10月 女流棋士囲碁相談室
加藤朋子五段へのご相談
毎月月初に更新される「女流棋士囲碁相談室」、月々担当する華の女流棋士が、最近の出来事などの近況のお手紙とともに質問に回答していただきます。 続きを読む
今月のご相談 其の一
囲碁に目覚めて1年半ですが、最近囲碁への情熱が薄れております。
目覚めたばかりのころは入門書を読み、ネット碁をはじめて、負けてばかりでも今度こそはとチャレンジしていました。おかげで大会で5級の認定状をもらい、その後3級まではあがりました。ところが、ここ3カ月ほど、全然対局をしておりません。やってもまた負けるのはいやだなあという気分なのです。仕事が忙しいせいもありますが、一度対局を始めると1時間以上はかかりますし、どうも面倒になって、やろうかどうしようか迷っているうちに時間が過ぎてしまいます。
「囲碁未来」や「週刊碁」はぱらぱら見たり、認定テストに応募したりしているのですがどうも対局は気が進まないのです。こんなことではまったく強くもなれないし、そもそもせっかく目覚めた囲碁の面白さを味わえなくなってしまいます。実戦に気後れしている私はどうしたらいいでしょうか。何とも情けない質問ですが、よろしくお願いします。
東京都 北村さんからのご相談
北村さんこんにちは。ご質問ありがとうございます。
まず、一年半でそれだけの上達は早くまだまだ、強くなると思います。
実戦に気後れしているとのことですが、気分が乗らないときは無理にやる必要もないのではないですか。時間はかかるし、負けると誰でも不愉快にもなります!
実は私も一時期打つのがいやで避けていたときあります。そんなときは自分の好きな先生の碁をひたすら並べて自分が打ったような気分にひたっていたんです。この方法はお勧めです。(なんだか強くなった気になるんです!)
週刊碁や、雑誌、認定問題をやるのも大変なことですよね。それができるのですから、間違いなく上達はしていると思います。
実戦も勝負勘や形勢判断、布石の構想やヨセや手どころの実践的な手段など。。。打ってみないと発見できないことはあります。でも、今は認定問題をやるなど筋力トレーニングをやっていると思って気長に頑張ってみてはどうでしょう。そのうち打ちたくてたまらなくなるときはあると思います。
無理なく毎日少しでも碁に触れていれば必ず力はつくはずです!
あせらず頑張ってください。
今月のご相談 其の二
僕は、囲碁を始めて2年目になるのですが、なかなか上達しないんです。
加藤朋子五段は、どういった勉強をしているのですか。
東京都 加藤さんからのご相談
加藤さんこんにちは。ご質問ありがとうございます。
2年目でどれぐらいの棋力になられたのか分からないのですが、囲碁は面白いですよね?
私の勉強ですか。。。。うーーん、こういう質問ははじめてです。。。
子供のころのお話にしましょうか。父に手ほどきを受けましたが、まず、碁がまったく分からなかったころ棋譜を並べさせられました。プロが打った碁です。
それを見ないでも並べられるぐらい何度も何度も並べました。それから、詰碁や定石を覚えさせられたり。(定石は覚える必要はないと今ではおもっています。)
そうしているうちにルールを覚え、実戦で楽しむようになりました。詰め碁は好きだったようで、よくやりました。
加藤さんはどんな分野がお好きなのかわかりませんが、自分が一番興味のある勉強方法が上達への秘訣だとおもいます。
上達は自分の目では確かめるのは難しいですよね。
でも、続けていればある日突然殻を破って強くなっているときがあるものです。
「継続は力なり。」です。頑張ってください。