パンダネット囲碁講座

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宮本直毅九段
第2回
「430年前の手筋」
中村道碩対安井算哲(先番)

歴史的なドラマのある碁をテーマに、手筋の勉強をしましょう。

【テーマ図・白番】
黒が△とツイだところです。次の一手を、A~Cの選択肢の中から示してください。



(正解)
白1(A)とノゾくのが正解です。黒2のツギに白3を利かす形が働いています。さらに、白5と右から臨んで、黒に迫ります。あざやかな手筋でした。


白1(B)の切りは、黒2の出がアタリになっています。白3と逃げるしかありませんが、黒4、6を利かして、8と整形します。白が小さな地を稼いでいる間に、中の白二子が孤立してして、すでに白の苦しい碁になっています。
また、黒6のアテは保留して、(次の図へ)


黒1とツグのも有力です。のちに黒aのコウを狙っています。いずれにしろ、白の苦しい形です。



白1のツケは手筋に見えますが、正しく応じられるとうまくいきません。
黒2と下から受けるのはいけません。白3の切りから7とマゲたときに、黒の打つ手がありません。白aとbが見合いになっています。


白1には、黒2と上からオサえます。白3の切りなら黒4とツイで、前出の図に戻ります。


白1には黒2のオサエでよく、白3のオサエなら、黒4とツイで大丈夫。白はサバく形がありません。



手筋は相手の形を崩したり、自らを整形したり、大いに役に立ちます。手筋に古い新しいはありませんから、昔の碁も十分勉強になるのです。
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