パンダネット囲碁講座

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林海峰名誉天元
第4回
「第27期十段戦挑戦者決定戦 その4」
白・林海峰九段 黒・石田芳夫九段

林海峰名誉天元の会心譜から勉強しましょう。

【テーマ図・白番】
前回の最終の図から、黒△の一手が加わった局面です。白は下辺がまだ生きていません。次の一手はAかBか、どちらでしょうか。



白1(B)と受けるのは失敗です。黒2の押しのあと、次に黒4が下辺に利いていますから、白5と生きなければなりません。すると、黒6のハネから、こっちの白石が取られてしまいます。白1の頑張りは無理でした。
白5で手を抜くと、(次の図へ…)


たとえば、白1など中央に手を入れるのは、黒2の置き以下、この白がナカ手で死んでしまいます。


(正解)
白1(A)と並んで、下辺を動くのが正解です。これで中央の様子を見て、いざとなったら下辺で生きるつもりです。右辺の白数子は、小さく捨ててもかまいません。



(実戦)
続いて、黒2と右下の白との連絡を止めてきたので、白3と一本利かして、下辺白5と生きました。黒6、8と上辺に向かい、白は7から11で下辺に連絡です。


(実戦)
上辺で、黒5の差し込みから7とツケて、黒は何か狙っています。
黒9のツケで、(次の図へ…)


黒1のノビは白2と受けられて何事もありません。黒3のフクラミに白4とノビて、上辺がいい白地になります。



(実戦)
白1と反発したのは当然です。黒2と切り違えてここが勝負所です。
この白1で、弱気になってはいけません。これで、(次の図へ…)


白1と受けるのでは、黒2、4を利かされて、白地が小さくなります。これでは黒が楽すぎます。


(実戦)
ここが勝負所です。白1のアテに黒2とノビたのは当然のようですが、白3のオサエから白11ツギまでの結果は、黒はでかしていません。aの穴も残っていますし、黒の勝負手は不発に終わりました。
黒2では、もっといい手がありました。(次の図へ…)




[の下]
黒1と外からアテて、白2の抜きに黒3と出る手がありました。黒7まで突き抜けば大成功です。白は危ういところでした。


中盤の石の混み合ったところでは、相手の勝負手も出ますし油断できません。ていねいなヨミが大切です。次回はヨセの勉強です。
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