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< 講座テキスト >
マイケル・レドモンド九段
第1回
「カラミ攻めの準備 その1」
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今回からマイケル・レドモンドの『局勢をリードする攻めの戦術』をお送りします。
今回のテーマは「カラミ攻めの準備」です。
攻めは楽しいものです。今回は攻め一つでやっていきます。攻めの目的は石を取るわけではなく、活かしてあげて利益をあげるのが本来の攻めです。
隠されたテーマとして状況判断があります。攻めなくても大切ですが、攻める前には石の強弱や方向を判断しなくてはいけません。
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【テーマ図】 |
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白1とノビて連絡したところです。
カラミ攻めは同時に攻める楽しい攻めです。今回は攻撃目標を二つにするということをします。
まず状況判断です。
右下隅の黒は強い石です。左下方面は白も黒も強い石。右上と左上の隅の石も今は強い石です。
下辺の白石が弱い石で、攻撃目標です。しかし切られている黒の石も弱い石です。攻めの目的の一つはこの黒の補強です。
右辺の白石は強い石と弱い石の中間といったところです。白がヒラけば強くなります。
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ここで次の黒の手を考えてみましょう。候補は三つあります。
まず、Aのトビ。
次に、Bのツメ。
最後に、Cのオシ。
さて皆さんはどのように打ちますか? |
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Bが正解です。白にヒラかせずに弱い石にします。
白は黒石の間を出ていくしかありません。黒11まで黒は補強できて、右辺も黒地ができそうです。白は下辺も右辺も弱いままで忙しいです。
黒が一手守っているあいだに、白は二手守らなくてはいけないので忙しくなってしまうのです。 |
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Aは白2とヒラかれて、黒3から攻めてみても、逆に攻められてしまいます。
弱い石が一つだと攻めるのが難しいのです。右辺に黒地ができないのもマイナスの一つです。
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Cは強い石から動いて攻めているのがマイナスです。
一手一手交換しているうちに、弱い黒石がもっと弱くなっていきます。
それから黒5と打っても逆に取られてしまうかもしれません。
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次回も「カラミ攻めの準備」をお送りします。お楽しみに。 |
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