7月 思い出の一局
NHK杯での対局の思い出をご紹介していただきました。
女流棋士の思い出の一局では、担当の女流棋士の印象に残っている一局をご紹介します。対局当時の状況や気持ちを振り返っていただき、その当時の思いを皆さまにお伝えします。 続きを読む
万波佳奈四段 思い出の一局
- 54回 NHK杯戦 1回戦
- 黒番:万波佳奈女流棋聖 白番:神田英九段
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指導棋士プロフィール
NHK杯に二回目に出場したときの碁です。
もう九年も前になることに自分でもびっくりしました。
久しぶりに並べ返しましたが、自分でものびのび打てているなあと思いました。
序盤から中盤への攻めて攻めていくところ、そして中盤以降の緩みがちになるところなど、
まさに自分の棋風そのものが出ています。
対局中、最後は自分が半目勝っているのか、負けているのか、計算ができずわかりませんでした。
そのため249手目で一目でも得をしようとがんばりすぎ、あっけなく右下隅を手にされ、私の投了となりました。神田先生は計算ができておられ、そのため248手目ツケと手をつけてこられました。
終局後は超一流の先生の勝敗への鋭さをしみじみと感じ、今でもその思いは胸に残っています。
うまく言えませんが、私にとって「勝負」というものを痛烈に感じた一局です。