ヨーロッパ囲碁ニュース

ヨーロッパの囲碁ニュース・棋戦情報をお伝えします。

囲碁ニュース [ 2023年12月1日 ]

ワルシャワで「チャイナタウン囲棋カップ」が開催

ポーランド・ワルシャワにおいて、10月14-15日にかけての週末に、「チャイナタウン囲棋カップ」が開催された。同大会は中国レストランを運営するチャイナタウン社がスポンサーとなっており、今回が3回目となる。昨年は80人の参加者があったが、今回はその倍以上となる175人を集めた。上位陣では、韓国棋院から女流の李玟眞8pが参加するなど、プロ合計5人という豪華な大会となった。

大会は、李8pが2回戦でフランスのバンジャマン・ドレアン=ゲナイジア7dに敗れる波乱が起こるなど大混戦。最後は李8pと地元のマテウシュ・スルマ3pが1敗で並び、規定により李8pが優勝を収めた。3位はドレアン=ゲナイジア7d、4位はアルテム・カチャノフスキー2p(ウクライナ)だった。

大会の様子。手前右は優勝した李8p。

グランドスラム、スルマ2pが優勝

第8回となるグランドスラム大会が10月19-22日にかけてチェコ・プラハにおいて開催された。招待制で、欧州囲碁連盟(EGF)プロを含めた16人が参加した。

大会参加者達。欧州最高レベルとなる大会の開催は、10紙を超える地元紙に報道された。(写真:欧州囲碁連盟)

昨年優勝のヨナス・ヴェルティケ7d(ドイツ)、2017、2021年の2度にわたる優勝経験のあるアルテム・カチャノフスキー2p(ウクライナ)、2016年優勝者のアリ・ジャバリン2p(イスラエル)といった有力選手が次々と一回戦で脱落する中、決勝に残ったのはマテウシュ・スルマ3p(ポーランド)と昨年3位のフレドリク・ブロンバク7d(スウェーデン)。

決勝戦はスルマ3pが序盤から冷静な打ち回しで勝利を収め、2019年以来2度目の優勝を果たした。スルマ3pは今年、欧州プロ選手権においても優勝しており、好調を維持している。3位決定戦はパヴォル・リジー2p(スロバキア)がニコラ・ミティッチ7d(セルビア)を破った。

決勝のスルマ3p(左)対ブロンバク7d戦。
成績優秀者。左から優勝のスルマ3p、準優勝のブロンバク7d、3位のリジー2p、4位のミティッチ7d。

トーナメント表は以下の通り。

アルテム・カチャノフスキー2p ボヴィズ ミティッチ スルマ スルマ
ドミニク・ボヴィズ6d
ニコラ・ミティッチ7d ミティッチ
ヤン・シマラ1p
ルカシュ・ポドペラ7d ポドペラ スルマ
バンジャマン・ドレアン=ゲナイジア7d
フセヴォロド・オフシェンコ5d スルマ
マテウシュ・スルマ3p
アリ・ジャバリン2p パンコケ ブロンバク ブロンバク
マティアス・パンコケ6d
フレドリク・ブロンバク7d ブロンバク
アンドリー・クラヴェッツ1p
スタニスワフ・フレイラック1p フレイラック リジー
ヨナス・ヴェルティケ7d
コルネル・ブルゾ6d リジー
パヴォル・リジー2p

[ 記事:野口基樹 ]

囲碁ニュース [ 2023年9月26日 ]

欧州ペア碁選手権、マルツ/オブナウス ペアが優勝

欧州ペア碁選手権が8月16-18日にかけてスウェーデンのレクサンドにおいて開かれた。10か国から14ペアが参加した。

大会の様子。左はウクライナペア。(写真:欧州囲碁連盟)

6ラウンドの結果、1敗で2ペアが並んだが、ドイツのマーニャ・マルツ4dとヨハネス・オブナウス6dペアが規定により優勝を果たした。2位は昨年の優勝ペアであるフランスのアリアーヌ・ウジエ4dとバンジャマン・ドレアン=ゲナイジア7dペアだった。なお、マルツ4dは欧州コングレス中の「オープン・ペア碁選手権」においても韓国のキム・ドヒョプ7dと組んで優勝を果たしている。

上位入賞のペア。右が優勝のマルツ/オブナウス・ペア、真ん中が2位のウジエ/ドレアン=ゲナイジア・ペア、左が3位のアヴラム/ドブラニシュ・ペア(ルーマニア)。

なお、これに続く週末には第16回となるレクサンド・オープン大会が開かれた。こちらはチェコのルカシュ・ポドペラ7dが全勝優勝を果たした。2位は英国のウ・ホユン5d、3位はルーマニアのデニス・ドブラニシュ5dだった。

[ 記事:野口基樹 ]

囲碁ニュース [ 2023年8月20日 ]

第65回ヨーロッパ囲碁コングレス2023
ドイツ マーククレーベルク/ライプツィヒ

第65回ヨーロッパ囲碁大会は、7月21日から8月5日までドイツのマルクレーベルク/ライプツィヒで開催され、751人が参加した。

Group photo by Harry van der Krogt

大会メインイベント前の21・22日、例年行われているPEGTC(パンダネット欧州チームチャンピオンシップ)が行われ、3回戦の結果ウクライナチームが優勝した。

優勝したウクライナチームとマーティンスティアッシニー欧州囲碁連盟会長
Photo by Harry van der Krogt

大会中の2週間、ヨーロピアン・チャンピオンシップ、ヨーロピアン・オープン・チャンピオンシップ、ザ・ウィークエンド・トーナメント等、多くのサイドイベントが開催された。
https://www.egc2023.de/en/events/

メインイベントの1つであるヨーロッパチャンピオンシップは、1週間という長期戦の結果、アンドリー・クラベッツ1Pが、アリ・ジャバリン2Pを1.5目差で制しチャンピオンに輝いた。
彼のインタビューはEGCのウェブサイトでご覧いただけます。
https://www.egc2023.de/en/interview-with-andrii-kravets-1p-european-champion/

欧州チャンピオンとなった
アンドリー・クラベッツ 1p

大会会場はドイツのライプツィヒ市付近のマルククレーベルク湖そばにある静かな場所であり、参加者は囲碁以外のアクティビティも大いに楽しんだ。

第1回囲碁バレーボール大会

また、対局の合間には会場にある学校の裏庭でバスケットボールや卓球を楽しむ参加者も多くいた。

ドイツで開催された65回目の今大会は大成功を収め、来年はフランスのトゥールーズで行われる。世界中からさらに多くの参加者が集まることを期待したい。
https://egc2024.org/en/

レポート:コーネル・ブルゾ ( Cornel Burzo )

囲碁ニュース [ 2023年8月7日 ]

欧州囲碁コングレスが開催:欧州選手権はクラヴェッツ1pが優勝

欧州囲碁コングレスが7月22日-8月5日にかけてドイツ東部ライプツィヒ郊外のマルククレーベルクにおいて開かれた。メインの大会であるオープン大会には670人、週末の大会には510人が参加した。

開会式の様子。(写真:Harry van der Krogt、欧州囲碁連盟)
湖畔にて対局。

冒頭に開かれたパンダネット主催の欧州チーム選手権決勝ステージには、昨年優勝のウクライナに加え、フランス、チェコ、そして初の決勝進出を果たしたイスラエルが参加した。

3回戦の結果、3連勝の国はなく、ウクライナとチェコが2勝1分けとなったが、個人での勝利数で優るウクライナが規定により優勝、2連覇を果たした。3位はフランス(1勝1敗1分)、4位はイスラエル(1分2敗)だった。

第三回戦、イスラエル(奥)対チェコの対局。主将、副将戦共に半目勝負という熱戦だったが、チェコが3-1で勝利した。
欧州チーム選手権優勝のウクライナチーム。

欧州選手権は欧州トッププレーヤー32人が参加、2敗すると脱落となるダブルエリミネーションでベスト8を選び、その後はノックアウトステージである。

欧州選手権の様子。
3位決定戦。バスケス7d(左)が勝利を収めた。自動的にネット配信ができる中国製の碁盤を用いて対局している。

アルテム・カチャノフスキー2p(ウクライナ)、スタニスワフ・フレイラック1p(ポーランド)といった有力プレーヤーが相次いで脱落する中、決勝にたどり着いたのはアリ・ジャバリン2p(イスラエル)とアンドリー・クラヴェッツ1p(ウクライナ)。結果は、クラヴェッツ1pが落ち着いた内容で勝利を収め、初優勝を果たした。クラヴェッツ1pは現在、ライプツィヒからもほど近いイエナの囲碁スクールでメイン講師を務めている。

決勝の様子。
成績優秀者。左からクラヴェッツ1p、ジャバリン2p、バスケス7d。

ベスト8以降の結果は以下の通り。

アリ・ジャバリン2p ジャバリン ジャバリン クラヴェッツ
ヨナス・ヴェルティケ7d
フレドリク・ブロンバク7d ブロンバク
アルテム・カチャノフスキー2p
トマ・ドゥバール7d バスケス クラヴェッツ
アシェ・バスケス7d
アンドリー・クラヴェッツ1p クラヴェッツ
スタニスワフ・フレイラック1p
女流トーナメントの様子。
ペア碁大会の様子。

[ 記事:野口基樹 ]

囲碁ニュース [ 2023年7月11日 ]

欧州プロ選手権、スルマ2pが優勝

第6回欧州プロ選手権が6月21-25日にかけてオンラインで開催された。欧州囲碁連盟(EGF)のプロ7人に加え、日本棋院からアンティ・トルマネン1pも参戦した。予選フェーズは2グループに分かれて行われた。2敗で敗退、2勝の上位二人が枠抜けというシステムである。

グループA

1 アンティ・トルマネン 1p フィンランド
2 アリ・ジャバリン 2p イスラエル
3 ヤン・シマラ 1p チェコ
4 タンギー・ルカルヴェ 1p フランス

トルマネン1pが圧巻の内容で2連勝、早々と枠抜けを決めた。2位にはジャバリン2pが滑り込んだ。

グループB

1 マテウシュ・スルマ 2p ポーランド
2 スタニスワフ・フレイラック 1p ポーランド
3 アンドリー・クラヴェッツ 1p ウクライナ
4 アルテム・カチャノフスキー 2p ウクライナ

グループBはポーランド対ウクライナの構図となったが、スルマ2p、フレイラック1pのポーランド勢が枠抜けした。

決勝ラウンドはノックアウト方式で行われた。

トルマネン トルマネン スルマ
フレイラック
スルマ スルマ
ジャバリン

決勝は、グループA、Bの1位であるトルマネン1p、スルマ2pの対決となった。トルマネン1pが予選同様素晴らしい碁を見せ圧倒的優勢を築いたが、その後のスルマ2pが必死で追い上げ、最後は大石を撲殺。大逆転勝利を収めた。3位はジャバリン2pだった。

[ 記事:野口基樹 ]

囲碁ニュース [ 2023年5月22日 ]

欧州女流選手権、ストラスブールで開催

欧州女流選手権が5月13-14日にかけて仏ストラスブールで開催された。地元フランスのほか、ドイツ、オランダ、ルクセンブルク、スイス、オーストリア、チェコ、ルーマニア、ウクライナ、フィンランドから45人が参加した。

まだある程度の制限が残っていた昨年とは違って、今年はコロナが過去のものとなり、対面式イベントが顕著に復活。同じ週末に大規模な大会が重なるケースも増え始めた。実際、フランスでは同じ週末に国内の青少年選手権がグルノーブルで開かれ、一部の仏人プレーヤーは、どちらのイベントにオーガナイザー、もしくはプレーヤーとして参加するかの選択を迫られることとなった。嬉しい悩みと言えようか。

会場の様子。(写真:Frantisek Caha、ストラスブール囲碁クラブ)

復活の喜びの一方で、ロシアによるウクライナ侵攻が相変わらず暗い影を落とし続けている。ロシア選手の欧州囲碁連盟(EGF)関連大会への参加は現在完全に禁止されており、ウクライナ選手も、本国に住んでいる選手は移動がままならないことから、外国に移住できた選手のみが参加できている状態である。

ウクライナ出身のマリア・シェルノヴァ1k。(写真:筆者、以下同)
リー・ティン1pの娘さん、リリーちゃんとチェリーちゃんも参加。どちらも見事3勝を収めた。
和やかな雰囲気の検討。
左から優勝のリー・ティン1p、準優勝のウジエ4d、3位のニョシ3d。

5回戦の結果、関西棋院所属でオーストリア在住の黎婷(リー・ティン)1pが全勝優勝した。2位はフランスのアリアーヌ・ウジエ4dだった。3位以降は7位まで3勝で並んだが、規定により地元ストラスブール出身のニョシ・カオ3dが3位に入賞した。

順位 名前 段位 勝敗
1 リー・ティン 1p オーストリア 5-0
2 アリアーヌ・ウジエ 4d フランス 4-1
3 ニョシ・カオ 3d フランス 3-2
4 バルバラ・クナウフ 3d ドイツ 3-2
5 マーニャ・マルツ 4d ドイツ 3-2
6 レナーテ・ライゼネガー 2d ドイツ 3-2
7 ミレナ・ボクレ 3d フランス 3-2

パリ国際囲碁大会、200人を集める

パリ囲碁大会が4月8-10日のイースターの週末を利用して開かれた。200人超を集め、コロナ後では最大規模となった。

大会の様子。(写真:欧州囲碁連盟)
(左)大会のポスターは、ウクライナ出身のヴィタリア・カルムツカさんが作成した。
(右上)優勝したヤン・ヤオリン6d。4月末に開かれたチェコの「オールドハンター杯(参加者156人)」でも強豪を軒並み破って優勝を収めた。
(右下)2位に入賞したフセヴォロド・オフシェンコ5d。

6回戦の結果、英国のヤン・ヤオリン6dが全勝優勝を果たした。2位以下は4勝が7人並ぶ大混戦だったが、ウクライナの若手で伸び盛りのフセヴォロド・オフシェンコ5dが見事準優勝。3位はルーマニアのコルネル・ブルゾ6dだった。

順位 名前 段位 勝敗
1 ヤン・ヤオリン 6d 英国 6-0
2 フセヴォロド・オフシェンコ 5d ウクライナ 4-2
3 コルネル・ブルゾ 6d ルーマニア 4-2
4 ヨナス・ヴェルティケ 7d ドイツ 4-2
5 チェン・ティアニ 5d 英国 4-2
6 シャイアン・ハムラー 5d オーストリア 4-2
7 ルカシュ・ポドペラ 7d チェコ 4-2
8 リュカ・ネイリンク 6d ベルギー 4-2

[ 記事:野口基樹 ]

囲碁ニュース [ 2023年4月17日 ]

トルコで欧州青少年選手権が開催

欧州青少年選手権が、3月22-25日にかけてトルコの首都アンカラにあるハジェテペ大学ベイテペ・キャンパスにおいて開催された。12か国から合計87人が参加した。地理的な関係もあって、100人以上を集めたチェコ開催の昨年の大会に比べて人数は減少したものの、トルコの活発な囲碁界をアピールする機会となった。

集合写真。

12歳未満(参加者42人)

  名前 段位 勝敗
1 アルペル・スラク 2d トルコ 5-1
2 ライアン・ツァン 2d 英国 5-1
3 ベンデ・バルサ 1d ハンガリー 4-2
4 バルトロメイ・ダッハ 2k チェコ 3-3
5 アレクサンダー・ティンペリ 3k フィンランド 3-3

昨年2位だった、地元のスラク2dが優勝した。同率で、英国のツァン2dが続いた。

16歳未満(参加者23人)

  名前 段位 勝敗
1 フセヴォロド・オフシェンコ 5d ウクライナ 6-0
2 ユツェ・シン 4d ドイツ 5-1
3 オレシア・マルコ 3d ウクライナ 4-2
4 アンナ・メルニク 2d ウクライナ 3-3
4 ロベルト=アンドレイ・グロス 1d ルーマニア 3-3

もはや欧州レベルでの強豪となったオフシェンコ5dが昨年に続き全勝優勝を果たした。

20歳未満(参加者22人)

  名前 段位 勝敗
1 デニス・ドブラニシュ 5d ルーマニア 6-0
2 アーヴェド・ピットナー 5d ドイツ 5-1
3 ウフク=エムレ・イルディリム 1d トルコ 4-2
4 オンドレイ・クラリク 2d スロバキア 3-3
5 アントニア・スタンチウ 1k ルーマニア 3-3

ルーマニアのドブラニシュ5dが、昨年優勝のピットナー5dを下し初優勝を果たした。

成績優秀者。
大会最年少の参加者となったトルコのイルビゲさん。
サイドイベントとして開かれたペア碁大会。

[ 記事:野口基樹 ]

囲碁ニュース [ 2023年3月20日 ]

シマラ6dがEGF9人目のプロに

欧州囲碁連盟(EGF)の第7回目となるプロ入段手合が2月25日-26日、3月10-12日の週末にわたりチェコのブルノにおいて実施された。
参加者は8人と、これまでの16人から半減した。応募が少なかったことが理由であるようだが、実力者のプレーヤーからは、「EGFのプロになることに魅力を感じないので、入段手合には参加しない」という声も聞かれた。

対局はすべて3番勝負。2月末の第一ラウンドの結果は以下の通りで、地元チェコのルカシュ・ポドペラ7d、ヤン・シマラ6dと、ベンヤミン・トイバー6d(ドイツ)、ドミニク・ボヴィズ6d(ハンガリー)が勝ち上がった。

プロとなったシマラ6d。
勝者   スコア
ルカシュ・ポドペラ7d エリアン・グリゴリウ6d(ルーマニア) 2-1
ヤン・シマラ6d オスカル・バスケス7d(スペイン) 2-1
ベンヤミン・トイバー6d コルネル・ブルゾ6d(ルーマニア) 2-1
ドミニク・ボヴィズ6d ヤン・クロコップ6d(チェコ) 2-0

第2ラウンドでは、ポドペラ7dがボヴィズ6dを2-0で、シマラ6dがトイバー6dを2-1で下し、チェコ同士の決勝となった。

ポドペラ7dは、第5回、第6回でも決勝に進出したが、それぞれタンギー・ルカルヴェ現1p(フランス)、スタニスワフ・フレイラック現1p(ポーランド)に敗れている。決勝第一局は、ポドペラ7dが勝利し、3度目の正直なるか、と思われたが、ここから2012年欧州チャンピオンの実力者シマラ6dが見事な粘りを見せ、第2局、第3局で細碁を制して逆転。イリヤ・シクシン4p(ロシア)、アルテム・カチャノフスキー2p(ウクライナ)、パヴォル・リジー2p(スロバキア)、マテウシュ・スルマ2p(ポーランド)、スタニスワフ・フレイラック1p、アリ・ジャバリン2p(イスラエル)、アンドリー・クラヴェッツ1p(ウクライナ)、タンギー・ルカルヴェ1pに続く、9人目のEGFプロとなった。

[ 記事:野口基樹 ]

囲碁ニュース [ 2023年2月5日 ]

グランプリファイナル、フレイラック1pが優勝

第6回となるグランプリファイナルが1月25-27日にかけて仏グルノーブルにおいて開催された。2019年、2020年はオンラインで開催されており、3年ぶりの対面式の大会となった。
グランプリファイナルの参加者は、欧州囲碁連盟(EGF)から指定を受けた大会の成績優秀者のうち、合計ポイントが上位の16人。こうした大会は「ボーナスポイント大会」と呼ばれ、規模によってAからCに分類されている。2022年1-10月にかけて実施された11大会が対象となった。

予選リーグの結果、ルカシュ・ポドペラ7d(チェコ)、ダヴィデ・ベルナルディス5d(イタリア)、ルカ・ネイリンク6d(ベルギー)、スタニスワフ・フレイラック1p(ポーランド)、ヨナス・ヴェルティケ6d(ドイツ)、アリ・ジャバリン2p(イスラエル)、コルネル・ブルゾ6d(ルーマニア)、フロラン・ラボレ6d(フランス)の8人がノックアウト方式の決勝ステージに進んだ。

大会の様子。左が優勝したフレイラック1p。

決勝ステージでは、フレイラック1pと、ベルギー出身、フランス在住のネイリンク6dが勝ち上がった。予選リーグではネイリンク6dがフレイラック1pを破っていたが、決勝ではフレイラック1pがプロの意地を見せ優勝した。

ポドペラ ポドペラ フレイラック フレイラック
ジャバリン
フレイラック フレイラック
ブルゾ
ヴェルティケ ベルナルディス ネイリンク
ベルナルディス
ラボレ ネイリンク
ネイリンク

3位決定戦では、イタリアの若手ベルナルディス5dがポドペラ7dを破った。ロシアによるウクライナ侵攻を背景に、ロシア選手が排除されたこと、また多くの有力選手が参加できなかったこともあるが、上位にはフレッシュな顔ぶれが並んだ。

なお、グランプリファイナルに続いて週末に開かれたグルノーブル・エリー杯国際囲碁大会(ボーナスポイントC大会である)では、ルカシュ・ポドペラ7dが全勝優勝を果たした。2位は韓国のキム・ドヒョプ7d、3位はヨナス・ヴェルティケ6dだった。

[ 記事:野口基樹 ]

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