11月 女流棋士囲碁相談室
大澤奈留美三段へのご相談
毎月月初に更新される「女流棋士囲碁相談室」、月々担当する華の女流棋士が、最近の出来事などの近況のお手紙とともに質問に回答していただきます。 続きを読む
今月のご相談 其の一
碁を始めて、はや3年。打てども、打てども負けてばかり。 けれども認定問題の成績だけは好調でもうじき初段というおかしな私です(笑)
碁は対局も楽しいですが、1人でも楽しめる頭脳ゲームと思って、戦績はあまり気にしないようにしています。(認定問題などを考えるのは楽しいですし)
さて、最近の悩みなのですが、「石の力関係」がいまいち上手く把握できない。ということです。自分が対局している分には「なんとなく」というか、「感覚」で
「この石が薄い(厚い)」
「かたち的に弱い」
「相手の石との相対関係で危うい」
というのがわかっている(つもり)ですが、問題なのは人に教える時です。「この石は弱いでしょ」と言ってもそれがわからない人に「石が強い、弱い」を言葉で説明するのが非常に難しいです。これは、やはり実戦から学び取るしかないのでしょうか?
埼玉県 水木さんからのご相談
水木さん、ご質問ありがとうございます♪
とても難しい悩みですね。感覚的な事を数少ない言葉で伝えるのはとても困難ですね。
私も、良いアドバイスがさっぱり浮かびませんが、石が「厚い・強い」「薄い・弱い」は、相手から見た自分の石が危なかったら「薄い・・弱い」、危なくなかったら「厚い・強い」ぐらいしか思い浮かびません。
質問とは少しずれますが、必ずしも厚いのが良くて薄いのが悪い訳ではなく、大切な石かどうかを考えて見極めるのが大切です。薄い石が大切でないと感じた時は、非情な様ですが相手に差し上げて、その分、他の大きく大切なスペースへ向かうのも時には必要です。今どこが大きいか、どこが大切か、自分に問いかける事が大切だと私は勝手に思っています。
水木さんは3年で初段とはとても順調ですね♪ 悩みが"人に教える時の事"とは、とても親切な方なのですね。(^▽^)
これからも頑張って下さいね♪
今月のご相談 其の二
今年は台風で大変でしたが、囲碁の時だけは、のんびり楽しんでおります。ところで、上達には簡単な詰碁をたくさん解くのが良いとよく聞くのですが、プロの先生の方々は囲碁発陽論とか玄玄碁経とかは全て解かれているのでしょうか?また、詰碁、死活でお勧めの本または良い方法がございましたら、教えてください。以上、宜しくお願いします。
徳島県 榎本さんからのご相談
榎本さん、ご質問ありがとうございます♪
発陽論や玄玄碁経は入段する前にかじる程度やった記憶はあるのですが、それから数年間お見かけしません。(^ー^) 私の周りでは、院王時代にやっている人がたくさんいました。棋士の方は一度は目を通している人が多いと思いますよ(ただの推測ですが ^ー^)。
お勧めの本ですが、あまり本を持っていなくて、本を見に行く時間がなかったのですみません。
なので、私が選ぶとしたら、まず基本は、解く気がわいてくるもの。広くて解く気がしないものだと楽しくないですから。
それと、実践に出現しやすい基本的なもの。 あとは、何問か解いてみて(もしくは答えを見て)「うまいっ!」と感動できる本がいいのではないでしょうか。感動する詰碁に出会うと、ちょっとお得に強くなれた気がします。
榎本さん、感動出来る詰碁の本を探してみて下さいね♪