囲碁ゲームサロン パンダネット

学習

3月 女流棋士囲碁相談室

矢代久美子四段へのご相談

毎月月初に更新される「女流棋士囲碁相談室」、月々担当する華の女流棋士が、最近の出来事などの近況のお手紙とともに質問に回答していただきます。 続きを読む

あなたのお悩み囲碁相談室

今月のご相談 其の一

最近矢代先生のお姿を「囲碁将棋チャンネル」でお見受けしてないので、さみしく思っております。
私の棋力は13級前後です。対局していて、いつのまにか相手の地が大きくなってることが度々あります。気がついた時はすでに遅しです。
何に注意して打ち進めればよろしいでしょうか。よろしく、おねがいします。

大分県 吉野さんからのご質問

吉野さんこんにちは!大分県からのお便り、ありがとうございます。
さて、早速質問についてですが、「相手の地がいつのまにか大きくなってしまう」とのことですね。
これはいろいろな理由が考えられますが…ちなみに私の場合は「囲わせても地合のバランスが取れていると思ったのに、そうでなかった」という形勢判断のミスがほとんどです。
あとは、目先の実利に目がくらんで、相手の大模様拡大を妨げるタイミングを逸してしまった、などでしょうか。
吉野さんがどのようなパターンに陥ってしまったのか、これはちょっと想像するしかないのですが、とにかくこれを回避するには、常に相手の地に対しても敏感でいることですね。
碁は自分の陣地が多ければ勝ちのゲームですが、逆に相手の陣地が少なくても勝ちなのです。一呼吸おいて碁盤全体を見てみるといいかもしれません。
参考になりましたでしょうか?
ちなみに最近は、テレビに出ることがめっきり少なくなりました。
これを「勉強しなさい」という神様の思し召しと思って、碁に精進していきたいと思ってます。早く対局者として、ブラウン管に顔を見せたいですね。
質問ありがとうございました。

今月のご相談 其の二

初めまして、岡本です。
プロの碁を拝見いたしておりますと、五目ほど、いや十目ほどでも、当たりになっていても継がない時がありますが、私なんぞは一目でも助けてしまいます。
石が死ぬと大変損をしたように感じます。
捨て石についても、同じです。
NHKの囲碁講座を見ていますと、「石を捨てて得をせよ」と教えています。
石が死ぬ、石を捨てる、貧乏性の私には、なかなか実行しがたいことです。
何か発想の転換が出来る良きアドバイスをお願いいたします。
最後になりましたが、矢代久美子先生の活躍を期待しています。

富山県 岡本さんからのご質問

岡本さんこんにちは!富山県からのお便りですね。全国どこからでもアクセスできるのがパンダネットの利点ですよね。ありがとうございます。
さて、こちらは「石が捨てられない」ということですね。
確かに、想いをこめて盤上に叩きつけた石を、あっさり相手に与えてしまうというのは、くやしい。相手の碁笥の中に石が落ちていくとき、苦虫を噛み潰したような表情の岡本さんを想像してしまいます(笑)。
でもですね、石をいくら取られても、陣地さえ大きければ碁は勝ちです。そして、碁を打つとき一番大事なのは、常に盤上でもっとも効率のいいところに着手しなければならない、ということです。(まあそれがどこかわかったら、私ももっと強いんでしょうが)十目の石を取る手が二十目の価値でも、もっとほかに大きいところがあったらそこに打っているだけの話です。
捨て石というのはちょっと高級な戦術で、石を取るために手をかけさせて、自分はたくさんいいところに打ってしまう作戦です。これはそういった本を読んでみたら、一目で納得できるような図がたくさん載っていると思います。参考になりましたでしょうか?
しかし、説明はたやすくとも、実際打つとなるとうまくいかないのが碁の難しさ。
こうやって皆さんの質問にお答えしていると、「なに弱いくせにえらそうなことを…」という、闇からの声(?)が聞こえてくる気がします。
もっと強くならなくてはいけませんね。
質問ありがとうございました。

華の女流棋士 思い出の一局トップへ戻る