●11日目…定石について
囲碁を打つことを、『対局』を言います。そして、『対局』している最中のことを、『対局中』と表現しますが、その『対局中』に戸惑う形があります。
[2]星の定石-ハサミ
【定石1】
白1のカカリに黒2とハサむのも定石です。白は3と三々に入り、以下白11までとなります。黒は上辺に勢力を向けることができるので、左上隅に黒があるときに使うのがお勧めです。
逆に白11と三線にトビだされることで右辺の価値が低くなるので、右下隅に黒の勢力があるような場合は、この定石は避けたほうがよいでしょう。
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1図の黒6とノビるのが定石です。ここで黒6とハネるのは、白1に石がいないときの打ち方で、この場合は危険です。白の立場でのとがめ方も覚えておきましょう。
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続いて白1のサガリが簡明な黒のとがめ方です。黒2と遮ってくるのが普通ですから、そこで白3と切ります。黒4、6が相場ですから、白7と一子を抱えて一段落。1図の定石に比べて黒の厚みは薄くなり、右辺へ向かう白の勢力がとても強くなっています。
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3図の黒4で黒1と右辺を助けてきたら、白2のハネが好手で黒三子を取ることができます。黒3のツケには白4とワリ込んで黒は抵抗できません。黒1でaとアテ、白bに黒1と打ってきても、やはり白2で黒三子を取れます。本図は黒のツブレです。
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1図の白7、9とハネツイだ手にも意味があります。本図の白7と単にトビ出すのは危険です。黒はどのようにとがめますか?
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黒1、3と出切ります。白とツイだときに黒5から7と隅を取ることができます。1図のハネツギが打ってあれば、黒5と打つ手は成立しませんでした。
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したがって黒1、3には白4と取るよりなく、黒5から7のシチョウで、右辺も止められてしまいます。本図は1図の定石に比べて、白がとても不利な形です。
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【定石2】
▲とあらかじめ右辺に黒石がある場合は、白1から3の三々に対して、黒4と右辺からオサえる定石がよう打たれています。右辺が三連星など、黒模様を作りやすいときに有力な打ち方です。白は7までと隅で治まり、黒8と封鎖して右辺に黒模様を作ります。
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1図の黒6で、本図の黒6とツケて止めようとするのは、白7、9とワリツガれていても、黒の壁に断点が生まれ、白aの切りやbのノゾキなどを狙われるので黒がよくありません。
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9図の白7で、白1とハネだされるのもやっかいです。黒2と切ってしまいそうですが、白3、5と突き破られては黒が最悪です。
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本図は余計な図ですが、白1のハネ出しには黒2、4とワリツイで白11までの戦いが予想されます。いずれにせよ9図の黒6のツケはウソ手ですので打たないようにしましょう。
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【定石3】
黒6のノビは白7と押されるのが心配です。実際に白7と打つ定石もよく打たれています。手順は少し長くなりますが、黒18までの定石を覚えましょう。8図より黒の厚みは強くなりますが、隅の白も堅くなります。
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黒1、3(12図黒8、10)の出切りは重要です。白4とツイできたら黒5と隅の二子を取ります。白6にも黒7と受けて、右辺の黒地も大きいですし、上辺の白にはまだ眼形がありません。
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12図の黒8で、つい黒1とハネてしまいそうですが、これは白2とハネ返されます。黒3、5から7と隅を取ったときに、白8と切る手が成立してしまいます。黒9に白10のポン抜きとなると、13図よりも白はかなり強くなり、これは黒不利です。
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14図の黒9で、本図の黒1と逃げると白2が成立します。黒3、白4に黒5とオサえると白6の切りで取られてしまいます。
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12図の白15で、本図の白1とマガってきたら、黒2の引きで連絡します。白は形が悪いので、黒6までと有利に戦うことができます。
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黒4と右辺をオサえるのは、あらかじめ右辺に黒石がある場合です。もしも右辺がまだ広く空いているのに黒4と打つと、黒8までの定石のあとに白9とワリうちされて黒の勢力が働きにくくなってしまいます。本図は白有利です。
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17図の黒8で、本図の黒1と右辺をヒラくのは白2、4と破られてやはり黒がいけません。右辺に黒が先着していないなら、1図の定石を選ぶことになります。
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●11日目…定石について