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< 講座テキスト >
山城宏九段
第3回
「第39期本因坊戦リーグ・残留決定戦」その3
厚みを囲うべからず
黒・山城宏八段 白・坂田栄男九段
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山城宏九段の実戦譜から、山城流のバランスの取れた打ち方を勉強しましょう。
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【テーマ図・黒番】 |
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黒に手番が回って、チャンスが訪れています。次の一手をA~Cの選択肢の中から示してください。
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(手順)
白29から31とワタったのが小さく、白29ではaと右下の黒を攻めた方がよかったでしょう。黒に手番が回って、黒34、白35を利かしたところです。
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黒1(A)は黒の厚みを囲う手です。つい厚みを囲いたくなりますが、これは意外に小さいのです。「厚みを囲うべからず」というように、たいしたことがありません。
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黒1(B)は立派な手ですが、自分を守るだけの手で、正解とは言えません。
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(正解)
黒1(C)とスソから白に迫るのが正解です。隅の白への寄付きを見て、黒の地も増やしています。白2から受けて、白4のブツカリと黒5の交換も打たなければなりません。白8まで、実のない手を打たせて、黒は満足します。
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(実戦)
下辺黒3のヒラキに回りました。白22のトビは白が占めましたが、白にとっては地にならないところです。黒は実利のいいところを先に打ち、白には実のないところを打たせて、黒がうまく立ち回りました。
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全局的にいいところに先行して、バランスよく打ち回しました。坂田九段を相手に、うまく打った一局でした。 |
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