パンダネット囲碁講座

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依田紀基九段
第5回
「ヤキモチは損」
石の形や石の方向がテーマです。俗筋に陥らないように、しっかり勉強しましょう。

【テーマ図・白番】
黒が△と三連星に構えたところです。次の一手を、A~Cの選択肢の中から示してください。



(正解)
序盤のこの段階では、正解が一つということはありませんが、白1(A)とカカるのはプロでも多い着手です。この手の意味は、黒の三連星の広がりを制限するもので、そういう意識を持って打つのが、碁では大切なのです。


白1(B)もあります。自分も三連星に構えて、模様で対抗しようという意味です。相手を制限するのか、自分を広げるのか、どちらが正しいというのではなく、しっかりした意識を持って打つことが大切です。


白1(C)と三連星の中に入っていくのはいけません。これは黒の構えにヤキモチを妬いた手で、あまり誉められることではありません。先にある黒△の石が、白1をハサんだ形になっています。 黒2とコスミツけられて、白3と立った石が攻められるのは避けられません。黒に主導権を握られて、序盤早々苦戦が予想されます。
黒の立場では、自分の勢力圏に飛び込んで来られたら、いい攻撃目標ができてありがたいと思うべきでしょう。地が荒らされることを心配することはありません。


実戦は、さらに白1と隅に入り込んで、黒地を荒らし始めました。こんなにヤキモチを妬いてはいけません。
白13まで生きましたが、黒14と構えた黒の厚みは大変なものです。これだけ厚ければ、大きな地に匹敵するだけの価値があります。


ヤキモチは損だということを覚えてください。相手の勢力や実利が大きく見えるのは分かりますが、相手に何一つ与えたくないというのは、碁では間違った考え方です。互いに勢力を作り、互いに地を得ながら、互角で進行すれば十分なのです。自分が一方的に得をすることを求めないで、バランスを取りながら打つように心掛けましょう。
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