7月 女流棋士囲碁相談室
万波佳奈四段へのご相談
毎月月初に更新される「女流棋士囲碁相談室」、月々担当する華の女流棋士が、最近の出来事などの近況のお手紙とともに質問に回答していただきます。 続きを読む
今月のご相談 其の一
棋力に関係なく模様をすぐに荒らしにくるタイプが苦手です。このタイプとは相性が悪いようで、自分より下の級でも必ずと言っていいほど負けてしまいます。どうしたらよいでしょうか?何か打開する方法はあるでしょうか?
神奈川県 木内さんからのご相談
木内さん、こんにちは。ご相談をありがとうございます。
模様をすぐ荒らされてしまう、せっかくの模様がすぐ小さくなってしまうとそのあとの打ち方に困ってしまいますよね。私も以前は模様の碁でしたのでお気持ち、よく分かります。
模様の碁ですが、地を作りやすいイメージがありますが、実は戦いの打ち方になります。自分の石が多い中に相手が入ってきますので、その石を優位に攻めていき、その効果で相手の地を荒らしたり、思わぬところに地を作る、それが模様の碁の作戦となります。
木内さんのご相談は「すぐ荒らしにくるタイプ」とおっしゃっていましたので、まだ布石途中で模様を荒らしにきた場合は、まずは布石を打ち進めてみてください。大場を打ち終えたあと、荒らしにきた石をじっくり攻めてみる、これで碁が遅れることはありません。
また、布石がおわったあと早々に荒らしにきた場合は、その石を攻めて相手の地を荒らすことを意識してみてください。布石がおわった直後はまだ相手の地も固まっておらず、荒らしやすいです。
ポイントとしては荒らしたい地の方向に石を攻めていく、こうすると自然に自分の石が相手の地に入ることができます。荒らしたら荒らし返す、これが模様の碁の作戦の一つでもあります^^
模様の碁はロマンがあります。どうぞこれからも伸びやかな素敵な碁を楽しまれてくださいね。
今月のご相談 其の二
万波先生、こんにちは。先生は、対局中に集中力が切れることはありますか? 切れるとしたらどんな時ですか?また、切れないように気をつけていることはありますか?
石川県 横倉さんからのご相談
横倉さん、こんにちは。ご質問をありがとうございます。
対局中に集中力が切れること、よくあります(^_^;)
ハッと気づいたら別のことを考えていて、「これではいかん!」と思うことが度々・・・。切れるときとしては、だんだん疲れが出てくる中盤の終りごろとなります。
切れないように気をつけていることは、集中力は鍛えられると聞きましたので、普段から意識するようにしています。勉強をしているときは「集中するんだ!」と自分に言い聞かせ、2時間なら2時間、必死に集中するようにしています。終わったあとはかなりくたくたになりますが・・・。
また不思議なもので、よく勉強しているときは対局中も集中力が切れなくなります。体が碁に入りやすくなっているのでしょうか、そのようなときは対局が終わった瞬間に周りのことに気づき、どっと体の力が抜けます。
また、対局中、集中力が切れやすくなったときは席を立ち、トイレの鏡の前で「しっかりするんだ!がんばるんだ!」と自分に言い聞かせます。ちょっと暗示をかけているのかもしれませんね。
なんだか曖昧な回答になってしまいましたが、いかがでしょうか?
ぜひこれからも夢中になるぐらい楽しい囲碁を、満喫されてくださいね。