ヨーロッパ囲碁ニュース

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囲碁ニュース [ 2025年2月27日 ]

ドレアン=ゲナイジア7dがEGF10人目のプロに

欧州囲碁連盟(EGF)のプロ選抜システムが始まったのは2014年のこと。以来、パヴォル・リジー(スロバキア)、アリ・ジャバリン(イスラエル)、マテウシュ・スルマ(ポーランド)、イリヤ・シクシン(ロシア)、アルテム・カチャノフスキー(ウクライナ)、アンドリー・クラヴェッツ(ウクライナ)、タンギー・ルカルヴェ(フランス)、スタニスワフ・フレイラック(ポーランド)、ヤン・シマラ(チェコ)の9人が入段した。

10人目のプロを決定する大会が2月10日から16日にかけてオーストリア・ウィーンにおいて開かれた。2023年以来2年ぶりの開催となる。プロを決定するシステムは大会毎に変化してきたが、今回は12人が参加する総当たりリーグ戦となった。参加者は以下の通り。

● ルカシュ・ポドペラ7d(チェコ)
● バンジャマン・ドレアン=ゲナイジア7d(フランス)
● アシェ・バスケス7d(スペイン)
● ドミニク・ボヴィズ6d(ハンガリー)
● ヴィクトール・リン6d(オーストリア)
● ヨナス・ヴェルティケ6d(ドイツ)
● レミ・カンパニー6d(フランス)
● マティアス・パンコケ6d(ドイツ)
● リュカ・ネイリンク6d(ベルギー)
● ベンヤミン・トイバー6d(ドイツ)
● ユツェ・シン6d(ドイツ)
● フセヴォロド・オフシェンコ6d(ウクライナ)

大会の様子。すべての対局は、デジタル碁盤の上で打たれ、自動的に配信された。(写真:欧州囲碁連盟)
カンパニー6d(右)は入段あと一歩のところまで迫った。

上位陣は実力が拮抗しているだけあって混戦となり、第5戦ですでに全勝者が消えた。中盤、第6戦終了時点では、欧州選手権者になった経験のあるドレアン=ゲナイジア7dと若手のオフシェンコ6dが5勝1敗で並び、過去3度次点に泣いているポドペラ7d、カナダ在住のカンパニー6d、スペインのバスケス7dが4勝2敗で続く展開となった。

事実上の決勝戦となったポドペラ7d(左)対ドレアン=ゲナイジア7d戦。

しかし、後半で上位陣が次々と失速。唯一連敗せずに勝利を重ねたドレアン=ゲナイジア7dが9勝2敗で10人目のプロとなり、メンタルの強さを見せた。フランスからのプロは2019年のルカルヴェ1p以来となる。ドレアン=ゲナイジア7dはハンガリーのブダペスト在住で、画廊を経営している。

なお、同時に開催された欧州プロ選手権では、アンドリー・クラヴェッツ2pが5勝1敗で優勝した。2位はアリ・ジャバリン2p、3位はアルテム・カチャノフスキー3pだった。

プロ選手権の参加者とドレアン=ゲナイジア7d(中央)。

[ 記事:野口基樹 ]

囲碁ニュース [ 2025年2月12日 ]

グランプリファイナル、クルシェルニツキー7dが優勝

グランプリファイナル大会が1月3-6日にかけてドイツ西部カールスルーエにおいて開かれた。

大会参加者。

グランプリファイナルは、2024年欧州グランプリ・サーキットの最後を飾る大会。サーキットを構成する一連の大会における成績により配分されるポイントの高い16人が参加できる。サーキットを構成する大会は、グランプリファイナルを除くと、夏に仏トゥルーズで開かれた欧州囲碁コングレスをはじめ10大会だった。

16人はまずA-Dのグループに分かれてリーグ戦を行い、上位2人が決勝トーナメントに進出するシステムである。トーナメントでは、アリ・ジャバリン2p(イスラエル)とヴァレリー・クルシェルニツキー7d(ウクライナ)が決勝に進出。序盤から大型の戦いとなったが、主導権を握ったクルシェルニツキー7dが中押し勝ちで優勝した。

中央が優勝したクルシェルニツキー7d。右が2位のジャバリン2p、左が3位のネイリンク6d。
ルカシュ・ポドペラ7d(チェコ) ジャバリン ジャバリン クルシェルニツキー
アリ・ジャバリン2p(イスラエル)
トマ・ドゥバール7d(フランス) ドレアン=ゲナイジア
バンジャマン・ドレアン=ゲナイジア7d(フランス)
リュカ・ネイリンク6d(ベルギー) ネイリンク クルシェルニツキー
スタニスワフ・フレイラック1p(ポーランド)
ダーメン・ウー6d(英国) クルシェルニツキー
ヴァレリー・クルシェルニツキー7d(ウクライナ)

[ 記事:野口基樹 ]

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