日本囲碁ニュース
日本の囲碁ニュース・棋戦情報をお伝えします。
日本で行われている囲碁のイベントや棋戦情報を皆様にお伝えします。
囲碁ニュース [ 2026年2月10日 ]
芝野半目制し、タイに並ぶ
一力遼棋聖が先勝して迎えた第50期棋聖戦の挑戦手合七番勝負(読売新聞社主催)の第2局が、1月30、31の両日、広島県尾道市の「Ryokan尾道西山」で打たれ、挑戦者の芝野虎丸十段が白番半目勝ちをおさめた。一日目は、芝野の力強さが一力を圧倒し、中央の黒の大石を捕獲する展開となった。「投了もあるのではないか」との声も聞かれたが、二日目に入ると、一力が「驚異の」と評される追い上げを見せた。取られた中央の黒の大石を利用しながら、地合い勝負に持っていき、左下の黒模様では芝野が巧みにシノいでコウの形にしたが、芝野が相手のコウダテを作らないように手厚く打つ間に、じわじわと差が縮まっていく。最後は半目勝負となったが、わずかに一力が届かなかった。対戦成績を1勝1敗のタイに戻した芝野は、「一局を通して集中して打てたのはよかったですし、第3局は少し時間があきますが、これまでと変わらず頑張れたらいいなと思っています」と語り、一力は「序盤にはっきりと悪くしてしまい、封じ手のあたりも悪いと思っていました。(中央の大石は)助ける図は見えなかったので、実戦のような地合い勝負を目指しましたが、よくなるまでは大変でした」と無念そうに振り返った。第3局は、2月14、15の両日に、福岡県太宰府市の「九州国立博物館」にて打たれる。
囲碁ニュース [ 2026年2月6日 ]
ジャンボ囲碁15人団体戦
2月1日、東京市ヶ谷の日本棋院にて第53回ジャンボ囲碁15人団体戦が開催され、32チーム480人が参加した。15名1チームの団体戦でAクラス、Bクラスの2つに分かれて行われ、Aクラスの優勝候補はほとんどのメンバーが全国トップクラスや県代表である。
近年では大熊義塾が連続優勝をしており優勝候補の筆頭である。大関稔さんを中心として同年代で活躍した元院生や学生時代に活躍したメンバーが中心。副将に森川舜弐さん、齊山天彪さんと全国優勝経験者が並ぶ。対抗としては栗田佳樹さんを中心としたバトリアヌス帝国。大熊義塾の次の世代で毎年決勝で戦おうと誓っている。ところがバトリアヌス帝国は2度、多岐技会に3回戦で敗れ決勝に上がっていない。今回は大熊義塾と多岐技会が3回戦で当たり、8-7で多岐技会が勝利。これまで決勝で2度負けていたので一矢報いた。大熊義塾の連覇も止まった。
決勝はバトリアヌス帝国と多岐技会。多岐技会は元アマ本因坊の瀧澤雄太さんが主将のチームで、30~50代の大会で活躍しているメンバー。これまで負けていたバトリアヌス帝国であったが11-4で勝利し、悲願の優勝となった。
Bクラスでは女流アマ選手権優勝経験者や女流の大会で活躍している女性15人を集めた女流チームが優勝した。決勝戦では洪道場との対戦となり、女性対小中学生のチーム戦は見ていて囲碁の層の幅広さを感じた。
例年は伝統的に参加しているチームばかりという印象だったが、今回は新しいチームや関東以外のチームの姿も見られた。
囲碁ニュース [ 2026年1月28日 ]
上野愛咲美、女流棋聖奪還
第29期女流棋聖戦(株式会社NTTドコモ協賛)の挑戦手合三番勝負の第2局が、1月22日に東京都千代田区の「竜星スタジオ」にて打たれ、挑戦者の上野愛咲美女流名人が、上野梨紗女流棋聖に白番2目半勝ちを収めた。二連勝で姉妹対決を制し、4期ぶり(通算5期目)に女流棋聖位を奪還。女流名人、女流立葵杯と合わせ、女流三冠とした。
本局は、早碁(一手30秒。1分の考慮時間10回)の中、読みと判断が難しいフリカワリが繰り返される壮絶な展開となった。研究熱心な両者らしく、新型がいくつもできあがる布石から、右下でコウがスタートする。黒のコウダテに受けず、最初のフリカワリとなるが、左辺一帯もあろうかという白の大石が取られ、AIの評価値は「黒99%」にまで触れた。だが、右辺一帯の白模様を広げると、意外なことに大差ではない。黒が白模様に深く踏み込み、今度は黒のシノギ勝負となった。その後、振り替わる度に形勢が何度も入れ替わりながら、梨紗女流棋聖が一手緩んで「黒有利な一手寄せコウ」とする手を逃し、抜き去られた。局後、姉は「相性が良い棋戦で、タイトルを取れてうれしいです。これからも気を抜かず、妹と一緒に頑張ります」、妹は「姉妹対決は負けたままでは終われないので、何回でも挑戦したいです」と笑顔で会見に臨んだ。
一力、開幕ハワイ戦を制す
第50期棋聖戦の挑戦手合七番勝負の第1局が、1月22、23の両日、アメリカ・ハワイ州の「プリンス・ワイキキ」にて打たれた。両雄は現地で購入したアロハシャツを着用し、椅子対局にて決戦に臨んだ。序盤から左辺で黒番の芝野が仕掛け、これに一力が受けてたち、難解な戦いに突入した。この攻防では黒がポイントをあげる。芝野は「左辺で生きたあたりは悪くないと思っていた」、一力も「(生きられて)損をしたと思い、封じ手あたりも苦しいと思っていた」と振り返る。だが、二日目に入ると、「白が左上をつないでからはいい勝負」と一力。右下を助けた芝野は「右下と左上の大きさがわかっていないかった。判断ミスだったと思います」と反省する。芝野は左上の全体の白を攻めに向かったが、やや無理気味だったようだ。一力が見事にシノいで形勢は互角となる。その後、一力が右上隅の黒模様を手にして優勢を築くと盤石に押し切って芝野を投了に追い込んだ。局後、一力は「海外タイトル戦も二日制での椅子対局も初めてでしたが、盤に向かってしまえば普段と変わりませんでした」と笑顔で語り、芝野は「今日は形勢判断でミスが多かったので、振り返り、次につなげたい」と巻き返しを誓った。第2局は、1月30、31の両日、広島県尾道市の「Ryokan尾道西山」にて打たれる。
囲碁ニュース [ 2026年1月20日 ]
姉妹対決は姉が先勝
上野梨紗女流棋聖に、上野愛咲美女流立葵杯が挑戦する第29期女流棋聖戦(株式会社NTTドコモ協賛)の挑戦手合三番勝負第1局が、1月15日、神奈川県平塚市の「ホテルサンライフガーデン」にて打たれた。これに先立ち1月5日に日本棋院東京本院で行われた「打ち初め式」では、梨紗女流棋聖が「今までで一番気まずい年末年始でした」と話し、会場の笑いを誘ったが、直前には「皆さんに楽しんでもらえるいい碁を打とうね」と姉妹で話し合ったという。結果は、愛咲美女流立葵杯が、黒番中押し勝ちし、タイトル奪還にあと1勝とした。
41年ぶりのタイトル戦姉妹対決となった本局は、黒番の愛咲美女流立葵杯が「目外し」からのシマリという最近では珍しい布石を敷いてスタートした。「妹用に準備した布石。序盤を未知な形できたのがよかったです」と語る。その後、左上の黒を放置して左辺に打ち込んでから、読みと判断が難しい戦いの碁に突入し、互角の形勢が続いた。下辺で地を先行した白の一手がやや疑問だったようだ。左辺に連打され、強弱関係が黒に大きく傾き、形勢も黒に傾いた。以降も梨紗女流棋聖の猛追に的確に対処して、白を投了に追い込んだ。愛咲美女流立葵杯は「自分らしく打てました。妹は敗戦のあと成長するので、油断しないようにします」、と語り、梨紗女流棋聖は「意外な手を連発されて、それがいい手でした。(姉との対局は)打ってみたら意外と気にならなかった。次は三番勝負を盛り上げるためにも勝ちたい」と抱負を語った。第2局は、1月22日に、東京都千代田区の「竜星スタジオ」にて打たれる。
囲碁ニュース [ 2026年1月15日 ]
詰碁王決定戦2025
12月27日、東京と大阪で詰碁王決定戦2025が開催された。これまで詰将棋選手権は毎年開催され、将棋の藤井聡太六冠が5連覇するなどしていたが、詰碁に関してはそういった大会はこれまでなかった。詰将棋選手権があるのなら詰碁の大会もあってもいいのでは、という三島響二段を中心とする関西の若手棋士の想いにより、実現することになった。
実行委員長は吉原由香里六段、実行委員を林漢傑八段、三島響二段。クラスがプロアマ問わず参加できるトップクラスと小学生の部の2つにわかれて行われた。小学生の部は若手棋士たちが1問ずつ出題している。トップクラスは河野臨九段が大半を出題し、韓国から申眞諝九段や金志錫九段といった豪華メンバーも出題。
参加棋士は芝野虎丸十段や上野愛咲美女流二冠などトップ棋士を含め多くのプロが参加。腕に覚えのあるアマ達がどこまでできるのかも注目の1つ。トップクラス82人(プロ43人、アマ39人)、小学生以下の部31人の参加があった。院生も参加ができ、プロ、アマ、院生が同じ舞台で参加している。トップクラスには小学4年の院生から、70代のベテランアマ強豪まで参加。
詰碁の問題用紙が配られると、「懐かしい」「学校みたい」との声がもれた。詰碁に関しては実戦とはまた違い、マニアと呼ばれる方たちがアマチュアには多い。もしかしたらプロより高成績をおさめるアマチュアがたくさんいるのではという意見もあったが、結果は50点以上の上位はプロ達が独占。優勝は70点で芝野虎丸十段と上野愛咲美女流二冠。順当な結果となった。
囲碁ニュース [ 2026年1月9日 ]
名人リーグ、芝野が福岡を制す
あけましておめでとうございます。昨年は、一力遼棋聖が棋聖、名人、天元、本因坊を防衛し、王座を奪取して史上3人目の五冠を達成した。一力が一強時代を築いていくのか、あるいは、新たな波が訪れるのか――新年1月は、棋聖戦七番勝負がハワイにて開幕、一力の世界戦優勝をかけたLG杯決勝三番勝負開幕、上野梨紗女流棋聖に上野愛咲美女流立葵杯が挑戦する姉妹対決、テイケイ杯俊英戦の5名によるプレーオフなど、注目対局が目白押しとなる。
1月8日、やはり注目の名人リーグ戦の2節、芝野虎丸十段と福岡航太朗七段の一戦が、日本棋院東京本院にて打たれた。芝野は昨年、74局の最多対局と最多勝利(52勝)に輝いている。1節は手空きだった芝野にとっては初陣。福岡は桑原樹七段との10代対決(史上初)を制し白星発進している。優勝争いに大きく関わることが予想される本局は、期待に違わぬ大熱戦となった。序盤は四隅で定石が打たれ、両者手堅い印象だったが、AIの勝率は白番の福岡に傾き、芝野も「ずっと苦しく、やられたと思っていた」と振り返る。芝野は中央の白の大石の攻めに向かう。福岡は中央を放置し、シノギ勝負にもっていき、しのぎ切る。AIの勝率も大きく白に傾いていた。だが、解説の鶴山淳志八段によると「AIの数字は、この後を白が完璧に打った場合」。その「完璧」な手順は、人間的には理解不可能というほどの難解さなので、「そもそもAIの数字ほど白が優勢だったとは言えなかった、ということですね」。その言葉どおり、芝野の好手に続く福岡の一手で形勢は逆転。抜き去った芝野が、1目半勝ちを収めた。局後の芝野は、「いい結果が出てよかった。いい内容の碁だったと思う」と穏やかな笑顔で語った。




