3月 思い出の一局
ご主人の金澤秀男七段と、夫婦棋士トーナメント戦に出場したときの思い出についてご紹介していただきました。
女流棋士の思い出の一局では、担当の女流棋士の印象に残っている一局をご紹介します。対局当時の状況や気持ちを振り返っていただき、その当時の思いを皆さまにお伝えします。 続きを読む
矢代久美子六段 思い出の一局
- 日本棋院90周年記念夫婦棋士トーナメント戦
1回戦 2014年10月6日 - 黒番:矢代久美子六段・金澤秀男七段
白番:鈴木歩六段・林漢傑七段
182手完 白中押勝 棋譜の拡大版は こちら
指導棋士プロフィール
夫婦でインタビューを受けています
昨年秋、夫婦杯の企画を頂いたときはとても嬉しかったです。
主人とは普段から一緒に勉強をしているのですが、いざ一局の碁を打つとなるとどうなるんだろう?とワクワクしていました。
前日から星野リゾートさん(※副賞)のHPをじっくりと閲覧し、気合も十分です。
さて、対局が始まり、左下で変則ジマリが出現したときにはびっくりしました。
19のボウシにさらにびっくり。
主人は、こんな大胆な布石は打ったことなかったはず……!
流行を嫌う私に合わせてくれてるのかな? とさらにテンションが上がったのですが。
・黒29では4の十六にコスミつけるべき
・黒93では8の十と中央に一着入れ、右辺はシノギ勝負に出るべき
・黒105では112に切る一手
・黒109が時間つなぎの大悪手。左辺の白地が確定し、完全に敗勢に
最後、相手のミスがあってワンチャンスあったのですが、こんなに悪手を打っては負けるべき碁ですね。
特に、112に切らなかったところは今棋譜を見てもがっかりです。
意気地がなさ過ぎます。
数多くの失敗経験によってすっかり読みに自信がなくなっているのですが、そこを克服しないと未来がないですね。
自分自身の反省はこの位にしておいて……
主人としては、イマイチ息が合わなかったことを残念がっていました。
確かに、相手はまるで一人で打っているような内容です。ただでさえ強いのにこれは大変。
途中、歩ちゃんが手を渡すなりカンケツ君も手を渡した時には思わず笑ってしまいました。
あの時笑っていなければ……
もっと集中して打っていれば中央の大石仕留められていたかも……
リゾート券……
もし今後機会をいただけたなら、今度こそは主人を喜ばせてあげたいです!