4月 女流棋士囲碁相談室
加藤朋子女流鶴聖へのご相談
毎月月初に更新される「女流棋士囲碁相談室」、月々担当する華の女流棋士が、最近の出来事などの近況のお手紙とともに質問に回答していただきます。 続きを読む
今月のご相談 其の一
加藤さんこんにちは。
攻めがどうも苦手です。相手に弱い石があるのにどこから手をつけていったらよいのかわからないんです。
ボウシなどいろいろ試してますが、イマイチ成果が上がりません。
厚みの活用が悪いのでしょうか。攻めるときに気をつけることを教えて下さい。よろしくお願いします。
宮城県 三浦さんからのご質問
三浦さんは勢力重視の碁のようですね。厚みで打つ碁は相手に先行されている分、攻めながらポイントを取っていかなければいけません。
攻め方ですが、攻めにはケイマとか、ボウシはよくある戦法で問題はないと思います。
要はタイミングですよね、そこが難しいと思うのです。私も厚みの碁なので攻めすぎて空振りすることは多々あります。
相手の弱い石がある場合、すぐ攻めて他に地がつくとか、もたれて攻めることによって一方の石が弱くなる。など、得をするようなことが考えられれば決行してかまわないと思います。注意することは一方的な急な攻めは攻め損なうと気がついたときには地がない!ということにもなりかねますので、厚みにものを言わせ取りにいくというよりじわじわと寄りついて思わぬところに地がつくのが理想ですよね。
厚みで打つ碁は難しいと思いますが、自分の流儀を変えず追求してください。私も厚味派なので応援してます!
今月のご相談 其の二
こんにちは。
私事ですが、5月5日の予定日で初孫が生まれます。男の子だと嫁さんがお医者様から聞いてきました。ぜひ囲碁を教えようと、今から決めています。
名前は 朋大(ともひろ)と決まりました。
そこで、何も知らない子供にはどのように教えるのが正しいのか、ぜひご教授くださいませ。ちなみに、私はもう昇段することなどは豆粒ほども望んではいませんが、私の主催している囲碁クラブの子供たちの肥やしになりたいと思っております。
以上、よろしくおねがいします。
新潟県 吉田さんからのご質問
子供さんに教えるのは自分にとってもエネルギーをもらっている感じで一緒にいるだけで元気になりますよね。
何も知らない子供に碁を教える、ということですが、私自身も何が正しいかはわかりません。ルールを教えるというよりもまずは6路盤や9路盤でポン抜きゲームをやらせる、というのが最近のやり方のようです。まずは、興味を持たせ相手の石は囲むと取れる、先に五個取った方が勝つ。というやり方を教えたことがあります。子供同士でやる場合などは夢中になって楽しめると思います。
碁に慣れ親しんできたら、地を取るゲームだということを教えてみるのはどうでしょう。理解できないからといって無理に教える必要はないと思います。子供同士遊んでいるうちにだんだん分かってくると思います。それぞれの子供さんの特徴を見て誉めながら楽しい時間を過ごせるといいですね。
子供同士楽しそうに碁を打つ姿は心を打たれますし、素直な気持ちになれますよね。
日頃怖い顔して碁盤に向かって勝った負けたと嘆いている自分がなんだかとってもおかしく感じられます…。
蔭ながら応援しておりますので子供達と頑張ってください!!
それから、お孫さんのご誕生無事にお生まれになることをお祈りしております。同じ「朋」がついてなんだか嬉しいです。