9月 女流棋士囲碁相談室
井澤秋乃三段へのご相談
毎月月初に更新される「女流棋士囲碁相談室」、月々担当する華の女流棋士が、最近の出来事などの近況のお手紙とともに質問に回答していただきます。 続きを読む
今月のご相談 其の一
井澤先生はじめまして。囲碁が好きな私は、毎日1~2時間、本などで勉強しておりますが、 どうもあまり上達していないようです。井澤先生は普段どのくらいの時間を費やされ、またどのような教材などで日々取り組んでいるのでしょうか? 是非お教えください。
岩手県 岡田さんからのご相談
岡田さん、こんにちは。ご質問ありがとうございます。
毎日1、2時間勉強されているとは素晴らしいですね!
私の勉強時間ですが、私は集中力があまり続かないので、最近は、一人で家でする時は午前中に集中してするようにしています。だいたい2時間くらいでしょうか。
その時間はたいてい毎週打たれているプロの打碁並べです。週間碁、碁ワールド、新聞の切り抜きなど、解説付きの碁を並べるのも勉強になります。
あとは週1回の研究会で、自分たちの打った碁を検討したり、早碁を打ったりしています。
岡田さんの勉強量は十分多いと思うので、
上達されないということは、もしかして対局が少ないのかもしれませんね。
やはり実戦は一番の勉強になりますから、
「勉強+実戦」でこれからもがんばって下さい!!
今月のご相談 其の二
こんにちは。私は対局もですが、観戦がとても好きでタイトル戦の時などはテレビとパソコンの前から離れません。
長考で30分~1時間以上要することがあるのを見ますが、プロの先生方はその時どのような事をお考えになっているのですか。
先の手を考えているとすれば何手くらい先まで読んでいるのでしょう。それとも別のことを考えたりすることがあるのでしょうか。よろしくお願いします。
東京都 松永さんからのご相談
松永さんこんにちは。ご質問ありがとうございます。
対局だけでなく観戦でも楽しまれているとの事、嬉しく思います。
持ち時間の使い方には個人差があると思うので、私のお話をしますね。
私は長考派なので、持ち時間が5時間あった時は、1手に1時間近く使ってしまうこともありました。
最近では3時間の碁が増えたので時間の使い方を考えるようになりましたが、それでも30分くらい
長考する時もあります。
内容は、といえば、まず第一観で浮かんだ手に間違いがないかを確認します。あれば他の手を考えます。
こういうと簡単に結論が出そうですが、碁の難しいところは、はっきりとした答えがないところなんですよね。第一観の手と他の手でいくつか構想をねって、頭の中ではっきりとした形にはなるのですが一体どの展開がいいのか? 時間を使っているのは、その"悩み"の時間がほとんどです。
結局判断できなくて第一観の手を選ぶということもよくあります。
読んでいる手数としては、1つの形から枝分かれに様々な形が出てくると、100手くらいになることはあると思います。
それと、これも私の場合ですが、私は自分の手番の時は盤面のことを考えますが、相手が長考している時は、例えばお昼前だと、何食べようかなーとか、他の碁をよそ見したりすることもあります… ちゃんと集中しないとダメですよね!
これからも、対局に観戦に、楽しく囲碁を続けて下さいね!