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< 講座テキスト >
石井邦夫九段
第1回
「入門の頃のチビッコ裕太/初碁にコウ無し」
白・石井邦夫九段 四子・井山裕太
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石井九段の愛弟子、井山裕太九段の成長の過程を、じっくり見ていただきたいと思います。
入門したばかり、七歳のときの四子局です。当時、アマチュアでいえば六段の実力がありました。
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【テーマ図・黒番】 |
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四子局です。左上で激しい接触戦が始まりました。
ここで、黒はAと逃げるのがいいか、Bがいいか、考えてください。
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(手順)
テーマ図までの手順です。
白7のボウシで、黒の出方をうかがいました。井山少年は黒8とハザマを突いて出てきました。白9のツケに対して、黒10のハネ出しから12とツイで、最強に応じています。ここで白13とカカえたところがテーマ図です。
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(実戦)
黒1(A)と逃げたのが、井山少年が打った手です。素直な手ですが、この場合は失敗でした。白2のアテから4とツイで、隅の黒△の二子が分断されてしまいました。黒5とカカえて中の白△の二子は取れますが、白8のケイマで隅を白地にされたのが大きいのです。
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(正解)
黒1(B)の切りから3とマクるのが正解です。ワタった黒地が大きく、辺と隅の黒が連絡して安心しました。
黒は断点がたくさんありますが、この場合は怖がることはないのです。
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白1と切られても、黒2と抜いて、黒が悪くなることはありません。まだ序盤で白からいいコウ材はありませんから、次にどこを打たれても、黒aと打ち抜いてしまえばいいのです。
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(実戦)
実戦の進行です。
隅は損しましたが、黒1と打ち込んで、どんどん戦いを仕掛けてきました。白4、6のツケ引きにも黒7とノビて元気いっぱいです。白8と切られても、黒9と下から打って全部取るつもりです。
黒9で、(次の図へ)
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黒1はいけません。白2とサガられて、黒△が助かりません。
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(実戦)
黒1、3のアテツギで白数子は取れています。ただ、黒7の切りは余計な頑張りでした。白8で、黒がシビレています。黒9から11で辺の白は取れましたが、白12でシチョウに取られたのは、井山少年も参ったでしょう。黒13の抜きと白14の抜きの交換では、白がどれだけ得をしたか分かりません。ともかく黒17とヒラいて、後の展開に期待するしかありません。この後は次回をお楽しみに。
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井山少年の元気いっぱいの碁を見ていただいています。まだ七歳ですが、切れるところはどこでも切って、いっぱいに頑張る気持ちのいい碁です。 |
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