日本囲碁ニュース (本因坊戦)

日本の囲碁ニュース・棋戦情報をお伝えします。
日本で行われている囲碁のイベントや棋戦情報を皆様にお伝えします。

囲碁ニュース [ 2022年5月12日 ]

本因坊戦、歴史的名局で開幕

 本因坊文裕(井山裕太本因坊)に、一力遼棋聖が挑戦する第77期本因坊戦七番勝負(毎日新聞社主催)が開幕した。第1局は、石川県金沢市の「金渓閣」で5月10、11の両日に打たれ、本因坊戦七番勝負史上最多の357手までの大熱戦を、井山が黒番半目勝ちとし、11連覇へ向けて好スタートをきった。一日目の立ち上がりから、布石はなく戦いに突入し、両対局者も「そもそもよくわからない」(井山)、「手さぐりの状態」(一力)と振り返る展開となる。井山が「左下が生還したが、全局的に薄く、今一つかなと思っていた」という状態で一力が封じた。二日目も「一手先も見えない戦いが続いた」と井山。日本棋院公式YouTubeで解説をつとめた立合の羽根直樹九段と「幽玄の間」の解説も兼任していた高尾紳路九段も、「どこまでいっても難しい」と驚きをまじえながら見守っていた。一日目、二日目の午前あたりまではAIの評価は白番の一力を優勢としていたが、井山の反撃で逆転する。「中央から右下の黒に食いつける展開になって少し盛り返した」と井山。一力は、「中盤、方針が定まらず、かなりちぐはぐになってしまった」と反省する。AIの評価が80%代で井山優勢を示しても、羽根・高尾両解説者は「互角」の評価だった。終盤、上辺で白の切りが入った瞬間に、白の評価が90%代に高まる。井山は、この切りを「見えていなかった」と振り返った。対局中も首を傾げ、身体をよじる様子が映し出され、白勝ちが想像された。だが、ここから起死回生の一手をひねり出す精神力はさすが。高尾九段は「勝着」と呼び、井山も「一応、コウになって、それなりに難しくなった」と手応えを持ったようだ。だが、その後もコウ争いの場を何回も移しながらの難戦が延々と続く、まさに頂上決戦の名にふさわしい大熱戦となった。高尾九段は「歴史的大熱戦」、「歴史的名局」とし、井山が半コウをついで半目勝利した終局時には「両者に拍手を送りたい」と賛辞を送った。第2局に向け、井山は「自分なりにコンディションを整え、精一杯やりたいと思います」、一力は「もう少しいい内容の碁を打てるようにがんばります」と語った。その第2局は、5月24、25の両日、埼玉県熊谷市の「熊谷ラグビー場」にて行われる。

囲碁ニュース [ 2022年4月5日 ]

一力が本因坊挑戦者に

 本因坊文裕(井山裕太本因坊)への挑戦権をかけた第77期本因坊戦リーグ(毎日新聞社主催)の最終一斉対局が3月31日に打たれ、全勝の余正麒八段は芝野虎丸九段に敗れ、一力遼棋聖は佐田篤史七段に勝ち一敗で並んだ。両者のプレーオフは4月4日に打たれ、一力が白番中押し勝ちを収めた。序盤から一力がポイントをあげて優勢を築き、そのままつけ入る隙を与えぬ快勝。余はつらそうに投了を告げた。余は「リーグ全体を通しては自分なりに頑張れました」と語ったが、一力、許家元十段の強敵を降しながら、最終局で半目負け。プレーオフでは力を出し切れない無念の敗退となった。一力は、これまで本因坊リーグでは一つの黒星に泣くことが多く、「三大タイトルのリーグは、全勝しなければ挑戦者になれない」と語るようになっていた。昨年の名人戦リーグ、棋聖戦Sリーグはいずれも全勝で挑戦権を獲得。それゆえ「リーグ戦で1敗したときは、挑戦は厳しいかなと思っていた」と振り返る。「プレーオフまできて、そのチャンスをものにすることができ、ホッとしています」と静かに喜びを語った。一力の本因坊戦挑戦は初。また、名人戦、棋聖戦、本因坊戦と連続して三大タイトルで同一カードが組まれるのは史上初。井山の11連覇が成るか、一力がこれを阻み世代交代をすすめるのか。両者の七番勝負は、5月10、11日に、石川県金沢市の「金渓閣」にて開幕する。

バックナンバー