4月 思い出の一局
日本棋院の院生だったときに出場した公開対局での思い出をご紹介していただきました。
女流棋士の思い出の一局では、担当の女流棋士の印象に残っている一局をご紹介します。対局当時の状況や気持ちを振り返っていただき、その当時の思いを皆さまにお伝えします。 続きを読む
加藤朋子六段 思い出の一局
思い出の一局というより、それにまつわる思い出の記憶をお話します。
中学3年生の時、当時日本棋院の院生でした。ある、公開対局に出させていただくこととなり、ホテルのパーティー会場の舞台で、しかも隣で大盤解説。
相手の先生は先輩女流棋士で定先での挑戦。というものでした。観客席も記念のパーティーということで何しろ大勢いました。
力不足な上、慣れない場での緊張が重なり、まったく歯が立たないひどい碁だったのも記憶にあります。これも思い出の一局ということですが、終わって、会場の中に本でしか見たことのない呉清源先生のもとへ。
知り合いに手をひかれ、「呉清源先生の手を見せてもらいなさい。」と失礼ながら見せていただきました。
両手の中指が、修行時代に重い本を片手に碁を並べ左手が疲れたら、右手に持ち替え、その本の重みで支えていた指が曲がってしまっている。というエピソードがあります。
当時書籍などで認識していましたが、実際に掌を広げ失礼にも見せていただいたのを今でもよく覚えています。
碁にかける思いがひしひしと伝わります。昔は右手の人差し指の爪が伸びにくいとか、石の摩擦でピカピカに爪が光っている人とか、すごいなぁ、っと思いました。
今は、インターネットで対局をし碁も見ることができます。もっともっと利用して勉強しなければいけませんね。。。。