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12月 女流棋士囲碁相談室

青葉かおり四段へのご相談

毎月月初に更新される「女流棋士囲碁相談室」、月々担当する華の女流棋士が、最近の出来事などの近況のお手紙とともに質問に回答していただきます。 続きを読む

あなたのお悩み囲碁相談室

今月のご相談 其の一

青葉先生こんにちは。NHKの囲碁講座はとても楽しく拝見させていただきました。さて、私はまだパンダネットで13級のビギナー(といっても打ち始めて3年以上になるのですが・・・)なのですが、どうも考えるのが遅く、やはり初心者は初心者らしくリズムよく打ったほうがよいのでしょうか?それとも相手のことは余り気にせず、自分のペースで打ったほうが良いのでしょうか?ご意見をお聞かせ願えると光栄です。

東京都 竹本さんからのご相談

竹本さん、こんにちは。
最近、日に日に寒くなってきましたので、竹本さんのように自宅でパンダネットを楽しむには、ぴったりの季節ですね。

さて、竹本さんの打つ手が遅いのでは、というお悩みにお答えします。
私は、打つ手が早い方が良いか、時間をかけた方が良いかは一長一短だと思います。

先ず、打つ手が早い場合のメリットは、囲碁は考えても分からない場所が沢山あり、何度か失敗して覚える事が多いので、早く打てば、それだけ経験が増え上達も早いと言えます。しかし、ただ闇雲に早く打つだけでは、同じ失敗を繰り返す、ということになりかねません。勝負所では一呼吸おいて考えたいものです。

一方、打つ手に時間をかけた場合のメリットは、考えて打つとそれだけ1局、1局の真剣度が高まり、先を読む力もつきます。しかし、いくら考えても分からない時は、まずは打ってみて、どうなるか試してみる事が大切だと思います。

というわけで、打つ手の早さは個人差もありますので、どちらが良いとは言えませんが、お相手もあることですし、1局を30分から1時間半位で打たれると宜しいのでは、と思います。

どうぞ竹本さんに合ったスタイルでこれからも囲碁を楽しんで下さいね!

今月のご相談 其の二

白番が苦手です。黒番だと、自分のペースで楽しく打てるのですが、白番だとうまくいきません。白番の苦手意識をなくすにはどういったことを勉強すべきでしょうか。教えてください。

新潟県 麻川さんからのご相談

麻川さん、こんにちは。お便り、ありがとうございます。

麻川さんは白番を苦手にされているとのこと、なるほど、同じ悩みを持たれている方は大勢いらっしゃるでしょうね。
それでは、私が互先で白番を持った時の基本的な考え方を紹介したいと思います。白番の場合、気を付けることは、いきなり戦いの碁にすると不利になる可能性が高い、ということです。黒の方が先に打っているので、単純に考えて戦いは黒の方が有利です。

なので、私は白番を持つとゆっくりした碁を目指します。ゆっくりと陣地を取り合って打っていれば、段々と先着の効が薄まり、寄せ勝負に持ち込めば6目半のコミが大きいのです。

もちろん、戦いをさけると言っても自分の石が多いところでは戦うべきですが、黒石が多いところでは無理に戦うのを避け、軽く相手の模様を消す、または自分の陣地や模様を広げる、という要領です。

具体的な白番の勉強方法としては、好きな棋士の白番の棋譜を並べると効果的だと思います。私のお薦めは、棋士の中でも厚くて本格的と言われる高尾紳路十段の白番の棋譜、または、平明な棋風といわれ、寄せの名手でもある高川秀格先生の白番の棋譜です。

今後、麻川さんが白番を持たれた時は、急戦にせず、ゆっくりとした気分でと、少し意識を変えられるだけでもかなり違うと思います。
是非、試して下さいね!

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