を9月17日から24日まで深圳で実施し、予選から決勝までを同一期間・同一開催地で一気に打ち切ることとなり、棋士の体力が大いに試されることとなった。

 4回戦の予選と5回戦の本戦を経て、9月23日、24日に準決勝と決勝が行われた。風「ハグピート」の接近により、当初ビアタウンで予定されていた対局は、宿泊先のホテル内へ変更して実施される異例の展開となったが、無事に全日程を終えた。

 予選で最大の注目を集めたのは、於之瑩八段(27歳)。彼女は陳昱森六段(27歳)、胡子豪六段(18歳)、李昊潼八段(21歳)、陳一純六段(23歳)という4名の男性棋士を連破し、大棋士戦史上初めて本戦に進出した女流棋士となった。また、中国囲碁のオープン棋戦制度において、性別を問わない男女混合予選から本戦に進出した初の女流棋士でもある。しかし、本戦1回戦で於八段は国際戦優勝経験者の楊楷文九段(28歳)に敗れた。

 前期優勝者の李軒豪九段(30歳)はシードで本戦の準々決勝から出場。屠暁宇九段(21歳)、辜梓豪九段(27歳)、謝科九段(25歳)を退け、大棋士のタイトルを防衛した。優勝・準優勝賞金はそれぞれ50万元、20万元(約1100万円、430万円)である。

図1:決勝戦の様子。左は謝科九段、右は李軒豪九段。
図1:決勝戦の様子。左は謝科九段、右は李軒豪九段。
図2:本戦で対局する於之瑩八段(右)と楊楷文九段。
図2:本戦で対局する於之瑩八段(右)と楊楷文九段。

( 記事:易非 / 写真提供:sinaサイト )

棋声人語 [ 2026年1月5日 ]

王星昊九段、阿含・桐山杯初優勝 半年で四冠の快進撃

 中国第26期阿含・桐山杯早碁オープン戦は5月10日、北京の中国棋院で開幕した。5回戦の予選、3回戦の本戦を経て、6月6日に決勝進出者2名が決定。ともに初の決勝進出となった党毅飛九段(30歳)と王星昊九段(21歳)が激突した。

 両者ともシードで本戦から出場し、本戦で党九段は新鋭の屠暁宇九段(21歳)、前期優勝の陳梓健八段(24歳)、中国第一人者の丁浩九段(24歳)を破った。一方、王九段は蒋其潤八段(24歳)、許嘉陽九段(25歳)、李欽誠九段(26歳)という実力派3名を次々と退けた。

 決勝は9月17日、江西省景徳鎮市で行われた。陶磁器の名産地として知られる地で、若き王星昊九段が中盤で党毅飛九段を圧倒し、阿含・桐山杯初優勝を飾った。12月には日本の優勝者である一力遼九段(28歳)とインターネット上で中日優勝者対抗戦を行う予定である。中国阿含・桐山杯の優勝・準優勝賞金はそれぞれ20万元、8万元(約430万円、170万円)である。

 阿含・桐山杯優勝の二週間後の10月2日、王星昊九段は韓国の全羅南道新安郡で行われた第11回国手山脈杯世界最強戦に出場。韓国の朴廷桓九段(32歳)、朴常鎮九段(24歳)、安成浚九段(34歳)を連破し、世界タイトルを獲得した。王九段は4月に相次いで北海新繹杯世界囲碁オープン戦と中国天元戦を制しており、半年で四冠を達成。21歳の新鋭が一気に世界の頂点へ駆け上がった。

図1:中国第26期阿含・桐山杯決勝戦の様子。左が王星昊九段、右が党毅飛九段。
図1:中国第26期阿含・桐山杯決勝戦の様子。左が王星昊九段、右が党毅飛九段。
図2:王星昊九段が第11回国手山脈杯の優勝トロフィーを受け取る様子。
図2:王星昊九段が第11回国手山脈杯の優勝トロフィーを受け取る様子。
図3:会場では王汝南八段(79歳)と王祥雲四段(35歳)による大盤解説が行われ、多くの地元ファンが耳を傾けた。
図3:会場では王汝南八段(79歳)と王祥雲四段(35歳)による大盤解説が行われ、多くの地元ファンが耳を傾けた。
図4:阿含・桐山杯は中国のプロ・アマ問わず全員に参加資格がある。今大会、アマチュア勢の勝利はなかったものの、女流棋士の王晨星五段(34歳)が目覚ましい活躍を見せ、楊楷文九段(27歳)、陳家瑞五段(15歳)、厳歓七段(35歳、右)を連破。残念ながら予選最終戦で李維清九段(25歳)に敗れたものの、女流棋士として過去20年間で阿含・桐山杯における最高成績を収めた。
図4:阿含・桐山杯は中国のプロ・アマ問わず全員に参加資格がある。今大会、アマチュア勢の勝利はなかったものの、女流棋士の王晨星五段(34歳)が目覚ましい活躍を見せ、楊楷文九段(27歳)、陳家瑞五段(15歳)、厳歓七段(35歳、右)を連破。残念ながら予選最終戦で李維清九段(25歳)に敗れたものの、女流棋士として過去20年間で阿含・桐山杯における最高成績を収めた。

( 記事/写真:易非 )

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