パンダネット 囲碁入門

2日目…地を広げる - [7]相手の地を減らす

囲碁は自分の陣地を広げて、相手よりたくさん作った方が勝ちになるゲームです。自分の陣地を「地(じ)」と言って、碁盤の上の19×19路の線の交差点の一つ一つを、何目の地と数えます。この自分の地を互いに増やし合うのと同時に、相手の地を減らしていきます。自分の地を10目増やすのと、相手の地を10目減らすのは同じ価値があるからです。そこで、さまざまな争いが起こり、複雑なゲーム性が生まれるのです。少しずつ、ゲームのコツを覚えていきましょう。

●2日目…地を広げる


[7]相手の地を減らす

36図 黒1は自分の地を増やす手です。白2も白地を増やしていますが、黒3の地点を占めれば、黒が囲った地の方が大きくなりそうです。

36図


37図 では、白2の点を占めるのはどうでしょうか。これは自分の白地を増やすと同時に、相手の黒地を減らしています。黒3に受ければ、白4と黒5も決めて、黒の広がりを止めます。白8までとなれば、前図に比べてだいぶ黒地を減らしました。自分の地を増やすのと同じように、相手の地を減らすのは価値のある行為なのです。

37図


38図 黒1、黒3は相手の白地を減らしています。白2、白4と受けさせれば、それだけで得をしています。それから黒5と右上に飛び込んで、こちらの白地も減らしました。

38図


39図 黒1と白の陣地に飛び込んで、相手の地を減らしました。相手の地を減らすのは、自分の地を増やしたのと同じように価値のある手です。白2も黒の地を減らしています。黒3でさらに白地を減らします。

39図


40図 黒1に対して、白2から4と黒の進出を止めるのも大きな手です。それなら、黒5と打って左上を減らされないようにします。相手の地を減らすのも大きいし、相手に減らされないように用心するのも同じように大きな手になります。

40図


【実戦例⑤】41図 黒1、黒3から右上を中心に黒地を増やしました。白2、白4から左下の方向が白地になっています。白10の後は次の図で見ていただきましょう。

41図


42図 黒1の飛び込みが相手の白地を減らす手です。白2も黒地に飛び込んで相手の黒地を減らしています。黒5は白の進出を止めて大きな手ですし、白8も同じように黒の進出を止めています。
自分の地を増やすのと、相手の地を減らすのは、同じように大きな価値があります。自分の地を増やすことを考えるのが第一ですが、相手の地が大きくなりそうなら、それを阻止することを考えるのも大きな手です。また、自分の地が減らされそうなときに、それと止めるのもいい手になります。囲碁は自分の地が、相手の地を上回れば勝てるゲームですから、地のことを考えながら打つのが大切です。

42図



●2日目…地を広げる


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