学習
4図
5図 これはどうでしょう。黒が右の矢印の方向に大きな陣地を広げているのに対して、白は左の狭いところを白地にしているだけです。将来的に、黒の地が上回りそうな予感がしませんか。今は詳しく分からなくても大丈夫ですから、なんとなく感じていただければ十分です。5図
6図 これは、白が左上と右下に石を置いています。黒は右上から中央、左下あたりを占めています。黒の陣地は右上の矢印の方向にあり、白の陣地は左の矢印のあたりです。ここで、右下の白4の石に注目してください。自分の陣地を作れるでしょうか。周囲を黒石に囲まれて、不安な感じがしませんか。でも、立場を変えて黒で考えてみるとどうでしょう。この白4の石をどう扱えばいいのか、黒だって困っているかもしれません。お互いにいろいろな悩みを抱えて、一手一手考えながら打つのが、囲碁の面白いところです。なんでもマニュアルどおりやればいいわけではありません。自分の頭で考えながら打つのが、囲碁の特徴でもあります。工夫と独創性が大切な、不思議なゲームを楽しんでくださいね。6図
7図 黒1はこれまでと似たような感じですが、白2に対して、黒3と石をくっつけて行きました。白4に黒5と打ったのは、どういう意味でしょう。黒3と黒5の石はつながっていません。白2と白4の石もつながっていません。この後、どうしていいか、初めは分からないかもしれませんが、こういう分からないことを考えて、自分なりの答えを見つけていくのが、囲碁の醍醐味でもあります。どうぞ分からないまま、たくさん悩んでください。悩めば悩むほど、囲碁の世界が分かってくるはずです。8図
プロのトップに立つような、名人と言われる人でも、囲碁のすべてが分かっているわけではありません。もちろん、入門クラスの方たちや、平均的なアマチュアとは悩みの質が違いますが、それでも分かっていないことがたくさん残っているのは同じです。だから、最新のコンピューターを使っても、囲碁を完全に解析することはできません。コンピューターの最強ソフトを使っても、プロはもとよりアマチュアの強い人にはまったくかなわないのです。コンピューターは計算や決まったコースを調べるのは得意でも、「悩む」のは苦手ですね。人間が得意な「悩む」ことこそ、囲碁の真髄でもあるわけですから、当分コンピューターがプロも脅威になることはないでしょう。ただし、入門や初心者には、コンピューターソフトはいい練習台になりますから、それもいずれご案内いたします。