アメリカ囲碁ニュース

アメリカの囲碁ニュース・棋戦情報をお伝えします。

囲碁ニュース [ 2019年11月18日 ]

マーク・イー7d、コッツェン・オープン5連覇

10月26-27日にかけて、ロサンゼルスにおいてコッツェン・オープンが開催された。米国西部の秋の名物とも言える大会で、今年は155人が参加した。最強のオープンセクションで優勝したのは元韓国棋院院生のマーク・イー7d。全勝で5連覇を果たした。2位はアンディ・リュウ1pだった。優勝したイー7dは「過去の大会と比較しても一番苦しい大会だった。なかなか機会がないので、これほど強い相手と打てるのは嬉しい」と語った。AIの打つ手については「韓国のプロなどから習ったのだが、まだ勉強できていない。もうしばらくしてから試そうかな」と笑った。

大会の様子は米国囲碁連盟のユーチューブチャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCR3qjXCiYEokW7bW3HkFzfg)で見ることができる。

イー7d(左)。3回戦にて。
優勝したイー7d(右)とスポンサーのエリック・コッツェン氏。

American Go E-Journalより

囲碁ニュース [ 2019年10月30日 ]

ベンジャミン・ロックハート7dが死亡

米国の強豪の一人であるベンジャミン・ロックハート7dが10月12日に亡くなった。米国だけでなく欧州、韓国などでもその早すぎる死を悼む声が相次いでいる。ロックハート7dは数年前にがんを患っていることを公表していた。
ロックハート7dは1993年、ニューヨーク生まれ。囲碁は数学教師で、学校での囲碁の指導もおこなっている父親から9歳のときに習った。16歳の頃から真剣に取り組み始め、19歳の時には韓国にわたり、ソウルの沖岩囲碁道場で数年間研鑽を積んだ。米国囲碁連盟システム下のプロになることを目指し、その様子は兄のウィリアム・ロックハートさんが監督した映画『The Surrounding Game(https://www.surroundinggamemovie.com/)』にも収められた。

2014年、韓国国務総理杯にて。(写真:国際囲碁連盟)

アメリカ陸軍指揮幕僚大学で囲碁がカリキュラムの一部に

スターレット氏。

米国カンザス州レブンワースにある陸軍指揮幕僚大学で、囲碁がカリキュラムの一部に用いられている。シミュレーション教育の責任者を務めるジェームズ・スターレット氏が取り入れた。学生は30分囲碁を打った後に、ゲームそのものについて議論する。将来の幕僚となる学生に、「いかに少数のルールを通じて、深みがあり役にも立つゲームが成立しているか」を学んでもらうのが目的で、この経験をトレーニングのデザイン開発に活かすことになる。
スターレット氏自身は囲碁を大学時代に始めたそうで、「当時は友人と、ホームメイドの盤とボトルの蓋を使って打っていた」そうだ。シミュレーションに関する教育では、チェスやクリークシュピールといったボードゲームも用いているという。米国囲碁連盟によるスターレット氏のインタビューはこちら(https://drive.google.com/file/d/1SJdK8U1KrdmZL_AtzqlqTt-UVBjWBSCg/view)で閲覧できる。

ルイ1p、バージニア・オープンで優勝

優勝のルイ1p。

第8回となるバージニア・オープンが9月28日にバージニア州ビエナで開催された。26人が参加し、最強のオープンセクションには5d以上9人を含む10人が参加した。3回戦の結果はエリック・ルイ1pが全勝優勝した。ルイ1pは米国囲碁連盟プロとしては最も米国内の大会に参加しているプレーヤー。2位はジャスティン・テン6dだった。なお、同大会においては中国の北京大学および清華大学OBによる3人の対抗戦も開かれた。結果は北京大学OBチームが2対1で勝利した。

大会の様子。
大会参加者。

American Go E-Journalより

囲碁ニュース [ 2019年7月23日 ]

米国囲碁コングレス、マスターズでは牛2pが優勝

米国囲碁コングレスが7月13-20日にウィスコンシン州マディソンにおいて開催された。全体では450人超が参加した。例年通りメイン大会に加え、米国ペア碁選手権、USシティリーグ決勝ステージ、青少年向けのレドモンド杯などの大会、また9路、13路盤、ベテラン大会、女性向け大会など様々なサイドイベントが行われた。

トッププレーヤーが参加するUSマスターズでは日本棋院の牛栄子2pが優勝した。牛2pは5連勝の後、韓国棋院元院生のマーク・リー7dに敗れたが、最終戦では米国囲碁連盟プロのエリック・ルイ1pを破り6勝1敗で優勝を果たした。2位は牛2pが2回戦で破ったツォンファン・ジャン7dで同じく6勝1敗。3位にはマーク・リー7d(5勝2敗)が入った。

湖に沈む美しい夕日。
コングレスの冒頭に開かれたパンダネット主催のシティリーグではニューヨーク・シティチームが昨年に続き優勝した。決勝は昨年同様グレーター・ワシントンチームとの対局だった。右からステファニー・イン1p、ライアン・リー1p、ハンチェン・ツァン1p。
日本棋院開催による囲碁講師向けワークショップ。水間俊文7p、田尻悠人5pが指導にあたった。
USオープン大会の様子。
9路盤大会。
米国の形をした碁盤で対局する子どもたち。
ベテラン大会の様子。
ペア碁大会の様子。
ペア碁優勝のイェ7d(左)とリ3d(中央)。右は李夏辰4p。
USマスターズで優勝を果たした牛2p。


American Go E-Journal
より

囲碁ニュース [ 2019年6月10日 ]

米国囲碁財団の選ぶ「ティーチャー・オブ・ザ・イヤー」、ユーチューバーのシビッキー氏に

米国囲碁財団は、優秀な指導者に与えられる賞「ティーチャー・オブ・ザ・イヤー」をシアトル在住のニック・シビッキー氏に授与した。シビッキー氏は2012年以来、ユーチューブ上で囲碁レッスンビデオを公開。教育的ながらユーモラスな内容で、同氏のチャンネルは2万3千人が登録する人気チャンネルとなっている。ほぼ毎週更新され、ビデオの総数は345にも達する。シビッキー氏は、成功の秘訣について「定期的に更新すること、プレーヤーとのやりとりをビデオの中に取り入れて、視聴者が聞きたい質問をとりあげること」を挙げた。また「囲碁が好きだし、囲碁を他の人とシェアするのが好きだ」と語った。

ロサンゼルスチーム、中国都市囲碁リーグに参加

作戦を練るチーム。
キャプテンの王立誠9pが着手。

ロサンゼルスのチームが柳州市で開かれた2019年の中国都市囲碁リーグに参加している。この大会はいわゆる「リレー碁」の形を採り、中国24チーム、外国の8チームが参加している。チームリーダーのピーター・チャン氏が参加資金などのアレンジを行って参加が実現した。同チームのキャプテンは王立誠9p。これに、マイケル・レドモンド9pのほか、プロアマあわせて7人が加わった。ロサンゼルスチームは昨年の準優勝チームである景徳鎮チームに勝利。続くラウンドでは昨年の優勝チームである南京チームに破れたが、第3ラウンドでは天津チームに勝利した。都市囲碁リーグは8月末に残りの4回戦が行われる。ロサンゼルスチームはここで2勝をあげると、決勝ステージに進出できる。

メリーランド・オープン、フアン7dが優勝

第46回となるメリーランド・オープン大会が5月25-26日の週末に開かれた。75人が集まった。最強のオープンセクションではアラン・フアン7dがエリック・ルイ1pを下し、全勝優勝を収めた。

優勝を収めたフアン7d。
大会の様子。

American Go E-Journalより

囲碁ニュース [ 2019年5月2日 ]

『囲碁の算法 ヨセの研究』の著者、エルウィン・バーリカンプ氏が死去

数学者のエルウィン・バーリカンプ氏が4月9日に亡くなった。78歳だった。バーリカンプ氏はカリフォルニア大学バークレー校の名誉教授を務め、特に符号理論や組み合わせゲーム理論で大きな業績を残した。囲碁においては、『Mathematical Go(日本語題:囲碁の算法 ヨセの研究)』を著したことで知られる。ヨセを数学の面から扱ったこの本は、英語から日本語に訳された希少な囲碁の著作となった。バーリカンプ氏は自身が選んだヨセの問題で日本の囲碁トッププロに挑戦、黒白両方を持って7連勝を収めた。バークレー校数学研究所(MSRI)のアイゼンバッド所長は、「数学対直感の対決で、数学が勝利を収めたのです。非常に印象的で、バーリカンプ氏はとてもその結果を誇りとしていました」と語った。

「アマゾンズ」と言われるゲームを対戦中のバーリカンプ氏(左)。

American Go E-Journalより

囲碁ニュース [ 2019年4月25日 ]

ナショナル囲碁センター、2日の大会を初めて開催

ワシントンDCにあるナショナル囲碁センター(NGC)は3月30-31日の週末に初めて2日にわたる大会「NGCチェリーブロッサム(桜)」を開催した。42人が参加した。優勝はエリック・ルイ1pで、5戦全勝を果たした。2位はジャスティン・テン6dだった。

なお、4月13日にはワシントンDCのペンシルベニア・アベニューで「桜まつり」が開かれ、地元囲碁クラブが初心者指導を行った。

優勝したルイ1p(左)と2位のテン6d。
桜まつりの様子。15人のボランティアが初心者指導を行った。

American Go E-Journalより

囲碁ニュース [ 2019年3月20日 ]

チェン杯囲碁大会開催、マーク・イ7dが優勝

チェン杯囲碁大会が2月16-17日、カリフォルニアのアーバインにおいて開催された。この大会はこれまで「南カリフォルニア囲碁選手権」という名前だったが、今回チェン・ジンウェイ氏がスポンサーとなり、同氏の名前を冠することになった。優勝したのは元韓国棋院院生のマーク・イ7d。すべての対局を中押しで勝利、同大会での対局連勝記録を21に伸ばした。


左が優勝のイ7d。右はスポンサーのチェン・ジンウェイ氏。


American Go E-Journal
より

囲碁ニュース [ 2019年2月26日 ]

サンフランシスコで江鋳久・応氏杯が開催

サンフランシスコにおいて2月10日、第27回となる「江鋳久・応氏杯」が開催された。62人が5セクションに分かれ、4回戦で優勝を争った。トップグループで優勝したのはスー・ファンジャさん、2位はタオ・シュアイヘンさんだった。同大会はカリフォルニアの応氏財団がスポンサーとなっている。今回大会では、芮廼偉9pの御兄弟であるルイ・ナイジャンさんのご家族も中国から飛び入りで参加した。ルイさんは、トップグループで4位に入賞した。

ワシントンDCでの旧正月囲碁大会、ルイ1pが優勝

第12回目となる春節(旧正月)を記念する大会が2月第3週末にワシントンDCのナショナル囲碁センターで開催された。44人が参加した。トップグループの優勝は4戦全勝のエリック・ルイ1p、2位はジャスティン・テン6dだった。この大会に並行して、子供向けの初心者大会も開かれた。
なお、ナショナル囲碁センターはこれまで1日開催の大会のみを行っていたが、5月30-31日にははじめて2日、5回戦にわたる大会(花見大会およびワシントンDC周辺エリアの選手権)を実施する予定。


左が優勝したエリック・ルイ1p。


American Go E-Journal
より

囲碁ニュース [ 2019年1月11日 ]

第3回ラテンアメリカ囲碁コングレス、ブラジルで開催へ

中南米各国の囲碁連盟をまとめるイベロアメリカ囲碁連盟は、第3回ラテンアメリカ囲碁コングレスの開催国としてブラジルを指名した。サンパウロにおいて2019年10月10-13日にかけて開かれる。2019年は、サンパウロの日本棋院南米囲碁会館が創立30周年を迎える記念年でもある。コングレスでは、第21回イベロアメリカ囲碁選手権をはじめとして、青少年選手権、ペア碁選手権、パンダネット主催のチーム選手権決勝といったイベントが行われる。日本棋院、韓国棋院、中国棋院、米国囲碁連盟、欧州囲碁連盟からプロが参加する見込み。


サンパウロの日本棋院南米囲碁会館。

シアトル囲碁センターでペア碁イベントが開催

米シアトル囲碁センターにおいて毎年恒例となるペア碁大会が開催された。今年で6度目の開催となる。大会にはサンフランシスコ在住の李夏辰(イ・ハジン)4pも参加し、華やかなものとなった。


李4p(左)夫妻ペアが地元ペアと対局。

 


American Go E-Journal
より

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