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パンダネットで実力初段になる方法

ネット対局の性質について

勝間教室や指導碁でおなじみの関西棋院の勝間史朗七段が、この度「パンダネットで実力初段になる方法」を出されました。レーティングアップのコツを学んで、実力初段を目指しましょう。 続きを読む

第2章 ネット対局の性質

 昨今、ニュースで十代のこどもたちがネットの世界での人間関係で悩んだり、大人でもメールなどのトラブルで事件に発展したりすることが報じられています。

 これは、ネット=「活字だけの世界」

 そして相手が見えない世界という性質から、人間の自我がそのまま出てしまったり、相手への配慮が少し欠けてしまうのが原因だと考えられています。

 ネット対局も例外ではなく、碁会所や公民館で打つ(以降リアル対局と言います)碁とは、少し違ってしまうのを経験されたことはないでしょうか。

 例えば、リアル対局では人目を気にして、手がない相手陣地に手をつけていくことはしないのに、ネット対局では「誰も見ていないという意識から」どんどん「はしたない手」を打ってしまうことはあるかもしれません。また、相手がそういったことを平気でしてくるので、紳士である自分も知らず知らずにおかえしをしているなど…。それが誰も見ていないという錯覚からくるネット対局の性質です。

 また、プロ棋士の指導碁を経験された方なら特に実感があると思いますが、リアル対局でプロ棋士と打つと、威圧感などから手が縮んでしまうのに、ネット対局では、堂々とまではいかなくとも、委縮がなく自分の碁が打てたりします。これもネット対局の性質です。

 つまり、ネット対局では、自分の心のか弱さが出にくく、我の強さが少し先行してしまう性質があります。これはどういうことかと言いますと、手がないところでも強気に手をつけていきますので、何か良いことが起こりやすいということです。また、普段は勇気が必要な相手勢力への打ち込みも、「エイヤー」と入ってしまうことができます。

 そして何が起こるかと言いますと、打ち込まれた相手としては、正しく打てても相場。しかし接近戦が苦手だったり、経験が浅い方の場合は、例外なく正しく対処できません。そのため、「やったもの勝ち」というのがネット対局の世界です。つまり、部分戦が強い方ほど上に上がりやすい性質があります。これが第1章でお話ししました、パンダネット棋力は部分戦や接近戦、経験値を表す棋力でもあるという意味です。

 他にネット対局の性質として、マウスで1秒以内に着手することができることもあります。

 これは、リアル対局なら相手が打った後、碁笥に手を入れて、石を1つ掴んで、目指す着点まで手を移動させるまで、少なくとも2~3秒かかります。その2~3秒の間にマウスクリック以上の思考過程があり、濃度の高い考えから打たれることになります。

 ネット対局では、性格にもよりますが、パッと見つけたところに打ってしまうまで1秒以内ですので、その手に読みが入っていないことは普通です。そのため見損じやポカもリアル対局以上にあるでしょう。

 また、着手が早くなると一局の重みも次第に軽くなってきます。勝っても負けてもポンポン打ち、結果として読みが薄い分、勝率も下がってきます。

 しかし、棋力が高い方ほど、布石から終盤まで「考える材料」をもっているので、手拍子で打つことも減ってきます。そういった部分でも、勝率の差が出てくるのがネット対局の性質になります。

 そして、ネット対局では相手が見えないので、自分を悟られずに対局できます。これはどういうことかというと、本当の棋力で打たなくても誰からも咎められない。これがネット棋力のある意味歪みともなっています。

 次章では、級位者の棋力の実情についてお話ししたいと思います。


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