日本囲碁ニュース (本因坊戦)

日本の囲碁ニュース・棋戦情報をお伝えします。
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囲碁ニュース [ 2021年7月13日 ]

本因坊文裕、10連覇達成

 本因坊文裕(井山裕太本因坊)が、10連覇の偉業を達成した。史上タイ記録の10連覇か、50年ぶりの最年少記録達成か、どちらが勝っても大記録となる第76期本因坊戦七番勝負(毎日新聞社主催)の第7局が、7月6、7の両日、山梨県甲府市の「常盤ホテル」で行われ、180手まで、白番の文裕が挑戦者の芝野虎丸王座を中押し勝ちで退けた。二十五世本因坊治勲(趙治勲二十五世本因坊)の大記録に並んだ文裕は、翌日「新聞を見たりして、一つ大きなことを達成できたという実感がわいてきた」と語った。今シリーズは初戦で勝利した後、いずれも大石を取られる内容で3連敗を喫した。「防衛をあきらめた」と文裕は振り返る。だが、「負けた3局はいずれも自分のミスを芝野王座に的確に咎められた内容。自分のパフォーマンスをあげていけば、何とかなる」と気持ちを切り替えたという。第4局の翌日に、非公式戦ながら中国甲級リーグの対局で強敵、謝科九段に勝ったことも自信回復につながった。「第4局の直後であることは伝えてあり、それでもかまわない、力を貸してほしいと言ってくれた。自分のためではなく、誘ってくれたチームに貢献したいという思いが強く、無欲になれた」と井山。決断の一手から戦い抜いて勝ち切った一勝が、今シリーズの流れも変えたようだ。第7局は、右辺の黒模様で、白がシノぐ展開となった。ただシノぐだけでは勝ち切るまで難しいと判断した井山は、手を抜いて地を稼ぎ、「取りにこい」と勝負をかける。「3連敗」の碁が頭をよぎったファンもいただろう。だが、今回は芝野の本気の取りかけもかなわず、井山がシノぎ切り、その後も緩まずに勝負を決めた。芝野は「また勉強し直して、戻って来られるように頑張ります」と語った。記録が並ばれた二十五世本因坊治勲は「僕の10連覇は終着駅になりましたが、井山さん、あなたの10連覇はただの通過駅です。次の停車駅は20連覇ですか?」とエールを贈った。

囲碁ニュース [ 2021年6月21日 ]

本因坊文裕(井山裕太本因坊)、踏み留まる

 3連勝して勢いに乗る挑戦者の芝野虎丸王座が一気に奪還を決めるのか、本因坊文裕が1勝を返して10連覇に望みをつなぐのか――注目の第76期本因坊戦七番勝負(毎日新聞社主催)の第5局が、6月21、22の両日、長野県松本市の「松本ホテル花月」で打たれた。結果は、218手まで、井山が白番中押し勝ちし、対戦成績を2勝3敗と戻した。本シリーズは、初戦で井山が勝利した後、第2局から、6月10、11日に福岡県北九州市の「アートホテル小倉ニュータガワ」で打たれた第4局まで、芝野が3局続けて井山の大石を取っての中押し勝ち。内容的にも、井山の不調が心配されて迎えた第5局だった。だが、白番の井山がやや打ちやすい形勢で一日目を終え、二日目、右辺でコウが始まり難戦となり一時は芝野が盛り返したが、「上辺で仕掛けていった手からおかしくした」と芝野。芝野の追い上げを振り切っての力強い勝利だった。井山は「上辺をそれなりに取り込めて、よくなったと思ったが、勝ちが分かったのは右辺の決着がついたあたりでした」と振り返る。解説の山下敬吾九段は「本局は本因坊にほとんど悪いところがなく、本来の強さが戻った感じがした」とコメントし、シリーズから目が離せなくなってきた。敗れた芝野は「シリーズの成績のことは気にせずに、集中して打てたらいいかなと思います」、井山は「前局まではまず過ぎたので、一つ返せたことはすごく自分としては大きいですけど、まだまだ厳しい状況ですので、また自分なりに準備して、自分の打ちたい手というか、自分なりの碁が打てればと思います」とそれぞれ抱負を語った。第6局は、29、30の両日、三重県鳥羽市の「戸田家」にて行われる。

囲碁ニュース [ 2021年6月3日 ]

芝野、本因坊戦2連勝

 本因坊文裕(井山裕太本因坊)が初戦を制してスタートした、第76期本因坊戦七番勝負(毎日新聞社主催)は、第2局、第3局をいずれも挑戦者の芝野虎丸王座が大石を取って中押し勝ち。スコアを2-1とリードした。
 5月24、25の両日、秋田県能代市の「旧料亭金勇」で打たれた第2局は、井山が「一日目からいくつか後悔の手があった」と振り返る。二日目に入り、「どちらかが大きく死んで直ぐに終わってしまうのではと心配なくらい、両者踏み込んでいる」(三村智保九段)などの評からもわかる険しい戦いは、井山の黒の大石が死んで決着。二日制の対局では珍しい、午前中の終局となった。
 1勝1敗で迎えた第3局は、6月1、2の両日、大阪府守口市の「ホテル・アゴーラ大阪守口」で行われた。序盤から井山が積極的に仕掛け、芝野が冷静に対応していく展開。二日目に入ると、井山は各所の形を決めた後、黒模様の中の白石のシノギに向かった。芝野は、生きられては地合いで足りないと判断し、大石を取りにいく。息詰まる「攻めとシノギ」の接近戦が延々と続き、ついに井山が投了を告げた。芝野は「1日目に打ちにくくしたと思った」そうだが、「右辺での白の眼がなくなった時に正しく打てていると思った」と自信をのぞかせる。「次も集中して打ちたい」と語った。敗れた井山は、「形はやれると思っていたが、進んでみてはっきりとシノギが見えなくなった」と脱帽した様子。「次はしっかりとコンディションを整えて臨みたい」と心機一転を誓った。
 井山がシリーズの成績をタイに戻すのか、芝野が一気に王手をかけるのか。第4局は、10、11の両日、北九州市の「アートホテル小倉ニュータガワ」で行われる。

囲碁ニュース [ 2021年5月13日 ]

本因坊文裕が初戦を制す

 第76期本因坊戦七番勝負(毎日新聞社主催)が開幕した。本因坊文裕(井山裕太本因坊)の10連覇なるか。挑戦者の芝野虎丸王座がこれを阻止するか。注目の第1局は5月11、12の両日、群馬県高崎市の「旧井上房一郎邸」で行われ、184手まで、井山本因坊が白番中押し勝ちを収めた。互いに模様を張り合い、荒らし合う進行となった本局は、やや井山優勢から芝野が盛り返し、一日目が終わるころには互角の形勢。二日目に入ってからも石の張った好勝負が展開された。井山は「右辺の黒地を荒らしてまずまずかなと思った」、芝野は「右辺を荒らされたとき、厳しい手を選ばないといけなかった」と振り返る。現地大盤解説をつとめた本木克弥八段は、下辺の攻防で井山から見て先手ゼキにした時点で黒が優勢に立ったという。その後、芝野が目一杯に囲ったが、持ち時間を残していた井山が絶妙な打ち回しで黒地に手をつけ、成功させて、芝野を投了に追い込んだ。井山の読みの鋭さが印象に残る一局となった。井山は「始まったばかり。次もしっかり準備して悔いのないよう戦いたい」、芝野は「切り替えて次も集中して打ちたい」と話した。第2局は5月24、25の両日、秋田県能代市の「旧料亭金勇」で行われる。

囲碁ニュース [ 2021年4月6日 ]

芝野、2年連続の本因坊挑戦者

 10連覇を期す本因坊文裕(井山裕太本因坊)への挑戦権をかけた第76期本因坊戦リーグ(毎日新聞社主催)は、4月2日に最終一斉対局が打たれた。4名が可能性を残していたが、1敗で単独トップだった芝野虎丸王座が羽根直樹九段を破り、2年連続の挑戦権を獲得した。最終戦績で2敗の許家元八段、一力遼天元と3敗の羽根が残留。今期リーグ入りを果たした黄翊祖九段、鶴山淳志八段、佐田篤史七段、大西竜平七段の4名が陥落となった。
 注目の芝野・羽根戦は、序盤、左下で、羽根の様子伺いの一手に芝野が最強手で応じて険しい攻防に突入し、早くも勝負所を迎えた。羽根は「攻め合いでひどい読み違い、錯覚があった」と振り返る。芝野はここで読み勝ち、さらに右下も大きく取り込んで、羽根を投了に追い込んだ。97手まで、黒番芝野の中押し勝ち。過去は芝野から見て2勝6敗と苦手にしていたが、気合いのこもった積極策が実を結んだ。リーグを振り返り、「令和三羽ガラス」の許に敗れた後、一力に勝って、挑戦者を意識するようになったという。「井山先生には、昨年本因坊戦と名人戦でやられているので(いずれも、1勝4敗)、リベンジしたい気持ちはありますが、結果にはこだわらずに臨みたい」と抱負を語った。趙治勲名誉名人と並ぶ、井山の10連覇がなるか、芝野のリベンジがかなうのか。注目の七番勝負は、5月11日に群馬県高崎市にて開幕する。

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