7月 思い出の一局
実妹の万波奈緒二段(当時)と対局した2011年女流名人戦予選を思い出の一局としてご紹介していただきました。
女流棋士の思い出の一局では、担当の女流棋士の印象に残っている一局をご紹介します。対局当時の状況や気持ちを振り返っていただき、その当時の思いを皆さまにお伝えします。 続きを読む
万波佳奈四段 思い出の一局
- 2011年7月7日 第24期 女流名人戦予選A
- 黒番:万波佳奈四段 白番:万波奈緒二段
棋譜の拡大版は こちら
指導棋士プロフィール
「思い出の一局」と伺って、いろんな対局が頭をよぎったのですが、
一番最初に出てきたのが妹の奈穂との対局でした。
これまで妹とは公式戦で二局対局し、一勝一敗。今回ご紹介するのは、その中の私が負けた碁です。
勝てば女流名人リーグ入りという大事な対局。
どうやら私は「リーグ入り」ということよりも「姉として負けるわけにいかない!」とそちらのほうに意識が向いていたようです。だいぶ肩に力が入っていたわけですが、内容も力が入りすぎな一局でした。
私の黒番。序盤、上辺での黒31の打ちこみがまさにそれ。
白34と肩をツカれて、ハタと困りました。黒35のコスミはすでに形がよれていますよね。
さらに黒37もなんだか力を溜め過ぎです。対する妹は白46とおおらかに封鎖し、のびのびした雰囲気です。
このあとも私の力任せの攻めも、妹に華麗にかわされ、完敗となりました。
奈穂と対局できるのは本当にうれしかったのですが、私の精神面のもろさが出た内容にしばらくは後悔ばかりでした。
この対局から3年経っているのですが、私たち姉妹の会話にこの対局のことは出てきません(笑)
妹も気を使っているのかしら。
姉として妹の活躍は本当にうれしいですし、また手合に復帰しましたら、 ぜひ奈穂と対局できるようがんばっていきたいです!