世界最大級のインターネット囲碁サロン パンダネット

学習

10日でマスター!
囲碁入門

10日でマスター!パンダネット囲碁入門

10日目…実戦例/19路盤

 もう碁の打ち方が、だいぶ分かってきたでしょう。早く実際に打ってみたいものですね。初めは9路盤がお勧めですが、そのうち19路盤でも打ちたくなるはずです。ここでは、19路盤の序盤の打ち方を勉強しましょう。
 序盤は、「布石」とも言います。19×19路の碁盤の上に、文字通り「石」を「布」いて陣立てをする意味です。布石にはいろいなタイプがありますから、どんどん試してみましょう。碁は相手があることですから、柔軟性が大切です。一つの打ち方にこだわるより、いろいろな打ち方をマスターして、幅広い考え方を身につける方が有利です。
 布石に限ったことではありませんが、なんでも貪欲に勉強して、いろいろな知識を吸収しましょう。碁は、たくさんの知識を身につけることが、上達の近道です。そして、実戦を重ねて、知識を実際に試して、自分のものにしていきましょう。

[1]序盤の打ち方
【序盤の打ち方・実戦1】
 黒1から白2、黒3、白4と、順に隅を占めました。空いている隅を先に占めるのは大きいですから、「空き隅」を優先的に打ちましょう。
 黒5は黒1、黒3の隅と連携して、三つ縦に並んで、右辺を黒の勢力圏にしています。この黒5で、

実戦図(1-6)

 1図、黒1と左下に打つのもあります。白2と打たれたら、黒3、黒5と中に出て行きます。それから、黒7と打てば、白も8と中に出て行くでしょう。こういう打ち方もあります。
 黒5と右辺に打ったので、白は6と左下に二手打ちました。この白6で、
参考図1
     

 2図、白1と右下に近づいていく打ち方もあります。黒2と打って右辺を固めれば、白3と下辺に打つのが有力です。
参考図2
     
 黒7、黒9も辺に打ちました。右辺から黒の陣形が広がってきました。
 左上の白4、白8の二手で隅を地にしたところから、白10と広げるのも大きい手です。この白10で、

実戦図(7-13)

 3図、白1と黒の陣地の中に入っていくのもあります。黒2から4が定型で、白に圧力を掛けながら、白の周囲で黒地を増やしていきます。
 白10と打ってから、白12と入ってきました。黒13では、
参考図3
     

 4図、黒1と上から止める打ち方もあります。白2と隅に入れば、黒3から黒5と外側を止めて、白6まで隅は白に与えてしまいます。右辺から中央に掛けて、黒の陣地が強化されましたから、右上隅は白に与えてもかまいません。
参考図4
     

 白14と狭いながらも、白を補強しました。白14と打てば、黒15に白16と、黒の陣形に入っていくことができます。この白14で、

実戦図(14-16)

 5図、白1と隅を気にするのは、黒2から黒4で中を止められるかもしれません。いろいろな打ち方がありますから、どちらがいいとは言えません。要は、このあとの双方の打ち方次第で、優劣も変わってくるのです。
 碁は、一手一手変化していきます。その局面に一番合った手が頭に浮かぶように、ふだんからいろいろな打ち方を勉強しておきましょう。
参考図5
     

【序盤の打ち方・実戦2】
 黒1から白4まで、空いている隅に打っていますが、白4で、

実戦図(1-6)

 1図、白1と黒が先にあるところに打つのも立派な手です。その場合は、黒2と空いている隅に打たれるのは覚悟しなければなりません。どちらも悪くありません。
 黒1、黒3、黒5で、右辺方面に黒がたくさん打っています。ここで、白6と入ったのは、これ以上の黒の拡大を防ぐ意味です。この白6で、
参考図1
     

 2図、白1と左下に二手目を打って、隅を白地にするのもいい手です。黒2と右辺は黒っぽくなりますが、白3と打って左下から下辺に白陣を広げるのも立派です。
参考図2
     

 黒7に対して、白8と迫ってきましたから、黒9と中に出ていきます。
 白10と下辺に出ていくのはいい手です。白10を打たないで、

実戦図(7-10)

 3図、白1と他に打つと、黒2と下辺に打って、白△の出口を止められます。白△は周りを封鎖されると苦しくなります。白1から白3と続けて打って、右辺は白石が多くなりましたが、黒4に構えて、下辺は黒の立派な陣形です。なんといっても、左下の白△が息苦しいのがつらいのです。

参考図3

 黒11と左辺に入っていったので、白12から黒17まで忙しくなりました。この後どうなるのか、よく分かりませんね。お互いにはっきりしない石があって、これからは実力次第でしょう。黒11で、

実戦図(11-17)

 4図、黒1と中に出ていけば、この石を逃げようというわけで分かりやすいのですが、白2と打たれて、左辺は白の陣地になりそうですね。
 白16と中に出たのはいい手です。これで、
参考図4
     

 5図、白1と下辺を打つのもありますが、黒2と上を止められると、左辺の白二子が窮屈になります。実戦の白16のように、早く中に出るのは、いい手になることが多いのです。

参考図5

【序盤の打ち方・実戦3】
 隅の打ち方もいろいろです。黒1は五線に打ちました。初めは三線か四線がいいのですが、五線に打ってもかまいません。基本的な考え方としては、三線か四線がいいというだけで、碁はどこに打つのも自由です。黒3も五線に打っています。
 黒3から黒5と隅を続けて二手打てば、初めに黒5に打ったのと変わらなくなりました。
 白6と左下に二手目を打ったので、黒7と右上も黒が二手打ちました。白6で、

実戦図(1-7)

 1図、白1と打てば、隅は白の地になります。黒2と上から被せるように打って、黒6まで外側は黒が強くなりました。白7まで定型の一つです。他にもいろいろな打ち方がありますから、この型にこだわることはありません。
参考図1
     

 白8と右辺に入ったのはいいところですが、これで、

実戦図(8-10)

 2図、白1と左辺を占めるのもいい手です。それなら黒2と右辺は黒に打たれそうですが、白3、黒4とそれぞれ辺のいいところを占め合って、これも互角の布石です。
 黒9はいいところで、右上の黒がしっかりしました。黒9で、
参考図2
     

 3図、黒1の方から打つと、白2がよくなります。黒3と上辺に向かえば、白4と右上隅に入られそうです。せっかく先に黒△に二手打ったのに、後から来た白に入ってこられるのは嫌な感じですね。
 白10は大事な手です。ここを打たないで、

参考図3

 4図、白1などと他に向かうのは、黒2と迫られて、白△が心細くなります。白3、白5と逃げることはできますが、その間に、黒2、黒4と右下がふくらんできます。白5までの白三子は、このあとも、ずっと逃げ続けなければならないでしょう。それもつらいですね。

参考図4

 左上、黒13に白14と上辺に構えました。黒15にも白16と守って、白は上辺と隅をほぼ白地にしました。
 黒17は大切な手で、これで黒は安定しました。この黒17で、

実戦図(11-17)

 5図、黒1などと他に転じるのは、白2と迫られて黒が困ります。黒3と逃げるしかないですから、白4で左辺は白のものになります。黒3と逃げた黒三子は、当分安心できないでしょう。
参考図5
     

【序盤の打ち方・実戦4】
 黒1から白4まで、空いている隅を占めあって、黒5と左上に向かいました。この黒5で、

実戦図(1-11)

 1図、黒1と右下に二手目を打って、隅を確実に地にするのも立派な手です。白2と左上隅を打たれたら、黒3と下辺に打って、右下から下辺に掛けて、黒の陣形を広げます。
 白6と右下に打たれたので、黒7と迫って、白8と中に出させました。黒9、黒11と下辺を続けて打って、ここに黒地ができています。黒7では、
参考図1
     

 2図、黒1から右下を地にする打ち方もあります。白6までが定型で、右辺は白地になりそうです。
参考図2
     

 白12と右辺に入ってこられたので、黒13と中に出ていきました。この黒13で、

実戦図(12-19)

 3図、黒1と右上を打つと、白2と被ってきて、黒△が動きづらくなるでしょう。
 白16と黒の頭を止めたのはいい手です。黒17からつばぜり合いになりました。白16で、

参考図3

 4図、白1と上の方の白から動けば、黒2と中に出ていくのが楽になります。それから白3と白も一緒に出ていきます。黒も楽をしましたが、白1と補強して、右上の白△二子は強くなっています。たいていの手は、何かいい効果がありますから、それを生かすように打てばいいのです。白1で強くなりましたから、当分は、右上の白を気にしなくてすみます。その分、これから他で頑張ることが出来るわけです。

参考図4

 白20に対して、黒21と連絡したのは大事な手です。これを、

実戦図(20-22)

 5図、黒1などと先を急ぐのは、白2と出られて困ります。黒3に白4で、黒△二子が分断されます。この黒は逃げ道がありませんから、取られる可能性が大きいでしょう。
 実戦の黒21のような連絡の手は、間違えないようにしたいものです。

参考図5

【序盤の打ち方・実戦5】
 黒5と右上を二手で守りましたから、白6と左上に向かいました。右上も左上もしっかり守らせたくなかったのです。しかし、白6で、

実戦図(1-12)

 1図、白1と下辺に打って悪いわけではありません。黒2の守りは許しても、白3と右辺に打って、拠点を増やします。これも十分考えられます。
 黒7から黒11と左上隅を地にして、白12まで上辺は白が占めました。これは定型の一つですが、黒7では、他にいろいろな打ち方があります。
参考図1
     

 2図、たとえば、黒1と上辺から迫れば、白2と中に出ていくことになります。黒3、白4、黒5と並んで進出するのも、よくある展開です。
参考図2
     

 黒13から黒15と右辺を黒が占めましたが、黒13で、

実戦図(13-20)

 3図、黒1と下辺から打つのも考えられます。白2、白4と隅を守れば、黒3、黒5と下辺を安定させて一段落です。この場合は、次に白6と上辺を広げるのが大きくなります。
 黒15で、
参考図3
     

 4図、黒1から黒3の定型につくのもあります。今度は白4と下辺をに打つのが大きくなるでしょう。
 白16と下辺を占めたのはいいところです。これで、
参考図4
     

 5図、白1もよさそうですが、同じように黒2から白5までとなると、今度は黒6と下辺に打つのが絶好点になります。白1や白5で下辺を広げたつもりだったのに、黒6と入ってこられると、白の陣地がすっかり荒らされそうです。
 白20で黒の進出を止めたのもいいところで、下辺が大きくなりました。これで、
参考図5
     

 6図、白1と隅を守るのも大きいのですが、黒2に出て来られると、右辺の黒が大きくなりますし、下辺の白はが制限されます。こういう双方にとっていいポイントは、逃さないようにしましょう。
参考図6
     

前のページへ  l  次のページへ

10日目…実戦例/19路盤
[1]序盤の打ち方
[2]実戦の心得

囲碁入門目次へ

学習トップへ戻る