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囲碁を打つことを、『対局』を言います。そして、『対局』している最中のことを、『対局中』と表現しますが、その『対局中』に戸惑う形があります。囲碁は順番に打って、地が多い方が勝ちで、相手の石を取れることがある――これだけで、だいたいは打てるのですが、いくつか特殊な形がありますから、ここで覚えておきましょう。

6日目…特殊な形

[1]コウ
a.ルールが必要
 相手の石を、天地左右の四カ所ぴったり封鎖すれば、その石を盤上から取り上げることができることは、もうお分かりでしょう。1図の白石は、黒がもう一手打てば取れます。

1図

 もちろん、2図、黒1でいいですね。

2図

 では、3図を見てください。この形はどうなっているのでしょう。黒から白△の石を取れますか。

3図

 4図、黒1で白一子を取れるのがお分かりでしょうか。

4図

 その取り跡が5図です。不思議な形です。今度は白番です。

5図

 白から打てば、6図の白1で黒一子を取り返すことができるでしょう。

6図

 しかし、その取り跡が7図で、これは3図と同じ形に戻ってしまいました。

7図

 7図は黒が打つ番ですから、8図のように、黒1で白をまた取ることができます。一手ずつ打つゲームですから、こうやって石を取り合っていると、繰り返しになって終わらなくなります。ですから、この特殊な形には、「決まり」があるのです。それが、相手が取った跡は、続けて取り返すことができないというルールです。
 もう一度、8図を見てください。今、初めて黒1と抜いたことにしましょう。次に白は、「一旦別なところに打たなければ、この黒1の石を抜き返すことができない」というのが『コウ』のルールです。

8図

 ですから、9図、白は他のところに白1などと打ち、相手も黒2と他のところに打ったら、次に白3と黒一子を抜くことができるのです。
9図
     

 しかし、10図、白1と他のところに打ったときに、黒2とツイでしまえば、もうコウにはなりません。そうなったら、白は仕方がないので、白3などと他を打つしかないのです。
10図
     

b.『コウ』の実例
 もう少し具体的に、『コウ』を見て行きましょう。11図は、少し複雑な形をしています。

11図

 ここで、12図のように、黒から打てば黒1と『コウ』を抜くことができます。

12図

 その抜いた跡が13図です。白はすぐコウを抜き返すことはできませんから、白1などと他のところに打たなければなりません。黒も2と他に打てば、今度は白3と抜き返すことができます。
13図
     

 しかし、14図、白1に対して、黒2と抜かれると、『コウ』はおしまいです。真ん中は黒が立派な形になりました。
14図
     

c.コウ立て
 『コウ』ができて、一旦他に打つ行為を、『コウ立て』と言います。15図は、黒から打てば、白△の石を取ることができます。

15図

 それが16図の黒1です。白はすぐに取り返すことができません。

16図

 それで、17図、白1と他に打ち、黒2と応じれば、白3とコウを取り返します。この白1を『コウ立て』と言います。
17図
     

 しかし、18図のように、白1の『コウ立て』に黒2とツイでしまえば、コウは終わりです。続いて、白3と打って、黒△の一子を制することになります。

18図

 この黒△一子は小さいですが、19図のように、四つの石になればもう少し大きな『コウ立て』になります。白1と白3を続けて打てば、この四個の黒石は逃げられません。
19図
     

 20図のように、黒1と逃げても、白2で捕まってしまいます。この後、黒3と打っても無駄です。白4と全部抜かれてしまいます。
20図
     

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6日目…特殊な形
[1] コウ
[2] セキ
[3] ダメについて
[4] 練習問題

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