●11日目…定石について
[5]小目の定石-一間ガカリ-ツケ引き、受け
星と並んでよく打たれているのが小目です。白からの主なカカリはaの一間高ガカリbの小ゲイマガカリ、cの大ゲイマガカリです。この3種類に対する基本定石をいくつか覚えておけば、実戦でもすぐに役に立ちます。
白1のカカリに対して、黒のよく打たれている受け方はaのハサミ、bのツケ、cのケイマの3通りです。中でももっともよく打たれている、bのツケから覚えておきましょう。
【定石1】
白1に黒2、4のツケ引きから黒6とトンで隅の実利を確保し、白7と上辺にヒラいて一段落です。白7は左上に白がいるような状況の場合、白aと高くヒラくのも有力です。隅の黒はしっかりした形なので、このあとの右辺の価値は小さくなります。
黒1のツケに白2とハネ出してきたら黒3と切ります。白4とアテられても黒5とノビれば、次に黒aには白b、黒bには白aで黒は取られることはありません。白2のハネ出しは無理手です。
白が3図白5のツギを手抜きした場合、黒1と切るのが大きな手です。白は後に白2、4と打つのが一つの方たちです。高段者になれば黒1で上辺をハサむような工夫をすることもありますが、まずは黒1の切りが大きな手であることを覚えてください。
白1のツギに対して、黒2と上辺をヒラくのは白3とツケられます。黒4から白13までは一つの形ですが、黒は低位に押し付けられ、白は厚くなりますから、特殊な状況をのぞいて、3図黒6のトビを手抜きするのはよくありません。
【定石2】
白1から黒4までは3図と同じですが、ここで白5とカケツぐのもよく打たれている定石です。同じく黒6とトビ、白7と一路広くヒラきます。プロの世界ではいろいろと工夫されている形ですが、まずは3図と本図の定石を覚えましょう。
白1、黒2のときに白3から5と打ってくる可能性があります。このあと黒aと打てば大ナダレ定石、bとハネれば小ナダレ定石となりますが、そのように打つと、高段者でも理解するのことができないほど、難解な変化になってしまいます。
【定石3】
黒2の下ツケに白3、5とナダれてきたら、黒6とツグのが簡明でおすすめです。白7のノビには黒8とトビ出して、やはり隅の実利を確保することができます。白9とカケツげば普通で、これで一段楽です。
白9は手を抜いてくる可能性もありますが、そのときは後に黒aのハサミツケやbのハネを狙いに残します。
【定石4】
9図のようになると、白に右辺へ向かう勢力を作られてしまいます。どうしてもそれが嫌な場合は、白1のカカリに黒2とケイマに受けます。これなら白が右辺に向かうことはありません。ただ、隅の黒地が3図の定石よりかなり少ないので、今はあまり打たれなくなりました。
とはいえ、簡明な形なのでこの定石も覚えておくといいでしょう。
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