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9月 思い出の一局

第28期新人王戦本戦 張栩新人王との対局をご紹介していただきました。

女流棋士の思い出の一局では、担当の女流棋士の印象に残っている一局をご紹介します。対局当時の状況や気持ちを振り返っていただき、その当時の思いを皆さまにお伝えします。 続きを読む

華の女流棋士 思い出の一局

井澤秋乃四段 思い出の一局


井澤秋乃四段
プロフィール詳細
第28期 新人王戦
黒番:張栩新人王 白番:井澤秋乃三段
141手完 黒中押し勝ち

棋譜の拡大版は こちら

指導棋士プロフィール

井澤秋乃四段
昭和53年10月31日生。奈良。
平成10年入段、同年二段、13年三段、19年四段、日本棋院東京本院に移籍。
平成19年第6期テレビ大阪杯・関西女流トーナメント優勝。
高梨聖健八段は夫。

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思い出の一局 棋譜

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私の思い出の一局は、第28期新人王戦本戦、当時新人王の張栩さんとの対局です。
当時私は24歳、張さんは23歳。
新人王といっても、前年は70勝をあげ、この対局の直前に本因坊戦の挑戦者に決まるなど飛ぶ鳥を落とす勢いの張さん。
そんな相手との対局ということで、最初は打つ前から怖気づいたような気持ちでしたが、対局が近づくにつれ、強い人と打てるんだと楽しみな気持ちに変わっていったのを覚えています。
序盤はゆっくり打とうと臨んだにもかかわらず、相手はよく打つ布石なのか接戦モードに突入。
打つ手がほとんどノータイムなので、こちらはなんだか妙に不安を感じながら慎重に打ち進めていました。
白16からの反発で、白24では黒25のところに打って、黒つなぎを交換してから24の所へうつのでした。
実戦は黒25と打たれると上辺の白が封鎖され、早くも苦しい展開になりました。

白50と外に出た形となり、苦しいながらも一息ついたのもつかの間、黒55が好手で、白は窮しました。
打たれた瞬間心の中で「そんな手があったのか」と嘆いてしまいました。
その後白には良いところがなく、最後は鮮やかに決められてしまいました。
終わってみれば完敗で悔いが残る内容となりましたが、トッププロの強さを直接感じられて非常に印象に残る対局となりました。

リベンジ!といきたいところですが、張さんと対局するには予選をいっぱい勝たなければいけません。
対局できるだけでも大変なこと・・・
まずは一戦一戦がんばっていきたいと思います。

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