a.終局
黒と白の境界線が確定して、互いに1目も増えたり減ったりしなくなったら終局です。碁を覚えたころは、多少分かりにくいかもしれませんが、実際に打ってみれば、すぐ理解できますから心配いりません。
28図はもうすぐ終局という場面です。白番で考えてください。どう打ったら終局になるでしょうか。
28図
29図、白1のあと、黒2に出てきますから、白3と止めて終わりになります。もう互いに増えるところはありませんから、これで終局です。白地の中に黒△が一つありますから、これは相手の地に埋めます。
29図
30図が最終形です。黒△が黒地に埋められて、黒地が27目、白地が20目になります。
30図
b.境界線の確定
31図も終局間近の場面です。黒番で考えてください。
31図
32図、まず上辺を黒1から白4まで決めて、下辺の黒5から黒7で終わりです。
33図が最終形です。もうどこにも打つところがないことを確認してください。
33図
34図を見ていただきましょう。黒番で、境界線を確定してください。
34図
35図、黒1から順番に黒7までで終わりです。この順番が正しいかどうかは、それほど大切ではありません。こうやって、境界線が決まって碁が終局するということを、感覚として分かっていただければ十分です。
もう一つ、36図も境界線を決める図です。白番で考えてください。
36図
37図、まず下辺を、白1から黒4までを決めます。
それから38図、上辺も同じように、白1から黒4まで。これで終わりではありません。
続いて、39図、白1から白3までで境界線が確定します。どうしてこうなるのかを、一つ説明しましょう。
たとえば、白3を打たなければ、40図、黒1と打たれて、白が困ります。白2と逃げても、黒3で白の周囲が縦も横もふさがりますから、白が取られてしまいます。ですから、39図のように、白3と白石を連絡しなければならないのです。
41図が境界線が確定した形です。ここで疑問が沸いてきませんか。×印の二カ所はどうなっているのでしょうか。それが次のテーマです。
41図
c.ダメの詰め方
41図をもう一度見ていただきましょう。×印はどちらが打っても一目も得をしません。そういうところは、「ダメ」と言って、境界線が確定してから、双方の石で埋めていきます。42図のように、黒1、白2と打って、空いてるところを埋めれば終局です。
43図も終局間近の場面です。黒番でこの後を考えてください。
43図
44図、黒1から順に白8までで、ほぼ終局です。
後は、45図のように、黒1とツイで、白2と「ダメ」を詰めれば終わりです。このように、互いの石の隙間にある「ダメ」を打ち終わってから終局になります。この黒1の地点を黒が打つ理由は、次の「欠け眼」の勉強で理解できるでしょう。
d.欠け眼の修繕
完全な地ではなく、いずれは無くなってしまう幻の地点を「欠け眼」といいます。これは地のことだけではなくて、石が生きる眼形を作るときにも大事な概念なのですが、それはまた次の項目でやりましょう。ここでは、地を作るときの「欠け眼」の処理について勉強しましょう。
46図で黒と白がそれぞれ囲っている地がありますが、黒の×印の地点は、黒の地に数えていいでしょうか。
46図
ここは、47図のように、白1と打てば、黒2と連絡しなければなりませんから、黒2の地点は黒の地にはなりません。
もし、黒2と打たなければ、48図、白1と黒一子を取られてしまいます。
48図
49図の×印も同じことです。
49図
50図、白1と打てば、黒2の連絡が省けませんから、49図の×印の地点は黒の地ではありません。
51図の×印の地点について考えてください。ここは、互いに意味のない「ダメ」でしょうか。
51図
52図のように、黒1と打てば×印の地点が黒地になります。
52図
逆に、53図、白1と打てば、×印の地点は「欠け眼」で黒の地にはなりません。ここは互いに1目得するヨセのポイントでした。
53図
【応用②】54図を、白番で終局させてください。×印の地点は「欠け眼」ですから、黒地にはなりません。
54図
55図、白1と打てば黒2と連絡しなければなりませんから、ここは黒地ではありません。続いて、白3と出れば黒4の連絡も絶対です。白5でダメを詰め終わって、もう打つところがありません。これで終局です。
終局するときは、次のような順番になります。
・ まず境界線を確定して⇒欠け眼の処理をしてから⇒互いにダメを詰め合って⇒打つことろがなくなったら終わります。
・ よく分からないときは、お互いに教え合ってもいいでしょう。何度か経験すれば慣れますから、それから真剣勝負をしてもいいと思います。サラサラと最後まで打てるようになると、囲碁が楽しくなってきますから、勉強と実際の経験を積み重ねることが大切です。
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4日目…取り上げる石の処理と碁の終わり方
[1] アゲハマについて
[2] 終わり方
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