パンダネット囲碁講座

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林海峰名誉天元
第1回
「第27期十段戦挑戦者決定戦 その1」
白・林海峰九段 黒・石田芳夫九段

林海峰名誉天元の会心譜から、テーマを上げて勉強していきましょう。
まず、1局目は石田芳夫九段との碁です。
林「石田さんとはよく当たりました。計算が正確で、細かい碁になると負かされそうですし、戦ってもやられそうで、私にとっては天敵のような存在でした(笑)」
黒から△にツメられたところで、次に白番でどう打ったでしょうか。
Aのコスミで手厚く構えるか、Bとハサんで積極的に仕掛けるか。



(実戦)
テーマ図までの手順です。
黒番の石田九段は黒1、3と得意の目外しです。
白4とすぐカカリました。
黒9が積極的な手です。aのヒラキくらいなら穏やかです。



【テーマ図・白番】
前図の白4で、白1と左下隅に向かえば、黒2とシマってきます。それから、白3にカカれば、「石田九段得意の黒4の大斜に来られるのがいやでした」と林名誉天元。


(正解)A
実戦は、白1のコスミに構えました。この手の意味は、ゆっくり打とうということです。この場合は、急戦は得策ではありません。



白1(B)にハサめば急戦になります。黒2の二間トビから4とこちらもトンで、6のボウシでしょう。次に白1の一子を動き出して、全体的に急な流れになります。白はコミがありますから、ちょっとゆっくり打ちたいところでした。


(実戦)
白1のコスミに黒2とケイマに受けました。白3のコスミツケから5に構えて、黒6のトビに白7のコスミツケを利かして9のトビまで。右辺が一段落です。


(実戦)
黒1のカカリには、白2とハサむところです。黒11まで、よくできる定石で、これからの碁です。
林「このへんから、打ち方によって全然違ってきます。
この後は、次回のテーマになります。



ゆっくりした展開です。これから個性が出る局面です。プロの構想力をお楽しみください。
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