7月 女流棋士囲碁相談室
万波佳奈女流棋聖へのご相談
毎月月初に更新される「女流棋士囲碁相談室」、月々担当する華の女流棋士が、最近の出来事などの近況のお手紙とともに質問に回答していただきます。 続きを読む
今月のご相談 其の一
NHK杯の司会としてのご活躍をいつも楽しく拝見していました。
TV対局でナルホドと思った手はメモしていますが、なかなか実戦に生かせません。
どのように観戦すれば力になるのでしょうか。
静岡県 荒木様より
荒木さん、ご質問どうもありがとうございます。
TV対局は超一流の先生の碁を間近で体験でき、とても勉強になりますよね!私もNHK杯の司会を二年間務めさせていただきましたが、自分が感じている以上に大変勉強になり、本当にありがたい気持ちでいっぱいです。
どのように観戦すれば力になるのか、とのことですが、私は次の手を予想しながら見るのが一番だと思います。もちろん全部の手でなくてもいいですよ。
たとえば考慮時間を使ったときは、次の手が重要で大事な手ということですから、この間に「自分ならこう打つかな?」という予想を立ててみます。
その予想を持ったまま次の手を見てみると、もし当たっていたのならプロと同じ手ということですから自信を持っていいですし、間違っていてもこの場面ではここに打つのがいいのか、とはっきりわかることができます。
実は上記のように「勉強になった」と書かせていただいたのは、私も司会をさせていただきながら、無意識のうちに次の手を予想していました。そのため自分の予想になかった手を打たれたときは、本当に心から感動することができましたし、自分の考えを見直すことができました。それを積み重ねることができたのは、自分の中でとても大切な勉強となっています。
また荒木さんはナルホドと思った手をメモしてらっしゃるのですね。
これはとてもいい勉強方法です!!
メモをすることではっきりと覚えることができますし、後日そのメモを見直してみるとまた新たな発見をすることができます。これはぜひ続けていっていただきたい勉強方法ですね(*^_^*)
それに荒木さんはメモのことなどを伺っても勉強熱心な方というのがよくわかりますし、
どんどん力が付くことと思います。
これからもぜひ楽しく観戦しながら、実力を高めていってください。
今月のご相談 其の二
佳奈先生!初めまして。詰め碁が苦手なこともあってイザ隅や辺での闘いになるとどうやっても相手の眼形をつぶすことが出来ないことが多々あります。そのためには、死活をもっと学ばなくてはと思うのですがナカナカ楽しむことが出来ません。
佳奈先生はどのようにして、苦手な事を克服されてありますか? それを楽しむ方法があれば、ご教授おねがいします。
福岡県 田中様より
田中さん、ご質問どうもありがとうございます。
私も昔は詰め碁が大の苦手でした。今でもそれほど得意ではありませんけど・・・
私の場合その苦手な詰め碁の勉強をどうやって克服したかというと、自分の答えが正誤だったかを本に記入することでした。
これは私の親から伝授された方法なのですが、まず詰め碁を碁盤に並べるなどして、じっくり考えます。そして解けたと思ったら答えを見て、正解か否かというのをその詰め碁のページに小さくメモしておきます。正解なら「○」違っていたなら「×」というように。日にちなども入れておけばなお良いですね。
そしてがんばってその一冊を解き、後日もう一回やり直すときにそれが役に立ちます。詰め碁はやはり繰り返すのが一番ですからね。
もう一度解き始めたとき、もし前回正解している詰め碁ならば自信を持って解くことができますし、間違っていても今回正解したならば達成感がでてきます。
私はこのような方法で勉強し、徐々にですが丸が増えて行くことに嬉しく思い、最後はとても楽しんで詰め碁を解いていた記憶があります。
また一日で無理をしない程度に解ける題数を目標にするのもいいと思います。例えば一日3問とか。詰め碁は量が重要なのではなく、その問題を自分のものにすることができたかどうかが大事ですからね♪それに私の場合、目標にしていた題数を解ければお菓子を食べるなど、自分にご褒美もつけていました(笑)
自分のペースで、ゆっくりとやっていきましょう。
そうすればきっとだんだん苦手意識は薄れていきますよ。
私も最近また詰め碁が苦手になってきたので、もう一度じっくりと勉強しなおしたいと思っていました。
一緒にがんばっていきましょうね。