パンダネット囲碁講座

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林海峰名誉天元
第5回
「第27期十段戦挑戦者決定戦 その5」
白・林海峰九段 黒・石田芳夫九段

林海峰名誉天元の会心譜から勉強しましょう。
ヨセに入ってきました。次の一手を選択肢の中から示してください。Aで中を減らすか、Bから行くか、それとも白Cとカミ取るのがいいでしょうか。




【テーマ図・白番】
前回(第4回)からテーマ図までの手順です。
黒1以下は黒の権利です。


白1(A)で中を減らそうというのですが、この手は味が悪くて失敗です。黒2を利かされると、左辺が切れてしまいますし、黒4から6のアテで、連絡が怪しくなります。


白1(B)は筋違いで、黒2のハネから4、6と切られると難しくなります。白は形勢がいいですから、こんな危ない手は打つべきではありません。



(正解)
ここは中央は放っておいて、白1と一子カミ取るのが正解です。この手は10目ありますから、意外に大きいのです。これで優勢を維持できています。


(実戦)
黒4から6と出て、8のノゾキは利いています。
白9を手抜きは、(次の図へ…)


黒1の出から3で切れてしまいます。油断ができません。




[]
(実戦)
黒1から中央を囲いましたが、白12も利いて、たいしたことがないと見ています。
左上でコウ形になりましたが、白24で受けるのが正しいのです。白が実利でリードして勝勢です。
白24で他の手はうまくいきません。(次の図へ…)


白1とノビてコウを頑張るのは無謀です。黒石は中央につながっていて負担がありませんし、コウ材も白が不利ですから、白がいけません。


打つとすれば白1のツギですが、黒2のアテから4とワリ込む筋があって、これが先手です。これでは、かえって白が損をしてしまいます。



対局の結果は、林九段の白番3目半勝ちです。次回も好局を材料に勉強しましょう。
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