パンダネット囲碁講座

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石井邦夫九段
第5回
囲碁クラブ「おもしろ対局」その1/碁は断にあり
白・山下敬吾五段 三子・井山裕太

石井九段の愛弟子、井山裕太九段の成長の過程を、じっくり見ていただきたいと思います。
囲碁クラブ誌の企画で、山下敬吾五段と対局しました。

【テーマ図・黒番】
空中戦が始まりました。黒の次の一手を、A~Cの選択肢の中から示してください。実戦では、井山少年の会心の手筋が飛び出しました。



(手順)
白19のケイマに、黒20とコスミツケて、22と出てきました。しかし、白23から25と切られて困りました。黒20では24に受けるくらいだったでしょう。白31まで隅を大きな地にされて、黒の失敗です。
黒32にケイマしたことろ、白33と上辺から迫られ、空中戦が始まりました。ここでテーマ図です。

黒1(A)のコスミは連絡を確かめた手です。本手で、これも正解にしたいくらいですが、井山少年が打った手が素晴らしいのです。


(正解)
黒1(B)とツケたのが、井山少年が打った実戦です。白2のハネに黒3と切り違えたのが手筋で、この手が素晴らしいのです。山下五段を相手に、最強の手段で戦いを挑んでいます。
この後の変化は、後ほど示しましょう。



黒1(C)のマゲは、堅い手ですが、白2のアテから4とカケツがれて、白の形がしっかりしました。黒の石は重い印象です。正解のツケ切りのような、冴えた手筋と比べると見劣りするのがお分かりでしょう。


(実戦)
正解のあと、白1とサガリました。“切り違い一方ノビよ”です。黒も2とノビて、最強の応手です。
この後の手順は、次回お見せしましょう。


白1とアテて3とツグのは、黒4とシチョウにカカえて、黒が十分でしょう。黒4ではaと出るてもありますが、そこまで頑張る必要もありません。



白1の方をノビるのは、黒2のアテから4とハイ、6から出てこられて白が困ります。“切り違い一方ノビよ”も方向を間違えてはいけません。


次回もこの碁の続きを見ていただきます。井山少年が、山下五段に果敢に挑んでいますが、その結果はどうなったでしょう。
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