12月 女流棋士囲碁相談室
小林泉美女流本因坊・女流名人へのご相談
毎月月初に更新される「女流棋士囲碁相談室」、月々担当する華の女流棋士が、最近の出来事などの近況のお手紙とともに質問に回答していただきます。 続きを読む
今月のご相談 其の一
小林女流本因坊・女流名人、ご婚約おめでとうございます。
私、囲碁を始めまして、今年で、5年目になります。
最近負けが続き、自分は、勝負ごとは向いていないのかなぁと思っている今日この頃です。
それにしても、じっくり考える時間を相手にいただいているのに、先が読めない自分に腹が立ちます。勉強不足といえばそのままですが、同レベルの相手に負けてばかりいると、ショックでやめたくなります。
プロの先生方は、負けが続いたときなどは、気分転換などどうされていますか。応用がきかない自分がなさけないです…。
埼玉県 有岡さん
どうもありがとうございます。皆さんに祝福していただけて本当に幸せだな、と感じています。
さて、有岡さんは負けが込んでいるということですが、誰でも調子の波はあるものです。
むしろ負けてるときのほうが力を溜めているということもありますから、あまり勝ち負けにこだわらずに打たれては如何でしょうか。
私は負けたときは、弱いので仕方がないとは思いますが、やっぱり負け方によっては落ち込んだりもします。でも、自分なりに反省して何処が悪かったとか、気づくことが出来れば意外とスッキリするものです。
自分で敗因が解らない時は、父や、彼に聞くと教えてもらえるので…それでだいたい立ち直ってしまいます。(私は本当に環境に恵まれていますよね♪)
有岡さんの周りには少し自分より強い方が近くにいらっしゃいますか?強くなくても同じくらいの方でも良いんです。自分と違った考えを持ってる人に気づいたことを言ってもらうと発見があってとても勉強になります。
それで、一つでも二つでも反省することができれば、負けても次につなげることができる=成長している!ということですよね。
一番悪いパターンは、負けたことを忘れようとして、またその次の機会のときに同じ過ちを繰り返してしまうこと。やっぱり、碁を打つ以上少しでも強くなりたいものです…一局一局力がついているんだと思えば頑張れるんじゃないでしょうか?
私なりのアドバイスですが、少しでもお役に立てたら嬉しいです。
今月のご相談 其の二
3手読みがなかなか身につきません。相手の最善手を考えないのです。
何かよい、訓練法があれば教えて下さい。
高槻市 吉江さん
3手の読みですか…、それなら私は趙治勲先生の著書の「三手の手筋」という本がお勧めです!!
この本以外にも日本棋院から基礎の詰め碁の本が色々出ていますので、やってみて下さい。
難しいものよりも簡単なものを繰り返し!がお勧めです。
布石などは理論的な勉強の仕方もありますが、ヨミに関しては訓練して精度を確かめていったほうがいいのではないかと常日頃思っています。
私もけっしてよめる方ではないので、電車の中とか暇な時に詰碁をやっています。
そして、これは私の勉強の仕方ですが、なるべく問題を見ないで、頭の中で解くように心がけています。
棋士ならば頭の中の碁盤というのを皆持っていますが、私の碁盤はあまり鮮明ではないので、少しでも良く見えるようにするための訓練ですね♪
あくまでもこれはひとつのやり方で、他にもきっと色々な方法があると思いますので、試してみてください。
また、ヨミと言ってもちゃんと正解の出るヨセや死活の分野がありますが、中盤の戦いなどは一手先が読めないのは当たり前だと思います。碁は無限の可能性がありますからね!
読めないより読めた方が絶対碁が面白くなると思うので地道な勉強ですけど、是非トライしてみてください♪