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5日目…生き死に- [2]欠け眼

碁は互いの地の大きさを競うゲームですが、相手の石の天地左右をぴったり封鎖すれば、その石を抜くことができます。また、相手が生きるスペースを奪えば、その石は死んでいますので、終局後に取り上げることができるのです。相手の石を取ったり、殺したりするのも、囲碁の醍醐味の一つです。覚えたばかりのころは、この魅力に取りつかれるかもしれません。

●5日目…生き死に


[2]欠け眼

・ 「二眼」なければ死んでしまうことは、もうお分かりだと思います。二つ確定した眼がないといけないのですが、まだ眼になっていない「欠け眼」という紛らわしい状態がありますので、「完全な眼」と「欠け眼」の違いを見分けられるようにしましょう。
a.「不確定な眼」と「欠け眼」
・ 36図の黒は、まだ「二眼」できていません。×印の地点は「完全な眼」なのですが、aのところは、まだ「不確定な眼」です。ここは、黒から打てば「完全な眼」になって、「二眼」で生きれますが、白から打てば「欠け眼」になって死んでしまいます。

36図

37図の黒1で、aの地点が「完全な眼」になります。これは「二眼」の生きですから、もう白から手出しができません。

37図

しかし、38図のように、白から打てば、白1でaが「欠け眼」になります。

38図

39図、黒△の石は上と左右が白に囲まれていますから、白1と打たれれば取られます。

39図

また、40図の黒1とツイで黒一子を助けても、ここに「眼」はできません。全体で×印の「一眼」しかありませんから、この黒は死んでいます。「欠け眼」は「一眼」の価値がないのです。

40図

・ 41図のように、×印の空点が二つあっても、aの地点が「欠け眼」では同じことです。いずれaの点はふさがれてしまいますから、この黒は「二眼」できません。

41図

・ 42図は、黒石を包囲している白が緩んでいます。×印のところが空いていて、黒を密閉してはいませんが、この隙間に黒の眼をつくることはできませんし、外に逃げ出すことも不可能です。白1と打てば、aの地点が「欠け眼」になりますから、黒は生きることができません。

42図

・ 43図は、×印の地点が空いていますが、aのところが「不確定な眼」なのは同じことです。

43図

黒番なら、44図、黒1と打って「二眼」作ることができますが、白番だとそうはいきません。

44図

45図、白1と打てば、aの地点が「欠け眼」になります。

45図

b.「欠け眼」が二つある場合
・ 46図は「眼」らしきものが三つあります。×印は「完全な眼」でが、aとbは「不確定な眼」なのです。この場合は、aかbのどちらかを「一眼」として確保すればいいので、このままで生きています。

46図

・ 47図のように、白1と一つ「欠け眼」にされても、黒2の方は「完全な眼」にできますから、これで「二眼」作れるのです。

47図


c.「欠け眼」が三つある場合
・ 「完全な眼」が一つもなくて、「不確定な眼」が三つある場合はどうでしょう。48図は、「不確定な眼」が三つあるだけですが、黒番なら生きることができます。

48図

・ 49図の黒1と打って一つ「完全な眼」を確保すれば、「二眼」作ることができます。白2で一つ「欠け眼」にされても、もう一つを黒3と「完全な眼」にすれば、「二眼」になって生きなのです。

49図


・ 50図のように、白番なら黒が死にます。白1とまず一つ「欠け眼」にすれば、黒2と「完全な眼」を一つ作っても、白3で残りを「欠け眼」します。結局全体で「一眼」しかできませんから、白番なら死になのです。

50図


・ 【応用①】
・ 「欠け眼」の本質が分かるテーマです。51図、下の方の黒の眼は「完全な一眼」ですが、上の×印二つのところはどうなっているのでしょうか。これが分かれば、「欠け眼」は卒業です。

51図

・ まず黒番で考えてみましょう。52図の黒1と打てば、×印が「完全な眼」になりますから、これで下の眼と合わせて、「二眼」の生きになります。

52図

・ では、白番ならどうでしょう。53図、白1と外から打てば、黒2とツギます。×印が「完全な眼」になりますから、これも生きています。これは白1が間違えました。

53図

54図、白1と打てば、ここが「欠け眼」になるのです。

54図


続いて、黒2と抜いても、55図のように、×印のところが「欠け眼」です。ここまでくれば、生きていないことがお分かりでしょう。

55図


●5日目…生き死に


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