ヨーロッパ囲碁ニュース
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囲碁ニュース [ 2025年5月1日 ]
欧州青少年選手権、ルーマニアで開催
欧州青少年選手権が3月6-9日にかけてルーマニア北部のヴァトラドルネイにおいて開催された。ヴァトラドルネイは2022年に欧州囲碁コングレスが開かれた場所でもある。大会には13カ国から100人超が参加した。





昨年はU12(12歳未満)、U18(18歳未満)、U21(21歳未満)の3カテゴリーの大会が行われたが、今年はU12とU18のみの開催となった。
U12結果(参加者:54人)
昨年2位のバルツァ3dが優勝を果たした。バルツァ3dは2022年、3kでU12 において優勝した経験がある。2位にはウクライナのロトツキー3kが段位者の強敵を倒して食い込んだ。
順位 | 名前 | 段級位 | 国 | 勝敗 |
---|---|---|---|---|
1 | ベンデ・バルツァ | 3d | ハンガリー | 6-0 |
2 | デニス・ロトツキー | 3k | ウクライナ | 5-1 |
3 | ライアン・ツァン | 3d | 英国 | 4-2 |
4 | ラリオン・シロトキン | 1d | ウクライナ | 4-2 |
5 | リリー・フー | 2k | オーストリア | 3-3 |

U18結果(参加者:52人)
U18は全勝者のない大混戦。5勝1敗で3人が並んだが、昨年5位のマルコ4dが優勝を果たした。
順位 | 名前 | 段級位 | 国 | 勝敗 |
---|---|---|---|---|
1 | オレシア・マルコ | 4d | ハンガリー | 5-1 |
2 | ロベルト=アンドレイ・グロス | 4d | ウクライナ | 5-1 |
3 | スチェパン・メダック | 4d | 英国 | 5-1 |
4 | ヤン・コミン | 4d | ウクライナ | 4-2 |
5 | アントニ・ブガイ | 3d | オーストリア | 4-2 |
6 | バルティク・ダッハ | 4d | オーストリア | 4-2 |

パリ大会が開催
パリ大会がイースターの3連休、4月19-21日にかけて開かれた。182人を集める盛大な大会となった。

5回戦まではウクライナのヴァレリー・クルシェルニツキー7dが圧倒的な内容で5連勝と突っ走ったが、最終戦6回戦で韓国出身の呉治民(オ・チミン)8dに1目半の差で惜敗。呉8dが優勝、クルシェルニツキー7dが2位となった。3位には、アイスランド在住で中国出身のイーシン・ユアン5d、4位には呉8dに唯一土を付けたバンジャマン・ドレアン=ゲナイジア7dが入賞した。
順位 | 名前 | 段位 | 国 | 勝敗数 |
---|---|---|---|---|
1 | 呉治民 | 8d | 韓国 | 5-1 |
2 | ヴァレリー・クルシェルニツキー | 7d | ウクライナ | 5-1 |
3 | イーシン・ユアン | 5d | 中国 | 5-1 |
4 | バンジャマン・ドレアン=ゲナイジア | 7d | フランス | 4-2 |
5 | 戴俊夫 | 8d | フランス | 3-2 |
6 | ユハン・シン | 6d | 英国 | 4-2 |


[ 記事:野口基樹 ]
囲碁ニュース [ 2025年2月27日 ]
ドレアン=ゲナイジア7dがEGF10人目のプロに
欧州囲碁連盟(EGF)のプロ選抜システムが始まったのは2014年のこと。以来、パヴォル・リジー(スロバキア)、アリ・ジャバリン(イスラエル)、マテウシュ・スルマ(ポーランド)、イリヤ・シクシン(ロシア)、アルテム・カチャノフスキー(ウクライナ)、アンドリー・クラヴェッツ(ウクライナ)、タンギー・ルカルヴェ(フランス)、スタニスワフ・フレイラック(ポーランド)、ヤン・シマラ(チェコ)の9人が入段した。
10人目のプロを決定する大会が2月10日から16日にかけてオーストリア・ウィーンにおいて開かれた。2023年以来2年ぶりの開催となる。プロを決定するシステムは大会毎に変化してきたが、今回は12人が参加する総当たりリーグ戦となった。参加者は以下の通り。
● ルカシュ・ポドペラ7d(チェコ)
● バンジャマン・ドレアン=ゲナイジア7d(フランス)
● アシェ・バスケス7d(スペイン)
● ドミニク・ボヴィズ6d(ハンガリー)
● ヴィクトール・リン6d(オーストリア)
● ヨナス・ヴェルティケ6d(ドイツ)
● レミ・カンパニー6d(フランス)
● マティアス・パンコケ6d(ドイツ)
● リュカ・ネイリンク6d(ベルギー)
● ベンヤミン・トイバー6d(ドイツ)
● ユツェ・シン6d(ドイツ)
● フセヴォロド・オフシェンコ6d(ウクライナ)


上位陣は実力が拮抗しているだけあって混戦となり、第5戦ですでに全勝者が消えた。中盤、第6戦終了時点では、欧州選手権者になった経験のあるドレアン=ゲナイジア7dと若手のオフシェンコ6dが5勝1敗で並び、過去3度次点に泣いているポドペラ7d、カナダ在住のカンパニー6d、スペインのバスケス7dが4勝2敗で続く展開となった。

しかし、後半で上位陣が次々と失速。唯一連敗せずに勝利を重ねたドレアン=ゲナイジア7dが9勝2敗で10人目のプロとなり、メンタルの強さを見せた。フランスからのプロは2019年のルカルヴェ1p以来となる。ドレアン=ゲナイジア7dはハンガリーのブダペスト在住で、画廊を経営している。
なお、同時に開催された欧州プロ選手権では、アンドリー・クラヴェッツ2pが5勝1敗で優勝した。2位はアリ・ジャバリン2p、3位はアルテム・カチャノフスキー3pだった。

[ 記事:野口基樹 ]
囲碁ニュース [ 2025年2月12日 ]
グランプリファイナル、クルシェルニツキー7dが優勝
グランプリファイナル大会が1月3-6日にかけてドイツ西部カールスルーエにおいて開かれた。

グランプリファイナルは、2024年欧州グランプリ・サーキットの最後を飾る大会。サーキットを構成する一連の大会における成績により配分されるポイントの高い16人が参加できる。サーキットを構成する大会は、グランプリファイナルを除くと、夏に仏トゥルーズで開かれた欧州囲碁コングレスをはじめ10大会だった。
16人はまずA-Dのグループに分かれてリーグ戦を行い、上位2人が決勝トーナメントに進出するシステムである。トーナメントでは、アリ・ジャバリン2p(イスラエル)とヴァレリー・クルシェルニツキー7d(ウクライナ)が決勝に進出。序盤から大型の戦いとなったが、主導権を握ったクルシェルニツキー7dが中押し勝ちで優勝した。

ルカシュ・ポドペラ7d(チェコ) | ジャバリン | ジャバリン | クルシェルニツキー |
アリ・ジャバリン2p(イスラエル) | |||
トマ・ドゥバール7d(フランス) | ドレアン=ゲナイジア | ||
バンジャマン・ドレアン=ゲナイジア7d(フランス) | |||
リュカ・ネイリンク6d(ベルギー) | ネイリンク | クルシェルニツキー | |
スタニスワフ・フレイラック1p(ポーランド) | |||
ダーメン・ウー6d(英国) | クルシェルニツキー | ||
ヴァレリー・クルシェルニツキー7d(ウクライナ) |
[ 記事:野口基樹 ]