●5日目…生き死に
[3]自陣で相手が生きる場合と死ぬ場合
a.生きる場合と死ぬ場合
・ せっかく自分の地を作っても、そこに相手が入り込んでくる場合もあります。その石を取れればいいのですが、「二眼」作られると生きてしまいます。56図は黒が右上方面を囲っていますが、その中で白が生きていますから、右上の黒地はゼロです。せかっく囲っても、白に入り込まれては何にもなりません。
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・ 57図の右上の白はどうでしょうか。白番と黒番で結果が逆転します。
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まず白番なら58図のように、白1で「二眼」の生きになります。
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しかし、黒番だと違ってきます。59図の黒1なら白2と受けて「二眼」ですが、これは黒1が失敗でした。
59図
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60図の黒1まで飛躍するのがいい手で、これで白は「二眼」作ることができなくなります。
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続いて、61図、白1と打っても、黒2で連絡されてしまいます。
61図
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また、62図のように、白1と連絡を断とうとしても、黒2と打たれると白1の一子を取られてしまいます。黒に△と打たれると、もう白が生きる術はありません。
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・ 63図は黒の包囲網の中で、白が「二眼」作って生きています。
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64図、黒1と打っても、白2で生きているのですが、その理由がお分かりでしょうか。
64図
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たとえば、白2を打たないと、65図、黒1と打たれて、aの地点が「欠け眼」になってしまうのです。
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66図のように、白の周囲に黒△の石を置いてみれば、×印の地点が「欠け眼」であることが分かるでしょう。次に黒から×印に打たれれば、白三子が取られるし、白が×印に打って連絡しても、そこに「二眼目」はできません。
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・ では、67図を見ていただきましょう。×印に白石がないとどうなりますか。
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それが68図です。白1と打てば生きますが、では黒番で考えてください。
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69図の黒1で、白の「二眼」が崩れます。白2と打っても、黒3と逃げますから、黒1の石は取れません。問題は×印の地点がどうなるかです。
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70図の黒△に石が来ると、×印の地点が「欠け眼」になるのです。白1と打っても、黒2で「欠け眼」です。逆に白が2に打っても、今度は黒1で同じことです。「二眼」ができるかどうかで、生き死にが決まります。
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・ 71図はどうでしょう。これも、白番なら生きますが、黒番なら死にです。
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72図、白番なら、白1で「二眼」確保できますから、これは生きですね。
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73図、黒番なら、黒1に打って、白は「一眼」になります。白2と打って黒1の一子を取っても、「二眼」作ることはできません。
73図
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b.すでに死んでいる場合
・ 74図の場合は、白からどう打っても死んでいます。いくつか白の手を考えてみましょう。
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75図、白1と隅に「一眼」作っても、黒2で死ぬことは勉強したばかりですね。
75図
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76図、白1と広げても、黒2と真ん中に打たれると、これも「一眼」しかできません。
76図
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77図のように、白1ともう一歩広げるのはどうでしょうか。
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78図、黒1と打たれると、白△の一子を逃げなければなりません。白2と連絡すれば、黒3でやはり死にです。ですから、74図の白は、このままで死んでいたのです。
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・ 79図はどうでしょうか。この白も、既に死んでいます。
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・ 80図、白1と打っても、黒2と打たれて、白は「ニ眼」を作れません。ですから、黒からは何もしなくても、この白は死んでいるのです。
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・ 81図は白が二個しかありません。白から打って生きるとすれば、
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82図のように、白1のあと、続いて白2と連打する必要があります。しかし、碁は一手ずつ打つゲームですから、そうはいきません。
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83図、白1には、黒2で死にです。続いて白3と打っても、黒はまた放っておいてかまいません。ですから、81図の白は、このままで取られているのです。取れているのか、生きる余地があるのかは、その後の変化を理解していないといけません。そういうのを、「読み」と言って、碁の大切な要素です。「相手がこう打ったら、自分はこう打つ」と、次の手を考えながら打つものなのです。
83図
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・ 【応用②】では、一つ問題を解いていただきましょう。
・ 84図の白はどうなっているのでしょうか。まず、白番で生きれるかどうか、考えてください。
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・ 85図、白1で隅の×印は「一眼」できましたが、黒2に打たれれば、aのところが「欠け眼」です。
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また、86図、白1とこちらを先に打っても、今度は黒2でa,Xの両方が「欠け眼」になります。他に白からいい手はありませんから、この白はどうやっても死んでいたのです。終局したら、黒はこの白を全部取り上げて、相手の地を埋めることができます。相手の石の周囲を全部埋め尽くさなくても、死んでいる石なら、取れているのと同じことなのです。
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●5日目…生き死に