6月 女流棋士囲碁相談室
小林泉美女流本因坊へのご相談
毎月月初に更新される「女流棋士囲碁相談室」、月々担当する華の女流棋士が、最近の出来事などの近況のお手紙とともに質問に回答していただきます。 続きを読む
今月のご相談 其の一
初めまして。倉内です。私は今18歳で、浪人中です。
碁は、父と祖父に教わりました。
まだ打ち始めて4ヶ月です。碁の勉強もしたいのですが、受験勉強もしなければならないし、大変です。
それで、今回ご相談させて頂くのは、基本の布石に関してなんです。
「勝敗は序盤の数手で左右される。」とよく耳にするのですが、私はまず確実に地を取れるように隅を堅くし、それから攻めに入ろうと思うのですが、そうすると、どうしても攻めに入るのが相手より遅くなってしまいます。
かといって守りをおろそかにして、相手の地へ攻め込むと、逆にこっちの守りの弱かった所に攻め込まれてしまいます。
どうやったら上手く攻守のバランスが取れるのでしょうか?
教えてください!!
兵庫県 倉内さんからのご質問
倉内さん、こんにちは♪ 18歳とは…若い!うらやましいです!
十代のうちって、なんでも吸収力が早いので、集中して取り組めば、碁もあっという間に上達することと思います。頑張ってください!
碁の格言で「取ろう取ろうは取られのもと」というのがありますが、まず、自分の石を大切にする打ち方は大賛成です。
守る=石がつながる ことが同時に相手の石を切っていることもあり、守ることは非常に大事です。
碁は一手一手かわりばんこですから、広いところから順番に占めていけば遅れることはないです。
逆にこちらが堂々と打っていれば、相手の方が焦って、こちらの強いところで戦いを挑んでくることになるかもしれません。
19路は広いので、是非ゆったりした心構えで盤に向かっていただけたら…と思います。
これは私なりのアドバイスですが、、、実際は…攻守のバランス…私でもうまくいかないのが現状です(笑)
何事も実戦あるのみ!色んな碁を経験しながら、バランスよい碁を目指してお互い頑張りましょうね♪
受験勉強も、頑張ってください☆ 良いご報告、、、お待ちしていま~す!
今月のご相談 其の二
囲碁を始めて2年余り、ただの1度も勝ったことがありません。
延々負け続けて悟ったのですが、どうやら「死活の見極め」が全く出来ないことに問題があるようなのです。
そのため、既に死んでいる石にひたすら肩入れしたり、生きているはずの石を見捨てて結局死なせたりしているようなのです。
で、質問です。
「死活の見極め」を、簡単かつ確実にクリアーする方法を教えてください。
古本屋で買った詰碁の本(10級未満用)ても、難解すぎて理解できません。
青森県 古御堂さんからのご質問
古御堂さん、はじめまして☆ ご質問、ありがとうございます。
2年ですか…それだけの間、相手の方を幸せにしつづけてこられて、それでも、尚、碁に対する向上心をお持ちとは…頭が下がる思いです。
その情熱こそが、碁の才能と私は常々思っていますので、類希な才能をお持ちの古御堂さんは貴重な囲碁ファンではないでしょうか♪
10級前後の本で勉強…とのことですが、見てないのでなんとも言えませんが、それはわかんなくてもしょうがないと思います。
石の死活の基本は5級くらいになって初めて「こういうことだったのか」とわかる方もいらっしゃるくらいの世界で、難しいものです。
そこで、、、私なりに死活について強くなる方法を考えてみました。
古御堂さんは「五路盤」ってご存知ですか?5×5のミニ盤です。
これは、入門用に趙治勲先生が推奨されているものです。市販されてはいませんが、紙に線をひいてすぐ作れます。
5路盤は、入門のルールを理解するだけでなく、盤上のすべてが死活に絡んでくるゲームになりますので「生き死に」を理解するためには最適かと思われます。
プロの間で九路盤の棋戦などがあるくらい、ミニ盤は今、最も注目されている分野ですが、7路盤などでも、プロで結論づけるのはとても難しいようなので、決して侮れるものではありません。
もちろん、、、五路盤もとても奥が深いので、ぜひチャレンジしてみてくださいね♪