1月 女流棋士囲碁相談室
佃亜紀子五段へのご相談
毎月月初に更新される「女流棋士囲碁相談室」、月々担当する華の女流棋士が、最近の出来事などの近況のお手紙とともに質問に回答していただきます。 続きを読む
今月のご相談 其の一
佃亜紀子先生はじめまして。私は現在パンダネット三段です。対局が大石の攻め合いなど、取るか取られるかの勝負になると結構勝てるのですが、そうならない場合はほとんど負けてしまいます。特に布石が終わった段階で結構負けていると思うことが多いです。布石の本などを見て勉強していますが一向によくなりません。このような勉強をするときのコツを教えてください。
よろしくお願いします。
東京都 片山さんからのご相談
攻め合いなど大事な所で勝てるというのは、片山さんは読む力がしっかりしているのでしょうねー!
碁は読みのほかに感覚と判断力が必要です。
布石が終わった段階で負けているのは、相手の手にお付き合いして小さな手を打ってしまい、先手を取られて遅れているのではないかと考えられます。
または相手の石を狙い過ぎたり、逆に自分の石を守り過ぎて価値の小さい手を打っている事も考えられます。
基本的に布石は最初に隅を打った後、次に三線や四線の辺に価値があるので順番に陣地を取っていけばいいのですが、布石を打っている時は、先手を取ったら次にどこが一番価値があるのかと常に周りを見渡して意識するのがいいと思います。意識をするというのは判断力もついてくるのでとても大事だと思います。
あと、対局後に振り返って、どこが悪かったか自分の悪手を検討するのも大事です。振り返ることで自分の癖もなおりやすくなります。
意識する事と対局後に振り返る事の2点で棋力アップ間違いなしです!
今月のご相談 其の二
昨日の成績は4勝8負でした。今朝になって再現して敗因を検討してみたら、敗着は全てノータイムで打っているものです。死活、大石の切断など、肝心なときに衝動的に第一感に浮かんだ手を打って負けています。対局開始の時は良く考えて打とうと思っているのですが戦いが始まり大切な時に読まずに打ってしまいます。この悪癖を直す方法はないでしょうか。
埼玉県 岡田さんからのご相談
私もよくノータイムで打ってすぐ後悔することがしょっちゅうあります(笑)
第一感の感覚で打つのも大事ですが、死活が絡んだりする肝心な場面でのノータイムは、相手の手をそんなに読んでいない為に失敗する確率も増えます。感覚よりも数手先を読んでから打ったほうが良いですね。
ノータイムで打たないようにするには詰め碁の勉強がおすすめです。
詰め碁は相手の抵抗手段を何通りも考えてないといけないので、すぐに答えが出ず時間がかかります。なので詰め碁を続けていると自然と大事な所で考えてしまうのではないでしょうか。
詰め碁は根気がいりますが、易しい問題からでもいいので続けていくことが大事です。頑張ってくださいね!